登山者情報104号

【1990年4月15〜16日/石転ビ沢〜梅花皮小屋/丹野久・仁科友夫調査】

・梅花皮荘〜飯豊山荘間
除雪は既に終了しているが、車道両脇に残雪があることと雪崩の危険性がまあり、ゴールデンウィークに合わせ4月下句頃に車両の通行可能になる予定です。車道には、落石・倒木が落ちており足元に気を付けたい。徒歩所要時間上り1時間10分下り1時間位が目安
・飯豊山荘〜温身平間
飯豊山荘のオープンは4月28日ごろの予定。除雪はダイグラ尾根分岐まで完了している。その先から温身平までは残雪を踏みしめることになる。徒歩所要時間上下とも35分
・温身平〜石転ビノ出合間
地竹原までは夏道と残雪の交互歩行となり、柴の跳ね木や踏み抜きに注意をしたい。下ツブテ石左岸はブロック雪崩が発生しており、素早くトラバ−スを終了すること。ババマクレは落ち葉が堆積してスリップしやすい状況である。地竹原から雪渓の雪上歩行となる。地竹原から滝沢までの右岸はブロック雪崩の最盛期を迎え、降雨時や好天の融雪時期には特に慎重を要する。滝沢の雪渓はまだ崩壊していないが、両岸から僅かにクレパスが確認された。梶川沢の雪渓はしっかりしているが、上部でブロック雪崩が発生し始めた。赤滝から石転ビノ出合の左岸はブロック雪崩が始まり、今後細心の注意が必要である。徒歩所要時間上下とも2時間
・石転ビノ出合〜梅花皮小屋間
5月の初旬まで2,000m級の山は、上空の寒気団に影響され、しばしば冬型の気圧配置となる。この調査日も上部歩行中の風雪に悩まされた。視界がきかず、ルートファィンディングに苦慮するので、この時期の登山は冬山の技術と経験が必要であろう。ホン石転ビ沢から上部北股沢出台まで、莫大なブロック雪崩が発生して高さ1m50cm長さ300mにわたって巨大なデプリとなっており、足場の確保とルートに苦労する。上方が風雪やガスられた時は、雪崩の多発する北股岳方向に行かないように充分な注意が必要となる。稜線と稜線直下は強風・突風の発生があり、耐風姿勢が必要である。徒歩所要時間上り3時間45分下り1時間10分

花情報
梅花皮荘の対岸:ミズバショウ咲き始め、タムシバ咲き始め。飯豊山荘〜下ツブテ石:マンサク、イワウチワ。温身平付近プナの芽は、霜が降りた為か茶色に変色したものが多く見られる。

このルートは刻々と変化しますのでルートファインディングには十分な注意が必要です。