登山者情報130号

【1993年07月12日/石転ビ沢〜ダイグラ尾根・大日杉〜飯豊山/井上邦彦・武田恒太郎・那須野政夫・後藤和人・仁科友夫調査】

石転ビノ出合までは全て夏道となります。石転ビノ出合のすぐ上流は穴が開き始めたので、右岸(上流から見る)の夏道を通ります。11日に設置した黄色の旗に従って通行して下さい。
ホン石転ビ沢出合の下流から落石の危険地帯となります。常に上方を確認しながら登降し、雪渓の途中で休憩を取ることのないようにして下さい。門内沢・ホン石転ビ沢・北股沢に迷い込まないよう留意して下さい。北股沢出合から上は、落石・滑落の危険地帯となります。特に草付き(中ノ島)の下部は落石が集中するので、休憩せず一気に登って下さい。草付きに上がったら、人為落石を起こさないように慎重に行動して下さい。落石を発見したら大声で「ラクッ!」と叫び下方の登山者に知らせて下さい。草付き上であっても、落石が飛んでくることがありますから、油断をしないで下さい。草付きの上方の斜登は最も傾斜のきつい部分です。滑落には十二分に注意して下さい。雨天時にはルートファインデイングが難しくなる上、落石も多くなります。梶川尾根などに変更することをお薦めします。

【ダイグラ尾根:7月10日現在】

標高1,600m付近から宝珠山を越えた鞍部までの間、夏道が雪庇に覆われている所が多く、ピッケルが必要です。

【飯豊山〜梅皮花小屋:7月11日現在】

本山小屋・御西小屋間は夏道が露出しています。御西小屋・梅皮花小屋間は、夏道と雪道が交互に続き、視界がない時は迷いやすくなっている他、雪道から夏道に移る部分は滑落の注意が必要です。

【大日杉小屋〜飯豊山:7月8〜9日】

地蔵岳から切合方向に5分ほど下ると、右手に地蔵清水がある。残雪が豊富にあり、水の補給には当分心配ありません。目洗清水から御沢分れ間で、近年になくヒメサユリが群生しています。御沢の雪渓はまだ安定しているが、稜線に大きくクラックが走っているのでルートファインデイングに気をつけて下さい。種蒔分岐から種蒔山まで雪渓をトラバースする箇所があり、ステップカッティングを十分する必要があります。目洗清水は豊富な残雪に覆われており、水を汲めないことはないが、要注意。雪は利用できます。切合小屋から草履塚への登りには残雪があり、水は取れません。また視界のない時、ここで迷っている登山者がいます。御前坂鞍部では、ヒナウスユキソウを始めとした高山植物が咲いています。本山小屋の水場は、清水は埋まっていますが、旧赤谷登山道を下ると融雪水が取れます。