登山者情報028号

【1981年04月29日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

ブナの新緑が日一日と高度を増し、雪の消えた尾根上をイワウチワが一面に敷き詰め、イワナシも咲き始めました。尾根は取り付きから標高1,000m付近まで夏道が出ています。しかし27日には行動が難しいほどの強風が吹くなど稜線は冬と春の接点にあります。天気周期や天気図・気象予報をよく確かめると共に、荒天(吹雪・雨)の対策を怠ることのないようにして下さい。
朝日方面は徳網まで、飯豊方面は梅花皮荘まで車が入ります。梅花皮荘から飯豊山荘の間は新道(梅花皮荘の裏に吊橋あり)が通れますが、ブロック雪崩・滑落に充分注意して下さい。初心者はご遠慮下さい。
雪質の変化が激しく、稜線以外は早朝を除きアイゼンが効かなくなります。なおダイグラ尾根最上部と飯豊山御前坂を予定している方はアイゼン無しでは通行できないこともあるので注意下さい。
飯豊山荘は6月上旬まで閉鎖になっています。梅花皮小屋は二階入口から入ることになります。アイゼンは必ず脱いでから入って下さい。御西小屋は二階屋根が一部露出しています。
全山ピッケル必携です。滑落停止・キックステップなど雪上技術に習熟していない方は入山しないようお願いします。
桧山沢出合の吊橋が雪崩のため破損していますが、すぐ上のスノーブリッジが利用できます。
石転ビ沢は地竹原から雪渓に上がれますが、雪渓の崩壊やブロック雪崩に充分注意し、上級者以外入谷しないで下さい。