登山者情報1040号(投稿)

【2006年08月21-22日/大鳥口〜以東岳/川口志枝子調査】

 2日間の休みがあり、朝日連峰以東岳から大朝日の主稜線が見たくなり計画を立てた。前日の運動の疲れで身体がだるく、起きて時計を見ると08:00!慌ててお握りを用意する。
 09:00に自宅を出発。早朝と違い車の流れが悪い。一年ぶりの以東岳を目に浮かべる。ラジオから流れる天気予報によると、曇りで降水率30%、雷注意報が出ている。
 大鳥集落を通る川沿いの道路に重機がある。河川工事が行われているようだ。崖崩れの注意看板が何カ所かあるが、とりあえず7月の大雨の影響はないようなので安心する。
 11:35泡滝ダム登山口に到着、県外ナンバ−車が5台駐車していた。11:58お握りを食べ水分を多めに取り歩き出す。傾斜のない沢沿いの道。大鳥川の水量の少ないので、小沢は何カ所かあるが、水が流れていなかった。沢音の心地よい渓谷を歩く。途中に雪渓があって、今年の雪の多さを感じた。ブナの木が裂かれている、何時も自然が同じわけではない、まして人の世は・・・ちょっぴり込み上げるものがあった。花はエゾアジサイが満開。12:54-13:14冷水沢のつり橋で休憩しパンを食べる。
 今日のザックは重いが、曇りなので心地良く歩く。13:36七ッ滝沢のつり橋、沢の水量は少なく渡渉できそうだなと思った。七ッ滝に向かう道があるようだが、藪で見つからない。橋を渡りと標柱があった。西に甚六山の崖を見て、大鳥川は左側になる。そうして沢沿いの平坦道歩きを過ぎると七曲りの急登になる。
 以前はジグザグに登った記憶があるが、はっきり解る踏み跡が何カ所も直登しているので、踏み跡の通り行く事にする。このコースは沢の水が3カ所汲めるのが安心である。
 大鳥小屋の藤井さんとお会いし「今日から小屋は不在となり、又土日に入る。雷に十分注意する事。」と伺う。
 14:30突然雨がふり、遠くの雷鳴聞きあわてて合羽を着る。雨がひどくなる。以東小屋までは登らない予定だったので、ゆっくりと登ってきて、14:55-16:04大鳥小屋に到着した。ここまでズライドした人7人、平日しかも曇りのせいか、かなり少ない。小屋周辺には幕営のスペース、外トイレと炊事場があり、看板に1人500円と書いてあった。
 迷ったが以東小屋に行く事にする。水門の上を通り湖畔の道を僅かに進むと、オツボコースと直登コースの分岐看板がある。今回は池沿いを歩く直登コースにする。途中沢がある。突然赤い光を見る。近くに雷様が落ちたようだ。雨がひどくなってきたので立ち止まって考える。以東小屋まで3時間、こ雷はひどくなるようで、稜線に上がったどうなるのか。ふとHZUさんの雷との遭遇が頭をよぎり、引き返すことにした。
 15:50大鳥小屋に到着しひと心地着く。今日の登山客は男性2人。料金は1人1,500円財布の中は10,600円、両替ができないので、また秋に来た時に支払う事とする。
 ちょっと不安になるが、1階で休む事にする。1人は奥の方で休み、もう1人の方は釣り客のようだ。楽しい食事とまではいかないが、しばし話しをしながらくつろぎ、18:30頃就寝。暑い上に蚊が多く何度となく起きる。香取線香を持参しなかったのが悔まれた。
 翌22日03:00起床まだはやいので、身体を休める。食事して不要な山道具を小屋に置き、05:03大鳥池の湖畔を半周歩く。東沢出合を渡るが水は流れていないようだ?昨年、東沢出合を上りすぎて登山口が解らなくなって探した記憶がある。
 05:35今回は無事に直登コース登山口に着く、平坦な草地や木々のトンネルを歩くが、登山道は草や笹で覆われている所がある。笹や草の水滴でズボンが濡れるが、暑さのせいで気にならない。
 急登になり、ガレ場、木の根の階段、ぐんぐんと高度を上げる。06:47-07:00休息。食事取っていると、突然オコジョが遊びに来てくれた。初めて見るが想像していたより小さい。写真を撮ろうとするが、私の周りをぐるぐると素早く回りフレームに収まってくれない。写真を諦めて登る。振り返ると眼下の大鳥池が美しい。
 森林限界になり笹が多くでてくる。07:35標柱、道はいくつも穴があいて荒れている。大雨時に水の通り道になり、広がって行くのかな?と思った。注意しながら登る。ミヤマアキノキリンソウが多い、キンコウカは終わりのようだ。ガスで視界がない。
 08:08-09:35以東小屋に到着。誰もいない、私一人。大朝日の縦走路はガスの中、小屋周辺には、花が咲いている。小屋の中に入ってゆっくりする。アマ無線のスイッチ入れる。人間の声がみょうに懐かしい。携帯電話は圏外、外に出ても同じなので、あきらめて食事にする。
 水場に行き水を汲む。水場は花の楽園、知っている花だけで12種類。高度計見ると100m程下がるようだ。
 09:45-55ガスの中、以東岳山頂に到着。アマ無線からODDさんの声が聞こえたので呼んで見たら繋がった。小国町まで何kmあるのだろう、アマ無線は強いと思った。
 アップダウンの少ない道をオツボに向かう。晴れていれば大鳥池となだらかな縦走路が展望できるのだが、残念!何も見えず写真も撮れない。
 10:17日が差してきたので、日焼け止め塗り合羽を脱ぐ。オヤマリンドウが盛りだ。10:58オツボ峰分岐標柱。立ち止まって携帯を見るとアンテナが2本表示なっている。メールを打つが送信にならない。娘に電話をかけるが通じない。何故か分からない。以東の稜線は携帯が通じないのだろうか?
 雷が聞こえて来たで、写真撮っている余裕はなく先を急ぐ。ここから登山道は花に包まれる。オヤマリンドウとタカネマツムシソウが見事に競って咲いている。
 石で整備された道を歩き、水場の標柱。少し登り返した後、森林限界を過ぎてブナ林の急な下りになる。今日始めて三脚を背負った人と会い言葉を交わす。
 登山道はコンクリート柱の階段に整備されていた。12:49、大鳥池12:58-14:18大鳥小屋に到着。冷えていないビールを飲み、ラーメンを食べて足を休める。ゆっくり登ったので筋疲労はあまりないが、登山靴と靴下が濡れているのが気になる。小屋には水門を管理する方がいた。3日間小屋に泊まる予定との事。
 15:43-53冷水沢で休憩し、16:55泡滝ダムに到着した。

登山口に向かう橋、河川工事中 雪崩でなぎ倒された樹々
泡滝ダム 登山口
冷水沢の吊橋を渡る 七ッ滝吊橋を渡る所
何時かは蝶に 大鳥小屋
湖畔の登山道 登山道分岐
東沢 大鳥池を見下ろす
登山道が掘れている 登山道
水場 ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲの群落 石が敷き詰められた登山道
お花畑 マルバシモツケ
以東小屋