登山者情報1127号

【2007年11月23-24日/針生平〜祝瓶山〜角楢小屋/井上邦彦調査】

 飯豊山麓では結構な積雪があったが、朝日山麓はさほどでもないとの情報、さらに山さんが角楢小屋に入るとの情報を得て、kenroku・MHさん、kodamattiさんと、祝瓶山経由角楢小屋泊の計画を立てた。3人とも県外から来るので、06:00HZU宅集合とした。
 除雪車を追い越しながら、北に向かう。樋倉で初男さんに挨拶をし、OTJ宅で山さんと久しぶりの再会。角楢小屋雪囲い材料運搬のため後から行くので、先に車でラッセルしておいて欲しいと言われた。HZUの車が先導し、kodamattiのジムニーが続く。
 除雪は徳網集落で終わっている。雪で覆われた車道に乗り入れる。車道からはみ出すと車は動けなくなるので、慎重に進む。程なく雪はバンパーを越える。車輪が空転を始めると、バックして勢いをつけて雪を掻き分ける。湿った雪なので思うようには進まない。落枝が邪魔なのでkenrokuさんが除去しようとするが、雪のためドアが開かない。
 それでも何とか大石橋手前の駐車場まで辿りつく事ができた。ここで装備を整える。Kodamatti以外は長靴部隊である。3人ともカンジキを履くのは始めてとのことであった。
 08:01標高440m駐車場から歩き始める。足場板1枚の大石橋を横ばいになって進む。スズイデ小屋(使用不可)手前の大石沢には足場板が敷かれていた。足首から膝下のラッセルで問題なく進む。
 08:41-56祝瓶山分岐に到着、大きなザックをブルーシートで包んでデポとし、身軽になって登り始める。尾根には殆ど雪が着いていない。
 09:24鈴出水場を通過する。視界が広がり蛇引尾根から北大玉山、大玉山、桧岩屋山が見えている。眼下には河岸段丘のブナ林に角楢小屋が分かる。山さんから無線が入る。駐車場で荷物の整理をしており、木材をデポ地に置いていくので角楢小屋まで持参して欲しいとの依頼である。
 少しラッセル的な要素がでてくると、10:04小ピークを通過する。ブノグラノタルミ(鞍部)からはひたすらに登る。11:18-25傾斜と共に雪の量が増えてくる。交替しながら雪を漕いで行く。
 MHが先頭に立つ。ななんと・・・殆ど沈まないでとことこと登って行った。Kenrokuさんがトレースを辿ると、ズボズボ・・・
 森林限界を越えて潅木地帯になると、枝が登山道を塞いで歩きにくい。かといって登山道を外れると若い雪なので下まで潜り、潅木がカンジキに絡んで抜けなくなる。視界もなくなってきた。
 12:44頭上の凍てついた大岩を登りきった所に「一の塔」と書かれた標識があった。イチノト(一ノ戸)である。ここから先が本番である。HZUが先頭に立つ。
 慎重に降る。左は絶壁、登山道は絶壁と藪との間に作られている筈だ。右側は猛烈な潅木で歩ける状態ではない。雪庇の卵を確認し、雪が雪崩れないか判断してルートを選ぶ。
 13:09-15登山道が潅木に食い込んだ所で小休止とする。予想通り状態はあまり良くない。右の藪ぎりぎり、もしくは少し藪に入るが、どうしようもない所は転落に備えて潅木を掴んで進む。
 果てしもない行程が続くように感じられる。途中でkodamattiにトップを替わる。帰路に備えて赤布を2箇所付けた。
 13:55騙し山頂に立つ。この辺りになるとラッセルもなくなり、登山道から外れても問題なく歩ける。コンパスを山頂に合わせる。僅かに降ってだらだらと進む。次第に傾斜がきつく鳴って行く。岩が見え、氷の外套を羽織ったガンコウランの斜面を登る。最後のピッチはMHが先頭に立つ。
 14:20-33祝瓶山々頂に到着。何もない白く丸い山頂だが、傾いた三角点が微かに頭を出している。皆で記念写真を撮る。寒いし、また嫌らしい場所を通るので宴会は安全な所まで下ってからと話が纏まり、そうそうに下山を開始した。
 殆ど風もないのに騙し山頂付近のトレースは消えかかっていた。15:06イチノトまで降れば一安心である。快調に降りていると山さんから無線「角楢小屋で待っているので早く来い」とのお誘い。
 しかし、せっかく上げた乾杯用のアルコールである。休憩して顔を見合わせると、ザックに手が伸びる。時間がないからとストーブを点けるのは止めた。缶ビールは十二分に冷えている。やはり・・・乾〜杯!、火がないのでニンニクの茎をそのまま齧るが、結構つまみになる。Kodamattiが幻の銘酒を出す。こうなるともう止まらない、結局16:14まで飲んでしまった。
 17:18-37デポ地に到着し、ヘッドランプを出す。角材が6本置いてあった。男性3人が2本ずつ持つ。HZUはザックに括り付けたが二人は両手に持った。暗い中を歩き始める。
 最初の難関は白布吊橋、角材を持って吊橋を渡るのは辛そうだ。白布平のブナ林に入る。先ほどの乾杯が効いてきたのかkodamattiは息切れが酷そうだ。トレースがあるのでMHはカンジキを脱いで歩く。
 18:13白布沢を通過する。程なく山さんから無線が入る。遅くなったので心配しているようだ。小屋の明かりが見えた。カンジキを外して慎重に吊橋を渡り、19:09角楢小屋に到着する。
 小屋では山さんを始め、オオハラ・カワノベ・イシヅカ・山口(兄)・中山さんに大歓迎を受けて、夜が更けた。
 翌日、09:09角楢小屋発、09:56祝瓶山分岐、10:28駐車場到着。

針生平奥の駐車場まで車で入りました 最初に大石橋を渡ります
沢には足場板がありました 動物の足跡
ブナ林を見下ろす 角楢小屋
最初の急坂を登り切ると一ノ戸が見えた
この程度の雪なんて平気だよ
雪が深くなる
霧氷が美しい
稜線が見えてきた
和気あいあい
MHのラッセルは天性のもの? 灌木帯に苦労する
お〜い
一ノ戸(一の塔)にて
難所にさしかかる 視界もなくなった
最後の登り 山頂直下
祝瓶山々頂 !
山頂のMH あれ カンジキが取れちゃった
「一の塔」の標識 途中でささやかな宴会
登山口に到着 ここから木材の運搬
吊橋を渡る 身体が思うように動かない
角楢小屋に到着 歓待を受ける
楽しい一夜が更けていく
おふたりもご満悦の様子
朝 角楢小屋前で記念撮影 でもカメラが動いてしまいました
木の洞の中にブナの実が蓄えられていました 角楢の吊橋を渡る
白布平のブナ林 一ノ戸が見えた
白布橋で「荒らぶる鷹」 祝瓶山登山口に到着
大石橋の上でもポーズ 駐車場に戻りました
ログは尾根筋しか取れなかった
同行者の頁
めおとやま http://kenroku.zouri.jp/
山行粗描 http://www.k4.dion.ne.jp/~onemichi/