登山者情報038号

【1981年08月09日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

下界はまだ暑い日が続いていますが、稜線のお花畑には秋の花が多くなってきました。梅花皮小屋付近ではニッコウキスゲに替わってタカネマツムシソウ・タカネツリガネニンジン・が盛りです。他にイイデリンドウ・エゾイブキトラノオ・ムカゴトラノオ・ヒナコゴメグサ・トリカブト・ハクサンフウロ・イワテトウキ・シラネニンジン・タカネナデシコ・クルマユリ・アオヤギソウ・ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマホツツジ・マルバシモツケ・ミヤマクルマバナ・ヤマハハコ・オンタデ・タカネヨモギ・イワオウギ・ミヤマコウゾリナ・マルバダケブキ・オタカラコウ・コイワカガミ・ミヤマキンポウゲ。イワイチョウ・ハクサンコザクラ・ハクサンオオバコ・コバイケイソウ・ウサギキク・シシウド・ヒメシャジン・タカネニガナ・クロクモソウ・ナツユキソウ・オオレイジンソウ・タカネサギソウ等が咲いています。
{石転ビ沢}
石転ビノ出合(門内沢出合)までは夏道となります。水はカジカ和歌石転ビノ出合(門内沢出合)で水筒に詰めること。それより上流の水場は危険度が増します。ホン石転ビ沢出合から上は落石やブロック雪崩に十分な注意が必要です。特にガスが掛かった場合は油断できません。北股沢出合で休む時は出合の真ん中のルート図で(水)の記号のある所で休んで下さい。そこから上は左岸(上流から見て)沿いに登り途中で左へ斜上します。雪渓の真ん中を登ったり、休んでいる登山者の群れへ落石が来て逃げ惑う姿をよく見かけます。草付キ(中ノ島)へは右側から取り付きますが、取り付いて暫く登ってからアイゼンを外して下さい。草付キ(中ノ島)の末端で休んで落石を起こしたり、ザックを落とす登山者もいます。人為的な落石を起こさぬよう細心の注意が必要です。雪渓上の転石には絶対に触れないで下さい。万一、石を落としたり、落石を発見した場合は大声で「ラクッ!」と叫び下の登山者に教えて下さい。