登山者情報1065号

【2007年02月08-09日/山形県山岳遭難救助訓練/井上邦彦調査】

 恒例の山形県山岳遭難救助訓練が、蔵王坊平ライザスキー場を会場に実施された。自治体の予算不足を反映し、日程は1日短い1泊2日となった。講師はHZU・QVH・PWDが勤めた。参加者は、山形県警察山岳救助隊員・陸上自衛隊第20普通科連隊・各地区遭対が42名、これに事務局(県警本部地域課)を加えて、総勢49名である。
 私の担当は1班、開講式の後に各班に分かれて装備の説明と結び方の確認。昼食後カンジキを履いて雑木林を登り、青い鳥コースへ行く。朝日連峰や飯豊連峰も遠望できる最高の天候である。まずはキックステップ、次に滑落停止。スノーバーを打ち込み、これを支点にグリップビレを体験してもらう。ロープを雪面すれすれで握らないと支点が抜ける。さらに肩確保とスタンディングアクスビレイで引かれる方向を意識することを指導する。全員が集まって、アバランチビーコンの説明を行うが、途中で私が目的のビーコンを探せなくなるアクシデントが発生。周りをみたら皆プローブを立てて持っている。このため電波が乱れているのだ。プローブを片付けてもらい、無事探し出すことができた(冷や汗)。
 翌日は仙人沢へ向かう。1週間前にPWDが埋めておいたダミーを、プローブで捜索し掘り出す。ダミーを取り出した跡に班員を生き埋めにして、プローブでつついてみる。その後、発見した遭難者を保温しながら掘り出す訓練を行った。
 吊橋の側で、レスキューハーネスを使い、遭難者を背負った隊員を8環で沢に降ろす。続いて滑車とアッセンダーを組み合わせて、そのまま崖上まで吊り上げる。最後は、エアーストレッチャーを使用して急な斜面を引き上げた。

先ずはカンジキで歩く 防災ヘリ最上も参加 防災ヘリ最上と朝日連峰
滑落停止の訓練 グリップビレイ きちんと止まりました
スタンディングアクスビレイで
力が加わる方向を確認
アバランチビーコン
プローブによる捜索 反応があった 人を生めて掘り出す
遭難者が風に当たらないよう
シートを被せて雪を取り除く
負傷者を担いで崖を降りる 8環で降ろす
今度は吊り上げ 足場が悪いので苦戦 今度は1:1で吊り上げる
一人だと余裕 搬送方法の確認 人が乗ったエアーストレッチャー
急な斜面を搬送する 滑車を使って引き上げる 次第に急になる
引っ張るのも大変 足場も悪い 樹木を避けて上げる
1班(井上班)の皆さん 参加者全員で記念撮影