登山者情報1,354号

【2010年06月13日/丸森尾根〜門内小屋〜梶川尾根/井上邦彦調査】

 12日は酒田市にある眺海の森で研修会。13日は足ノ松尾根を登ろうかと思っていたら、長谷川さんから足ノ松尾根のレポートが届いていた。それでは別の場所ということで、先日の遭難現場を確認するため、丸森尾根を登って梶川尾根を降ることとした。
 04:51天狗平発。天狗平ロッジでは山形山岳会・八幡山岳会との交流会が行われている筈だが、早朝なので顔を出さずに丸森尾根に取り付く。思わず手を使ってしまいそうな急な岩稜、朝から暑く、汗が滴り落ちる。
 05:26-34、765m峰で休憩。オオイワカガミ・ギンリョウソウ・ヤマツツジ・ナナカマド・チゴユリ・アマドコロ・オオバキスミレ・ウラジロヨウラク・サラサドウダン・タムシバ・ムシカリ・タニウツギが咲いている。
 06:13-26夫婦清水で1回目の食事。春蝉が賑やかである。清水は一見雪で覆われているが、近づくと露出していた。カタクリ・イワウチワ、エチゴキジムシロ・マイヅルソウ・ウラジロユラク・ガクウラジロヨウラクが咲いている。
 07:05-10以前の崩壊地直下で休憩とする。土が動いて裸地化している風化花崗岩には苔類が先駆種のように貼りついていた。カタバミ・ノウゴウイチゴ・ツバメオモト・ウスバサイシンが咲いている。
 07:42-56丸森峰先の雪末端で2回目の食事とする。登山道で融雪水が取れた。ピッケルを出し、日焼け止めを塗りサングラスをかける。
 この先は尾根の南側に広がる残雪を登るが、最後の斜面はグリセードに最適な急斜面となっている。トレラン用シューズの側面を使って登り切る。
 08:28-42地神北峰で3回目の食事取っていると、登山者が降りてきた。ふと稜線の北面に目をやると、登山者がこちらに向かっているが、付近はハクサンイチゲの花園になっている。カメラだけを持って降ると、なんと掲示板Aで質問していた柴崎さんであった。
 ミネザクラ・ヒメイチゲ・コメバツガザクラ・ミツバオウレン・ハクサンイチゲの咲く中、08:53地神山を通過する。
 向こうから見たことのある方が来たと思ったら、昨年10月末の門内小屋修繕でお世話になった田中さんであった。田中さんから「門内小屋の修繕をしてきた」と話を聞き、足を伸ばすことにした。
 09:16扇ノ地紙は稜線の標柱のみで、一段低い広場の標柱は雪の中である。ノウゴウイチゴ・バイカオウレンが咲いているが、門内小屋が近くなるとハクサンイチゲやミヤマキンバイが咲き乱れる素晴らしい光景が広がった。
 09:37-53門内小屋で、梅花皮小屋から来たODDとKEBに会い、暫し歓談。私は4回目の食事を取る。
 門内小屋の窓格子が新しくなり、昨年壊れた外壁に固定用の板が打ち付けられていた。また女性用トイレの自転車が破損したので、ドアに鍵が掛けられていた。なお梅花皮小屋は水洗トイレも使用可能になっている。
 10:12扇ノ地紙まで戻る。ショウジョウバカマ・ミツバオウレン・シラネアオイ・ミネザクラ・ムシカリ・ムラサキヤシオが咲く中を進む。
 10:40梶川峰を通過する。問題のトットバノ頭(カッチ)には大量の残雪があり、確かに始めての方は何処を下ったら良いか分かりにくいだろう。
 10:55三本カンバにはエチゴキジムシロ・ムラサキヤシオ・オオイワカガミが咲いていた。すぐ下に残雪があり、確実に降る。
 11:12五郎清水の標柱は雪に埋もれており、真っ直ぐ広場を横切ると水場に行く道が露出している。非常に間違いやすいので、紐を張ってある。正しい登山道は右に折れるが残雪で覆われている。キクザキイチリンソウ・ムシカリ・サンカヨウ・シラネアオイ・カタクリが咲いている。
 この先も左に落ちればアウトの残雪がある。登山道は藪に隠れておりテープが目印になっていた。イワウチワ・タムシバ・マンサクが咲いている。
 さらに道が分かりにくい残雪がある。梶川尾根の下りはまだ何箇所も危ないところがあるので注意が必要だ。
 11:33-44滝見場で5回目の食事を取る。ここがFOMAでメール送信できる下限である。ヤマツツジ・サラサドウダン・カタクリ・マイヅルソウ・オオイワカガミ・ナナカマド・ウワズミザクラが咲き、春蝉が賑やかである。
 12:04湯沢峰を通過し、12:49天狗平に到着した。

湯沢
梶川峰と滝見場
アマドコロ(茎に稜がある)
ヤマツツジと飯豊山
ダイグラ尾根
夫婦清水
水を汲むことができた
タムシバ
サラサドウダン
先日の遭難者発見場所
かなり急峻だ
フンスイノ沢の大滝
枯松峰と杁差岳
ウゴツクバネウツギ
オオイワカガミ
ムラサキヤシオorユキグニミツバツツジ
大境山方面
崩壊地
先駆種?のコケ類
崩壊地上から登ってきた尾根を望む
夫婦清水
今年、補修を予定している登山道
ツバメオモト
ウスバサイシン
丸森峰から上部は雪の上を歩く
杁差岳遠望

続く⇒