登山者情報1,307号

【2010年01月11日/西俣尾根大ドミ/井上邦彦調査】

 前日の二日酔いに苦しみながら目覚ましで起床。そう言えば昨夜の新年会で川村氏が「私も同行したい」と言っていたと思い出し、彼の携帯に集合時刻と場所をメールした。またPCのメールを開くとWKBからの登山計画書が入っていたので、彼の携帯にも連絡をしたら「ゆっくり出発です」と返信が来た。ともあれ集合時刻になっても川村氏は見えないので、当初の予定通りに一人で出発した。
 06:00梅花皮荘駐車場から歩き始める。民宿奥川入は台所でGCSが仕事をしている姿を見たが、声をかけずに通り過ぎることにした。
 ヘッドライトの光で一昨日購入したスノーシューを履く。今回の山行はスノーシューの履き心地を試すことが目的であるが、買ったばかりで何も準備をせずに持参したので多少もたつく。結果的にはスノーシューの履き方が悪いために、苦労することになった。
 雪原を進んで行き杉林に入ると、トレースのようなものがある。風に吹かれてよく分からないが、2列あるので一昨日あたりに登って降ったパーティのものだろうと推測した。
 06:29枝尾根に取り付く時に携帯電話が鳴った。川村氏からであったが、持ち上げた途端に圏外となった。やはり携帯はメールが確実である。ここから暫くは不感地帯なので電源を切る。
 枝尾根の急斜面になると、スノーシューは足場が滑り、しかたなく四つんばいになって何とか這い上がる。ウサギの足跡を追いかけるように高度を上げ、07:17大曲分岐に到着した。
 傾斜がやや緩くなるとスノーシューは歩きやすくなった。07:33倉手山から太陽が昇る。再び傾斜がきつくなると、スノーシューの先端が上がらない。ワカンなら足を大きく開いて雪の上に出したり、膝や両手で雪を掻きこんで進むのだが、スノーシューはそれができない。それでも今回はスノーシューの試しなので、そのまま強引に登る。
 08:04十文字ノ池は前回と違って埋もれていたので、真っ直ぐに進む。西俣ノ峰を仰ぎながら途中まで登った所で、最上部の急斜面にトレースがあることに気が付いた。カモシカのトレースにしては大きすぎる。ふとトレースの下に目をやると、橙色が見える。テントかも知れないと思った(実際はヤッケであった)。
 さらに登って行くと、下山してくる新潟の3人パーティとスライドした。聞けば昨日、頼母木山を目指したが、三匹穴から上の部分でラッセルと強風に阻まれ、西俣ノ峰に幕営し、本日下って来たとのことであった。
 ここから上は彼らのトレースを使わせていただいたが、降りと登りでは歩幅が違うので、苦労した。振り返ると、枯松峰が姿良く聳えている。
 09:17西俣ノ峰山頂に到着する。それまで雲に覆われていた稜線が次第に姿を現してくる。さらに歩を進めると、彼らの幕営跡があり、トレースはここで消えた。
 杁差岳の雄大な姿を見ながら、雪庇に留意して枯松山を目指す。新しいスノーシューは横滑りを起こすことなく、快適に進む。
 大雪原を過ぎ、10:37枯松山々頂に到着する。どうするか迷ったが、もう少し先に進んでみることにした。
 風紋を楽しみながら、11:21大ドミ最上部に到着する。頼母木山々頂まで行くと帰りが遅くなるので、今日はここまでとして、帰途に付く。
 12:00枯松山々頂にてWKBパーティとばったり、もう少し登るという彼らと分かれて降るが、途中で今度は川村氏と会う。彼も私と同じスノーシューであり、ここで私の登山靴をもっと前進をさせると、うまく登れることを教わる。以後は一緒に下山となった。
 12:53西俣ノ峰で少しずつ雲が出てきた稜線と別れ降る。13:30大曲分岐でスノーシューからワカンに履き換える。奥川入で先に降っていた新潟パーティとお会いする。なお13日夕方テレビに、彼らが出演していたのに驚いた。
 14:14梅花皮荘駐車場着で今回の山行は無事に終了した。

今回のコース (青旗は枯松山と西俣ノ峰)
兎の足跡を追うように未明の尾根を登る
大曲分岐で急傾斜は終わる
十文字ノ池方面を仰ぐ
倉手山から陽が昇った
兎の足跡が散乱している
誰かのトレース
ウサギダナイの奥に枯松峰が見えた
枯松峰
登って来た尾根を見下ろす
白倉山方面
大花山
十文字ノ池に出る
西俣ノ峰が見えた
西俣ノ峰が近づいてくると、上部にトレースが見えた
稜線は雲に覆われている
ダイグラ尾根と飯豊山
十文字ノ池を見下ろす、すれ違った3人はここで休んでいたようだ
十文字ノ池
枯松峰
稜線が姿を現してきた
頼母木山
西俣ノ峰山頂
山頂から頼母木山を仰ぐ
幕営跡地、ここでトレースはなくなった
快適に進む
杁差岳が見えた
飯豊山
きらめく雪面
杁差岳の雄大な眺め
大雪原、トレースが続くが、無視して進む
左奥が頼母木山
杁差岳
葡萄鼻山
私のトレース
枯松山々頂
杁差岳
大境山と枯松峰が重なる
光兎山
枯松山々頂に到着
三匹穴と頼母木平(騙し峰)
三匹穴遠望
頼母木平に続く雪面
杁差岳山頂と杁差小屋
鉾立峰
飯豊山

続く⇒