登山者情報1,344号

【2010年05月17〜18日/白滝〜小朝日岳/吉田岳調査】

 キリスト教独立学園(KDG)の引率を頼まれ、1泊2日で朝日連峰小朝日岳に行ってきました。その報告です。
 5月17日(月)、集合場所となる白滝に車で向かう。生徒達は荒砥駅近くの公園で前泊し、今日は引率の先生から車で白滝に送ってもらうことになっている。白滝へは林道終点まで車で行くことができた。9時40分に到着すると、既に生徒達は来ていた。ここちょっとしたトラブルが起きていたのだが、無事それはクリアできた。ミーティングを行い、自己紹介、今日の予定、体調チェック、登山時の注意事項などを話し、出発準備に入る。できるだけ生徒の自主性を重んじ、今回の行程では、私は一番後ろをふらふらと付いていく旨を話した。生徒14名、先生2名、そして私の17名パーティーである。
 10時50分出発。天気は1日晴れの予報で、既に暑い。沢沿いに進むと、登山道は所々雪渓に埋まっていた。ジグザグの登り道になってすぐ、女子生徒の1人が不調を訴え、休みを取った。軽い日射病みたいな感じになったようだ。休んでいるうちに少し回復したようだが、本調子ではない。荷物を分配し、彼女は空身で歩いてもらうと、何とか付いてこられるようだった。2時間ほど歩き、登山道が雪で分かりにくくなってきた所で休憩を取った。
 この休憩中に、残雪の上に小さな穴を掘り眠っているヤマネを発見。周りでガヤガヤしていると起きだしたが、逃げるパワーはないようだった。さて、ここから先はほとんど登山道が出ておらず、雪上歩きとなる。傾斜もやや強いため私が先頭を歩き、重登山靴でステップを切りながら道を探しつつ歩いていくことにした。さすがに生徒達も慣れない雪歩きで疲れが出てきて、隊がばらけるようになってきた。
 15時、急斜面のブナ林を抜け、展望の効く大地上に出て一安心。近くに月山がそびえていた。ここからまた私は一番後ろを歩き、15時40分、鳥原小屋に到着した。ここでうどんタイムとなり、更に2時間後に焼きそばタイムとなった。すごい食料計画である。
 18日(月)、4時起床。前夜に作っておいたおにぎりを持ち、小朝日岳ピストンの準備を行う。1人やや風邪気味とのことで、小屋で待っていてもらうこととなった。4時40分出発。10分ほどで鳥原山に着くと、目指す小朝日岳が目の前に見えた。頂上直下の雪渓が少し危なさそうだが、行ってみての判断となる。少し下り、また登り返した所で、二人の生徒が不調を訴えた。1人は喘息持ちの子で、もう1人は昨日不調だった子である。先生に付き合ってもらい、小屋まで戻ってもらうことになった。残ったメンバーで山頂を目指す。雪庇に気をつけ、登山道と残雪上を交互に登っていく。上部の岩場を越え、山頂直下の急な雪面を抜け、6時30分、小朝日岳山頂に到着した。全員に握手をして喜びを分ち合う。天気は快晴で、朝日連峰の稜線がきれいに見張らせた。
 7時、下山開始。上部の危険箇所を慎重に下る。途中の尾根筋も、雪庇や雪の割れ目に注意させた。鳥原山を登り返すと、あとは小屋まで一気に駆け下りていった。8時30分、小屋に到着した。
 荷物を整理し、小屋の清掃を行ない、9時に下山開始。しばらく平らな斜面を降りて行き、ブナ林の急斜面に入る。昨日付けておいた赤布を探しながら、慎重に降りていく。生徒達はやはり時々滑ったり転んだりしていたが、それも楽しんでいるようだった。急斜面を抜けて登山道に出たが、まだ所々に残雪があり、滑りやすい箇所もある。そんな折、1人の女子生徒が勢いよく雪面に降りた時に体制を崩し、足をひねってしまった。痛みがあるようなのでひとまず休ませ、看護師でもある先生が足首に包帯を巻いてくれた。荷物は生徒達で分配して、彼女には空身にさせ、セカンドを歩いてもらった。十分歩けるようである。沢沿いで山菜を少し採集し、生徒達に今晩のおかずにするよう手渡す。
 11時40分、白滝に到着した。天気に恵まれ、全員登頂という訳にはいかなかったが、十分に登山の楽しさを感じてもらえたように思う。また彼らの元気と前向きさと団結力、そして食欲は、こちらもはなはだ驚かされ、感心させられた。楽しく過ごさせてもらって感謝です。彼らは今夜また荒砥駅の公園に泊まり、翌日学園に到着となる。「りんご温泉」に入浴のあと、私はお別れとなった。

最初に現れた急登
ブナ林の中の登山道
ヤマネ
一番のがんばり所
急登をクリア
見晴らしが良くなってきた
ロープを辿り岩場を登る
山頂までもうすぐ
小朝日岳山頂にて
大朝日岳(左)、西朝日岳(右)
景色に見入っているの図(?)
下山開始
気持ちいいっす
鳥原山展望台にて