登山者情報1146号

【2008年05月10-11日/西俣尾根〜杁差岳/井上邦彦調査】

 Tamoさんの名は、頼母木山の頼母である。それなのに西俣尾根から頼母木山に登ったことはないとのこと、それが今回の山行の理由である。私が連休中に時間が取れなかったので、多少の藪は覚悟でこの時期に一緒に登ることとなった。メンバーはtamoさん・masudaさん・konchang・HZUの4人である。さらに日帰りであるがイッチャンが声を掛けてくれ、まことさん・かよさん・本間さん・tetuさん・meguroさんと合計10人パーティとなった。
【11日】
 05:00集合場所の奥川入に到着すると、既に皆がきていた。05:30奥川入発。ミズバショウ、カタクリに見とれ、うっかりして取り付きを通り過ぎそうになる。登り始めてすぐにナラの樹が倒れており、潜る人、跨ぐ人、それぞれ苦労している。ムラサキヤシオ・ユキツバキ・ムシカリ・オオイワカガミ・ヤマツツジ・タムシバと花々に励まされ急な尾根を登る。
 06:03-11主尾根に出た所で休憩を取る。ここからは足元のイワウチワ・カタクリが盛りだ。06:34十文字ノ池はまだ雪に埋もれており、マンサクが咲いている。ここから雪の上を歩く。06:44-03休憩を取る。アヅマシャクナゲ・ムシカリが咲いている。
 07:40-54西俣峰山頂。雪が少なくなったので山頂からはブナが邪魔になって杁差岳が見えにくい。それでも三匹穴から飯豊山まで遠望でき、朝日連峰・蔵王連峰・吾妻連峰も姿を見せている。
 08:35-45雪原で杁差岳をバックに写真撮影。08:56-20枯松峰山頂でも記念撮影をしてケーキを御馳走になる。踏み跡と雪上を交互に辿り、09:49大ドミを通過する。ツバメオモトの花芽、カタクリ・イワウチワと楽しい。10:13森林限界からは雪の上になる。
 10:20-50三匹穴でイッチャンがAQLと交信する。ここからは尾根の南側斜面を登り、根曲リ竹を掴んで騙シの鞍部に上がり、藪を漕いで雪に上がり、いったん稜線に出て夏道を登り13:21頼母木山々頂に到着した。
 快晴とはいかないが無風、展望も十分。弁当を広げてお楽しみの時間となった。持参した熊の脂を小さく切り、湧かしたお湯に入れ、ポン酢につけて「熊のしゃぶしゃぶ」を心行くまで楽しんだ。イッチャンが野菜やキノコをしゃぶしゃぶに入れる。これまた美味、最後は皆のお握りを入れておじやで満喫。
 名残惜しいがサポート隊と分かれ4人で杁差小屋を目指す。暫くは雪庇の上を歩いたが、途切れていたので夏道に移り、13:34頼母木小屋通過した。登山道の両脇にはニッコウキスゲ・ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイの新芽が出ている。ニッコウキスゲの新芽は面白いことに2次元構造となっていることに気づいた。
 大石山分岐手前は小幅で180歩ほどの残雪に覆われていた。14:00-05大石山分岐で小休憩する。正面に鉾立峰を見ながら下りきって、再度登る。
 14:37-44鉾立峰山頂でイッチャンと交信すると枯松峰とのことである。ここからもう一度下って登り返す。途中にミヤマキンバイが1輪咲いていた。カタクリが多く、キクザキイチリンソウ・スミレ・ショウジョウバカマも咲き始めた。
 15:05藤島玄氏のレリーフを通過し僅かに登ると、15:10山頂が見え、ついで杁差小屋が目に飛び込んできた。ここからは平坦な道を辿り、15:13杁差小屋に到着。さっそく雪を取りに行く。
 ザックを小屋に置いて、15:37杁差岳山頂に立つ。再度イッチャンと交信すると西俣峰まで下ったとのことである。展望を楽しんで小屋に戻る。
 先ほど取ってきた雪を融かして水を作る。ざらめになっているので少ない量で沢山の水ができる。しかし頼母木山々頂でガスを使いすぎたか、心配になってきた。ともあれ、あらかじめ日本酒でじっくりと煮てきた熊肉に大根とネギを入れ、味噌と醤油で味を調える。Konnchangが持参した黒ビールで乾杯し、菊水を枕に横になった。
【12日】
 杁差小屋のトイレは外にあり利用可能である。夜半に起きて玄関の扉を開けると、何と雪が積もっている。ぶるぶると震えながら寝袋に戻る。いい加減明るくなって皆が起き出したので寝袋に入ったままストーブに点火し朝食の準備が始まる。
 荷物を調え小屋を掃除して外に出る。山頂が薄らと見えている。新雪は5cm程度。06:20視界が開けてきた頃、小屋を後にする。06:29レリーフを通過する。昨日とは打って変わった素敵な白黒の世界が眼前に広がる。新雪は一ノ峰まで降りており、二王子岳には新雪なし、西俣尾根は三匹穴が限界の様子だ。
 06:49-55鉾立峰を通過する。07:33-46大石山分岐でkennrokuさんにメールを送る。08:17-26頼母木小屋で休憩し、08:49雪の上に出る。頼母木山々頂手前で左に折れ、騙シの鞍部で藪を漕ぎ、残雪に下る。
 快調に高度を下げる。09:04三匹穴付近は視界があまりない。雪が消えた所にはバイカオウレン・カタクリ・イワウチワ盛りとなっていた。
 09:21大ドミを通過するが、ここからブナが色づいている。09:33最低鞍部通過。枯松峰山頂を過ぎて09:41-10:20雪原でストーブを出し休憩。10:55西俣峰山頂を通過し、11:19十文字ノ池付近は、タムシバが満開。昨日よりも花が多くなった等と話しながら、12:15奥川入に到着した。

今回のコース
同行いただいた方の記録
ようこそ!まことのホームページに 頼母木山
かしましいっちゃんのお部屋 西俣峰〜頼母木山
民宿奥川入から出発!
尾根に取り付くなりお猿さんになりました
ムラサキヤシオが迎えてくれました
主尾根に出て休憩
アヅマシャクナゲ
ムシカリ
十文字ノ池を過ぎて
飯豊山が見えました
笑いが絶えません
順調に高度を稼ぎます
目指す頼母木山が姿を現しました
朝日連峰や蔵王連峰も見えました
西俣ノ峰山頂です
満開のマルバマンサク
踏み跡と残雪を交互に進みます
杁差岳がすっきりとした姿を見せてくれました
カヨポーズ?
大雪原でお決まりの記念撮影
後ろには大境山が聳えています
熊の足跡がありました 爪がしっかり分かるところから新しい物のようです
お〜い
枯松峰山頂です
これから登るコースを仰ぎます
2人で1個のケーキを食べます
こちらもツーショット
カエデ類の花
新芽は面白い表情を見せてくれます
ここから再び登りが始まります
ムシカリ
大ドミ
藪にピッケルが引っかかる
ようやく三匹穴に到着しました
AQLと交信するイッチャン
最後の登り、気合を入れて
三匹穴を振り返る
騙シの鞍部に出ると頼母木山頂が見えました
最後の難関、藪漕ぎです
皆さん四苦八苦
でも元気な方はいました
私も元気よ!
ばんざーい 頼母木山々頂です
ガッツポーズ
全員が登頂したところで乾杯!
本邦初公開、「熊の脂身のしゃぶしゃぶ」で〜す

続く ⇒