登山者情報1070号

【2007年03月31日/西俣尾根〜頼母木小屋/井上邦彦調査】

 先週は登れなかったので、今週は多少悪天でも登りたいと考えていると、天気予報は次第に好転していった。05:08川入荘に車を止める。05:12民宿奥川入はまだ就寝中らしいので、そのまま通過する。凍み雪になっていたので、登山靴のまま田んぼを進むが、杉林に入ったら潜り始めたのでカンジキを履いた。
 登山道北の小沢は入口の滝がそっくり露出していた。05:24雪の斜面を登り始める。05:32-36尾根に上がった所でカンジキと服を脱ぐ。マンサクがあちこちに咲いている。尾根は殆どが夏道となっている。
 鼓動が激しく胸が苦しい。そう言えば前回も屈み込む場面があった。無理をせず呼吸を整え、ゆっくりと歩みだす。循環器系統が多少弱っているのかもしれない。汗をかくレベルまで脈拍数を上げる訓練が必要なのかも知れない。
 05:55主尾根に出る。05:57-06:05食事を取る。ここから雪が出てくるが、夏道も混じっている。急斜面になると大勢の登山者が下った跡があった。1週間前に下越山岳会が下った跡だろう。
 06:29十文字ノ池を通過する。静かに加重を掛けると潜らないが、トレースで荒れている雪面は潜る。猫のような忍び歩きで進む。急斜面はキックステップで登る。朝日連峰や蔵王連峰が薄っすらと浮かんでいる。
 07:13-23西俣ノ峰山頂に到着する。食事を取り、カンジキを履く。07:41積雪量が少ないため雪庇の発達が不十分であり。亀裂を避けて東俣川側を進むが、痩せている所ではどうしても露出し始めた尾根上を歩くことになる。つくづくスキーで来なくて良かったと思う。
 広大な雪原には3箇所の急斜面があった。何時もより多い。今冬の風の変化を感じた。08:08-10枯松山を通過する。ここからの下りは、痩せているので崩れかけた雪庇すれすれ進む。
 08:17-29鞍部で食事を取る。休むと寒くなるのでカッターシャツを着る。オオドミを過ぎ、08:47-53服を脱ぎアイゼンを着ける。ブナ林の単調な登りを続け、09:15森林限界を通過する。ダイグラ尾根の左に吾妻連峰が見える。白い雲と赤紫の光がダイグラ尾根を包み込み異常に幻想的な光景を見せている。
 アイゼンが金属音が奏でる。ストックは力を入れないと刺さらない程度だ。波をうった新雪を避けて直上し、09:57騙シ峰(仮称)を越えると目の前に頼母木山が聳える。空腹を感じたがそのまま登る。
 10:06頼母木山々頂に到着する同時に風が襲う。記念撮影をするまもなく小屋を目指す。僅かに下ると風が弱くなる。二王子岳や日本海を見ながら歩いていると、OTJから無線が入った。天気が良いので徳網山に登っているとのことである。朝日連峰はくっきりと見えるが、徳網山は峰々に重なっておりよく分からない。
 10:18頼母木小屋に到着すると、夏の入口が埋まっている。何時もは問題なく使用できていたので驚く。新設なったトイレ側に周り、梯子を登って冬期出入り口を確認してみるが、思ったとおり凍り付いて使用できない。覚悟を決めて入口を掘り出すことにした。表面が硬いのでピッケルで傷をつけ、スコップで掘る。このドアは上下2箇所に回転式の鍵があり、これを回して縦にしないと開かない。結局下まで掘り下げた。中に入ってストーブをつけるまで約20分を要した。念のため確認すると、冬季非常の鍵は開いていた。
 トイレができたので風が変わったのかとも考えたが、今冬がおかしかったのかもしれない。新しい小屋ができたのだから、古いトイレを潰して、そこから入れるようにすれば楽かもしれない。
 これから使用する方は、左が旧トイレの入口であること、回転の鍵が2つあることを承知しておいて貰いたい。また私の除雪は中途半端であるし、これからの降雪で再度埋まる可能性が高いのでスコップを持参して欲しい。。11:26回転鍵は上だけ掛けて小屋を出発した。
 小屋を出ると、風が強くなっている。千代吉沢にトラバースして下り、11:47騙シ峰の鞍部に出た。登る時はさほどではないが、下る時はアイゼンを引っ掛けやすい。ピッケルを出し何時ものコースで、三匹穴を目指した。
 12:06森林限界を通過する。次第に雪が腐ってきた。12:23-29鞍部でアイゼン・ピッケルを仕舞い服を脱ぐ。12:40枯松山のブナの芽は膨らんでいた。そろそろ熊も冬眠から目覚め始めるだろう。
 13:22-37西俣ノ峰山頂に1羽の鳩がいた。誰かが飼っているのだろう、全く人を恐れる様子はない。14:00十文字ノ池はマンサクが咲いていた。14:28-32取り付きまで降りると潜って歩けない。ワカンを履いて進むと雨が落ちてきた。民宿奥川入で隆蔵氏と会話し、14:50川入荘に到着した。

今回のコース

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