登山者情報1,281号

【2009年09月13日/古寺鉱泉-銀玉水/井上邦彦調査】

 山形県山岳連盟三委員会(指導員会・遭難対策委員会・自然保護委員会)合同総会研修会の一環として、2日目に実施された。メンバーは大江山岳会(阿部)・小国山岳会(LFD・GPN・HZU)の4名である。ノルマは各自緑化ネット1巻(122cm×30m)である。
 宿舎の柳川温泉から大井沢トンネルを抜けて、古寺鉱泉の駐車場に到着する。06:49駐車場から歩き始める。旧軌道跡は木製の橋が整備されていた。
 鳥原山方面と分かれて橋を渡ると古寺鉱泉朝陽館の正面である。小さな登山者カード箱が備え付けられていた。朝陽館で左に折れると、正面の道が塞がれており、右に登ることとなる。つづら折りの坂道を登って尾根上に出る。
 天候は目まぐるしく変わる。07:14カッパを軽く着て、07:38-43食事とする。08:17-24一杯清水で喉を潤すと、08:31ハナヌキ峰の分岐である。ここからようやく傾斜が出てくる。
 09:07-21三沢清水は水量豊かにホースから出ていた。手入れのされた登山道を登り詰め、09:33平坦になる。オヤマリンドウ・ゴマナが咲いていた。
 09:41古寺山の標識を追加し、09:45-56本格的にカッパを着る。途中から下って来たパーティとスライドする。今日3人目である。
 10:14-19標柱の数m上に小朝日岳直登コースと巻き道の分岐がある。時間的には大した違わないらしいが、気分的に巻き道を選んだ。風と樹木が暴風感を煽る。
 10:33小朝日岳から下ってくる登山道を合わせる。熊越えまで降りると登りになるが、風は思ったほどではない。しかし高度が上がるにつれ、やはり風が強くなっていく。
 大朝日小屋の管理人である大場さんと佐藤さんが下って来た。大場さんの体調が優れないので、下山することにしたと言う。小屋の周辺は風が凄まじく霰(アラレ)が吹き付けているとのことである。おそらく銀玉水から上は大嵐になっていることであろう。
 あらかじめ緑化ネットは銀玉水付近にデポして置いて欲しいとの連絡を受けていたので、風の影響を受けない場所の助言をいただく。
 風のため身体を斜めにしながら、11:10-27銀玉水に到着する。標識手前のダケカンバ群にデポ地を選定する。ザックからネットを取りだすと、身体の震えが止まらなくなった。何しろ濡れた半袖の下着1枚にカッパを着ているだけだから、動きが止まると寒くて仕方がない。山岳会のユニホームを着こむ。
 ビニール袋に入れた緑化ネット4個をブルーシートで覆い、ダケカンバに縛りつけた。後は降るだけだが、ザックの軽さに羽が生えたようである。
 カッパを通して叩きつける霰が痛い。走るように降る。晴れていれば、オヤマリンドウ・ウメバチソウ・エゾシオガマ、そして紅葉の写真を撮りまくるところだが、とてもそのような気分になれない。
 11:48に小朝日岳への分岐を通過すると、上に行くか迷っているパーティに会い、無理はしないように勧める。
 12:02分岐を通過し、大場さん達を追い抜いて12:17古寺山に到着。その後も軽快な足取りで降り、12:28三沢清水を通過する。わらじの渡辺さんが登ってきた。春からの捜索収容作業、大変お疲れ様でした。12:50ハナヌキ分岐を過ぎ、12:55-07一杯清水で食事タイムとした。ここまで降りてくると天候も回復してきた。
 あとはのんびり降るが、畑場峰方面は全山ナラ枯れの様相を呈している。また頭上を見上げるとブナの葉が透けて葉脈だけになっている。ブナ枯れがここまで来ているのだろう。
 13:56駐車場に到着して、今回の山行を終えた。

駐車場にて・・重いよ〜
旧トロッコ道を進む
変わりやすい天候に振り回される
カッパどうしようかな〜
一杯清水
三沢(サンザ)清水
古寺山
雨脚が強くなってきた
小朝日から下ってくる道と合流する
下山してきた小屋番の大場さん佐藤さんとばったり
銀玉水に到着
標識
椰子の繊維を貼ると、植生は復元しなくなる
銀玉水手前に緑化ネットをデポした
空になった背負子
こちらのザックも空っぽ
ザックカバーに白いアラレが溜まっている
後は降るのみ
付近は紅葉が始まっていた
古寺山付近も色づき始めた
ムシカリ
クチベニタケ
オニシオガマ
天候が回復してきた
畑場峰方面
ナラ枯れだろうか
古寺鉱泉に到着
今年整備された木橋
駐車場に到着です