登山者情報1205号

【2008年11月02日/夜蚊鳥屋山(ヨガトリヤマ:967m)/井上邦彦調査】

 以前に白倉山から見た夜蚊鳥屋山は、ブナ林に覆われたなだらかな山容であり、名前も面白いことから何時か登ってみたい山の一つになっていた。さて週末は石転ビ沢を登って梅花皮小屋にと考えていたが、お山は真白になってしまい、石転ビ沢は来春までお預けとなった。何処へ行こうかと思案している時に、tamoさんがこちらに来るとの連絡があった。それではと急遽「大人の隠れ家」のオーナーに電話をして、使わせていただくことにした。
 31日夕方残念ながらkenrokuさんから3名キャンセルの連絡が入り、01日朝に集合したのは、ハイジ・tamoさん・ひさえちゃん・てつさん・だいちゃん・私の6名であった。みんなで近くのブナ林を散策する。倒木はあるのだがキノコは殆どない。それでもゴムタケモドキを沢山取ってきた。誰も見向きしないキノコだが、湯がいてポン酢で食べるとなかなかのつまみになる。
 01日暗いうちから起こされて、朝食を食べる。てつさんは死んだままである。06:43用事があるというだいちゃんに見送られて、4人で出発する。地図とにらめっこしながら車道を歩き、06:55杉林の中に入り、小峠沢を詰めることにした。しばらく登って行くと黒いホースがあり、この沢が水源地として使われていることが分かる。
 私とハイジはスパイク長靴、tamoさんは長靴、ひさえちゃんは登山靴にロングスパッツといういでたちである。できるだけ足を濡らさないように歩くので、どうしてもひさえちゃんのペースが遅れるので私のすぐ後ろを歩くことした。その結果、以下の写真は必然的にひさえちゃんの出番が多くなった。
 07:25tamoさんとひさえちゃんの高度計が450mくらいの所で沢が二つに分かれた。少しでも遠回りはしたくないので左の沢を選んだ。07:56さらにもう一度分岐があり、ここも地図をにらんで左に入った。
 08:07やがて水がなくなり、藪漕ぎ体制に入る。どうも現在位置がよく分からない。08:31-38ブナが出てきた所で休憩を取り、現在地をGPSで確認する。方向感覚が狂って来ているようなので、地図に磁石を合わせて頭を整理する。ひたすら登るだけの山なら良いが、今回のような入り組んだ山は慎重に行動することが大切だ。
 801m峰に登り、ようやく周囲の状況がつかめてきた。何となく道形のようなものがあり、快適!と思った矢先、この先は灌木に蔓植物が絡みついて四苦八苦の状態となった。後ろを振り向くと誰も見えない。お互いに声を掛け合って位置を確かめながら進む。
 登りになれば、枝をつかんで体力勝負だ。ブナの周囲にある空間を利用して高度を上げていく。さてようやく頂上・・・でも、何処に三角点があるのか分からない。GPSの画面を拡大して、うろうろ藪を漕いで、11:03-52ようやく頭だけが露出している三角点を見つけた。完全に埋まっているので、落ち葉が被さったら全く分からないだろう。
 早速ハイジが持参したビールでささやかに乾杯をして、写真を撮る。その時に三角点の周りの灌木が2本、鋸で切られているのを見つけた。そんなに古い跡ではない、誰かが三角点の写真を撮るために切ったのだろう。それにしても今山行中には鉈目は全く見つけなかった。立ち上がると、雲の間から白い山と、地蔵岳・草履塚が見えた。
 同じ道は嫌なので、イツアゴ沢に下ることにしたのだが、傾斜がきついことと、急な沢下りは危険と判断して等高線の広い部分を拾うようにルートを取ることとした。まずは登ってきたルートの西側を斜めに下ってみた。しばらく下ると、明らかに人為的なトラバース道を見つけた。手がこんでいるので、峠道として重要なルートだったかも知れない。灌木が邪魔をして歩きにくいが、ほぼ等高線沿いに続いていた。
 やがて雨がまた降ってきた。適当な所で地図に磁石を合わせた潜水艦航法に切り替えた。木々が邪魔をして視界はない。10m程先の樹木を目印として進み、そこで再度磁石で目的物を探す、その繰り返しでどんどんと高度を下げていく。
 何時しか綺麗なブナ林になっていた。若干腰を降ろして喉を潤す。ここのブナ林は全体に樹齢が若い、そのため倒木はなく、従ってキノコもない。ということで脇道にそれることなく、素直にルートを探って、14:12マゴジロウ沢に降りた。
 予想通り問題のない平坦な沢であるが、足を濡らさないようにルートを選びながら下った。14:46踏み跡を見つけた。427m峰に掘り込まれた道から先は、KDG山行で記憶がある。チロリアンブリッジをした場所も覚えている。
 ここからはイツアゴ沢となり、道は徐々に沢から離れていく。背丈を越す萱(葦?)を掻き分けながら進むと、右下に橋が見え、下る踏み跡があった。今回はそれを無視して最後まで旧道を進み、15:25車道に出た。
 15:41全員無事に隠れ家到着すると、てつさんが手作りのプリンで迎えてくれた。さっそく風呂に入って汗を流す。ひさえちゃんとtamoさんは明日の山行の予定を確認するため、携帯電話が通じる所まで車で出かけた。明日は二王子岳とのこと、逆算して明朝の出発時間を決め、二人が買出ししてきたビールで乾杯!
 翌日の行動は、「かしましイッチャンのお部屋」で確認してください。筆者は翌朝帰宅してお仕事でした。

今回のコース
前日は近くの山を散策しました
ブナの倒木がありました
ゴムタケモドキです、夕食に頂きました
ハナビラニカワタケ
かんぱ〜い! 楽しい夕食が始まりました
2日の朝、4人で夜蚊鳥屋山を目指します
一面に霜が降りた中に、古屋が1軒ありました
小峠沢を詰めることにしました
ひさえちゃんだけが登山靴
足を濡らさないように沢を歩きます
カメラを向けると条件反射でVサイン
滝を左岸から巻きましたが、何処にいるか分かりますか?
水量が少しづつ落ちてきました
沢を登り切りました
いよいよ本格的な藪漕ぎです
まだ残っていた紅葉
余裕しゃくしゃく?
少し疲れたかな
少し離れると姿が見えません
甘酸っぱい山ブドウで元気を充電
蔓がなければ快適なんですが・・・
最後の登りに差し掛かります
探し当てた三画点、夜蚊鳥山々頂です
さっそく乾杯!
こっちも乾杯!
樹木越しに見る白倉山
ブナ林を下ります
最後の紅葉?
ここは昔の道跡のようです
ブナ林に出ました
ブナの黄葉に溶け込んでしまいそうです
やっほ〜
マゴジロウ沢に降りました
tamoさんの渡渉
滑った〜!
沢を右に左にコースを取ります
随分水量が増えてきました
お手をどうぞ
踏み跡に上がります
なかなか簡単には進ませてくれません
背を越す笹原
一本橋