登山者情報1016号

【2006年06月24-25日/日暮沢-竜門山-大朝日岳-古寺山-日暮沢/竹田通則調査】】

道路交通情報(6/25 現在)
 朝日町宮宿ー朝日鉱泉間 土砂崩れのため通行止め
水場情報(6/24〜25現在)
 日暮沢小屋○ ゴロビツ水場× 竜門小屋○ 金玉水× 銀玉水○ 三沢清水× 
 一服清水○

 翌日からの山行を考え、23日夜に出かけ日暮沢小屋に泊まる事とした。9時40分に小屋に着くと2台ほど車が停まっており、「これは静かに隅で飲んで寝るか」などと考え中に入ってみると誰もいない。真っ暗で静寂。急に怖くなった。元来そっち系は苦手な方でHZUが前に言っていた「山では時々幽霊に会う」と言う言葉を思い出したら後ろが気になってしょうがない。飲んでも飲んでも酔えない!般若心経を知ってるところまで唸ってみるが途切れ途切れでもっと気味が悪くなった。怖くて横になれない。気が付くと12時を回っていた。
 24日 4時30分に目覚ましをセットしておいたが、もう5時30分を過ぎている。今になって昨夜の酒が効いてきた。朝食を準備し余計な物を車に付け、小屋前の水場で給水した後、6時30分小屋を出発。
 尾根の取り付きでいきなりの急登。高度が上がる、息が上がり、酒が回り、しばらくはこのままか!? 7時56分ゴロビツ水場着。この水場で補給しようと思っていたが残念な事に雪で埋まってまだ使えない。前もって連絡していた大江山岳会のGXKを呼んでみたら繋がった。一行は古寺コースを登っていて一服清水の手前で休んでいるらしい。
 水場が使えない旨を伝え、出発しようとした時GPSの電源がオフになっている事に気が付いた。さっきトラックログのチェックをした時には確かに・・・?ん!バッテリーを見てみたら残量がほとんど無い。交換し、また歩き出す。時々GPSを確認したが今度は切れてない。清太岩山手前で一度雪を踏む。上はガスっているがこの辺りはまだ見通しが良く、そのまま登っても容易に次の夏道を見つけることが出来た。
 清太岩山9時5分通過、ユウフン山9時40分着。ここで小休止。2名ほど腰を掛けて休んでいた。GXKをもう一度呼んでみた。古寺山手前らしい。水場の事を聞くと金玉水も雪で使えない可能性が高いとの事、そうなれば大朝日小屋に着いた後、銀玉水まで行かなければならない。若干逆方向に進むが竜門小屋に寄って水をそこから持って行く事にした。ユウフン山辺りからガスってきて視界が悪くなってきた。主稜線は全くガスの中で見えない。
 竜門分岐点近くまで行くと完全に視界が無く、10m無いくらいだ。霧雨のような状態で体がうっすら濡れてくる。突然残雪が現れた。雪渓の向こう側どころか、すぐそこさえガスと重なって見えない。ナビを見ると竜門の分岐まで84mらしい。ナビの示す方向へ導かれるようにしばらく進み登って行くと突然雪渓が終わり、気が付くと目の前に分岐の標柱が立っていた10時35分着。当たり前のことだがナビって正確だ!10時42分竜門小屋着、昼食の準備をして入ると一人小屋に入ってきた。先ほどユウフンで休んでいた内の一人で新潟から来ているとの事。予定を聞くとコースは私と同じだがガスっているので今日はここに泊まるらしい、がまだ11時前だ。勿体無いなと思いながら食事をとっていた。私もコース同じでこれから大朝日小屋に向かう旨話すと彼も一緒に行く気になったらしい。
 11時50分二人で小屋を出発した。分岐までもどった所で、長井葉山で良くお会いするご夫妻に出会った。これから以東岳の方へ向かうとの事だ。このご夫妻には秋にキノコ採りや採ったキノコの味噌汁を山で御馳走になったりしている。先々週も古寺山コースをピストン日帰りしたそうで健脚なご夫妻だ。竜門山を超え西朝日岳に向かう。相変わらずガスで景色が見えない。「晴れていればなぁ」などとボヤいてみてもしょうがない。西朝日13時10分着、中岳慰霊碑通過14時。晴れていればここから夏道の向こうに大朝日小屋が見えるはず、金玉水の標柱まで降りて来てもガスで小屋が見えない。案の定金玉水は雪の中だった。程なくして小屋着14時20分。(※竜門山から大朝日小屋まで何箇所か雪を踏むことになり、ガスっていると次の夏道が見つけづらい事があります。2/24現在)
