【2007年04月14日/倉手山救助訓練/井上邦彦調査】
小国山岳会総会前の山行は恒例になっているが、今回は担当者の企画で救助隊飯豊班との合同訓練となった。あいにくと担当者は全員が都合により欠席、山岳会からはHZU・LFD・NIY・ECB・前田・山本の6名、飯豊班からは真人・隆蔵・孝蔵・義人の4名、他に荒木・井上の2名、総計12名が参加した。
私達は乗り合わせ(アルコール対策)で梅花皮荘に向かった。08:22梅花皮荘に全員集合する。ひどい悪天の場合は関川ドームでの訓練も考えていたが、時折青空も見えたので、予定通り倉手山に向かうこととした。
梅花皮荘裏の吊橋を渡ってまだ除雪の始まらない車道を進む。1週間前と比べると、融雪が進んでいる。道脇にはキブシが咲いていた。08:39-50取り付きでカッパを脱ぐ。
夏道を登って行くと、イワウチワとマンサクが沢山咲いていた。程なくアラレが降ってきた。風も出てくる。09:10展望台までは殆ど夏道が露出していた。ここで遅れたメンバーを待つが風雨が激しくなってきたので、カッパを着ても休んでいると寒い。
展望台から上は雪道となるが、部分的に夏道が出ていた。登るにつれて風が強くなる、このまま頂上に行っても訓練ができないと判断し、分岐下の左斜面を設定した。
09:50訓練を開始する。始めはアバランチビーコンの使用方法である。自分達が使わなくても、遭難者が持参している場合、救助隊が対応できないでは捜索ができない。また雪崩危険地帯では使用して捜索にあたることになる。ビーコンは理屈ではなく慣れが必要である、何度も繰り返す。なかなか探せないというので確認してみると、電池が弱っていた。私も経験があるが、電池が弱くなると発信をしても受信能力が極端に落ちるのだ。ここで午後出勤という前田が一人下山する。
身体が冷え切った所で、先輩隊員達が準備してくれた休憩場で熱々の鍋に舌鼓を打つ。寒いので鍋に日本酒を注いだ食器を入れて燗酒にする。ビールは飲む気がしないので、これも鍋に入れて「燗ビール」にして飲む。なかなかおつな味である。これは沸騰させないことがコツである。
12:31搬送を開始する。カッパ搬送法としECBが負傷者役、最初に井上が担いだが、いきなり休憩場からハング気味の雪庇登り。上から9mm×20mロープで引っ張る。脇からサポートして、何とか雪庇の上に出る。何時しか雨は止み大境山と枯松山が見えた。
背負い手を交替しながら下る。確保は適当な立ち木があれば、ロープを直接巻きつけ、曲がっていればスリングでグリップビレイを行った。当地ではこれが最も効率的な方法である。
今回の訓練は、「そこにあるものを使用する、状況に応じて最も効率的な方法を採用する」ことを中心にした。天候は再び悪くなったが、全員が慣れてきた。先輩方も復習のため背負う。
今年も昨年同様に出動のないことを願いながら、今回の訓練を無事終了した。
梅花皮荘前に集合 | 車道の融雪は驚くほど進んでいた | ブナの花が咲き始めていた |
今年始めてイワウチワの花を見る | 展望台から倉手山を仰ぐ | アラレと雨が降ってきた |
雪が表土を引き剥がす | 風雨が激しくなってきた | これ以上登ると訓練ができない |
休憩地を作る | こちらはビーコンの訓練 | 雪に埋めたビーコンを探す |
LFD特製鍋で冷えた体を温める | 熱ッ熱ッ | うめえな、これ |
お燗ビール | どうだ旨えだろう | 幸せ〜 |
今日はカッパ搬送法 | 先ずはこの斜面を登る | よっこいしょ |
なかなか上がらない | 上からも引っ張る | 力まかせで |
もう少しだ | 最後の踏ん張り | ちょっと休ませてくれ |
問答無用、さっさと登れ | 後ろには枯松山と大境山が見えた | 猿回し |
飯豊班、新鋭の本間さん | 後ろは分岐峰 | 疲れた〜 |
搬送者を交替する | 山本さんが担ぐ | NIY |
作業分担ができてきた | 飯豊班真人さん | よっこいしょ |
先輩からアドバイスを受ける | 飯豊班隆蔵さん | 身体で覚える |
荒木さんが確保する | 展望台まで下ってきた | 若い人も慣れてきた |
井上さんも様になってきた | 先に下って確保の準備 | ルートや足場を指示する |
よ〜し交替 | 再び本間君 | 背負われるの楽じゃない〜 |
確保よし! | また雨が酷くなってきた | 足元に注意! |
慎重に | 確保準備して待つ | 熊狩りのナメ棒を支えに |
先輩の搬送は参考になる | ずぶ濡れの訓練 | 実践さながらの訓練でした |