 先に着いていると思っていたGXKがいない。無線で呼んでみると一行の中で足を攣った人がいてまだ銀玉水手前らしい。GXK「もうすぐ行くから飲まないで待ってて下さ〜い」、筆者ECB「了解!」。出来なかった。待っていれるわけが無い。だいたいにして会の先輩からは小屋や目的地に着いたら直、とりあえず乾杯 と躾けられている。それが染み付いた体がアルコールを求めている。5分後にはウイスキーの水割りを五臓六腑に染み渡らせていた。間もなくしてGXK到着。ザックを置くより先にワインを片手にやってきた。(さすがだ!)
 一行は夕食の準備にかかっている。GXK快調に飲んでいる(さ さすがだ!)大朝日小屋は自家発電によって小屋内の照明を賄っている。ヘッドライト無しで過ごす事が出来る。一行に混ぜていただき宴はますます盛り上がった。
 25日 誰かに足を踏まれ目が覚めた。4時28分起床。驚いた!隣に陣取っていた関西訛りのオバチャン2名、朝4時半だと言うのに人工的な、そして完璧な化粧が施されている。時間を掛けたあの業、何時から・・・・?(お お見事!)
 外に出てみると御来光後間もなくで素晴らしい景色が広がっている。急いでカメラを取りに戻った。雲海に月山 鳥海山 蔵王が浮島のように見える。昨日の景色とはうって変わってキレイだ。カメラだけ持って大朝日岳に向かった。山頂から小国方向を見ると平岩山その奥に祝瓶山が朝日に照らされて大きく見え、そして雲海の向こうには飯豊連峰の全容が白く光って見えた。
 7時に小屋出発。ここでGXKにお礼を言って先に出かけた。下っていくと銀玉水手前で斜面に大きく雪がまだ貼りついていた。ガンガラ沢の方向へ急な傾斜が付いているので注意。銀玉水は使えました。小屋で聞いた話ですがGXKはPh(ペーハー)を計る試験紙と温度計を持って、いつも水をチェックしているらしい。ちなみに前日の水温3度だったとか。銀玉水から小朝日岳の上りまでヒメサユリの群生があちらこちらにある。ちらほら咲き始めているが、ほとんどが蕾で来週あたりがピークなのかなぁ。
 小朝日岳の巻き道を使った。前日管理人の大場さんが急斜面の雪渓をトラバースできるようスコップで道を切ってくれたそうだ。ご苦労様でした。道はあるものの35cm位の幅しかないので注意が必要。滑ればずう〜っと下まで行くでしょう。または雲の上まで行って輪廻転生!
 古寺山8時30分着。大朝日岳を振り返りながら「下りは速いなぁ」と独り言、そして写真。朝 出かける前GXKと柳川温泉の話しをしていた。かなりいい湯らしい。古寺山からハナヌキ峰までの道すがら考えていたら嬉しくなってきた。途中の三沢清水は水が無く使えなかったが気にならない。(頭の中は柳川温泉!) 分岐からハナヌキ峰を超え長い下りになる。最後の急斜面を降りる頃には川の水も大きく聞こえ、この山行も終えるのがもうすぐだと感じる。
 10時35分林道に出た。後は小屋までこの林道を歩くだけ。10時50分無事小屋着。荷物を車に積んで柳川温泉に直行。話の通りいいお湯でした。ちなみに直ぐ傍にある、手打ちの柳川そばこれも最高!

日暮沢小屋 ユウフン山から竜門山はガスの中
今日の事を話しながら GXKは何時もこんな感じ
新潟から来たと言う佐藤さん 朝起きると一面の雲海
小朝日から昇る朝日 朝日に照らされる中岳
前日縦走してきた西朝日方面 雲海の中、月山が浮島のように
見える、一番奥が鳥海山
大朝日岳々頂から小国方面、上に雲
のように浮かんでいるのが飯豊連峰
大朝日小屋
GXK御一行 ヒメサユリが群生
小朝日を見上げる 古寺山々頂から小朝日・大朝日岳