登山者情報 1,452号

【2011年07月02-03日/山開き(梶川尾根〜門内岳)/井上邦彦調査】 

 階下の賑やかな声に目を覚ます。睡眠不足なのか、二日酔いなのか分からないが、体がしゃんとしない。山行スタイルに着替え飯豊山荘前に行くと、A1班のみなさんが集合していた。前夜の懇親会で前回は脱落者が多かったと聞き、ゆっくり登ると約束していたので、何時もよりさらにペースを落とす。
 楢ノ木曲リで一服を入れる。2班は最初から先頭を行く。メンバーから「1班が先頭ではないのですか?」と尋ねられたが、各班のペースで登る。みな天候が悪化する覚悟があるようだ。湯沢峰で2回目の休憩、視界はない。滝見場で3回目の休憩だが、残念ながらここも視界がない。五郎清水で2班に追いつくが、2班は体調の優れない1名を残し、すぐに出発した。ここで我が1班のサブリーダーが2班の1名と一緒に下ることになったので、リーダーは私だけになってしまった。
 この後、天候が次第に回復してくる。三本カンバで石転ビ沢や杁差岳をバックに記念撮影。トットバノ頭の旧道はまだ残雪で覆われていたので新道を登るが、ここは土壌が痛んできたので笹の力で回復をもくろんでいる場所だ。しかし誰かが、故意に笹を根本から刈ったような跡があり、さらにはタケノコが取り付くされており、周知の必要性を痛感した。梶川峰で休憩を取ると、稜線もすっきりと姿を現してくれた。ここからは花々を愛でながらの道となるが、メンバーの1人が体調を崩し始める。
 ゆっくりと、保全作業の成果を確認しながら歩を進める。ヒメサユリを中心に、ニッコウキスゲ・アカモノ・ツガザクラ・チングルマ・ツマトリソウ・ゴゼンタイバナ・ナナカマド・ハクサンシャクナゲ・バイカオウレン・ミツバオウレン・ミヤマクルマバナ(よくヤマトウバナと頭の中で間違う)・シラネアオイ・イワカガミ・ヨツバシオガマ・ショウジョウバカマ等々が咲競っている。1,800mで雪を踏むが、緑化ネットに発芽している植物を確認し嬉しくなる。
 何時しか3班と一緒になって扇ノ地紙に到着する。3班も体調不良の1名が途中で下山をしているとのことである。メンバーの意志を確認してところ、昨晩と同様に全員で門内小屋まで行きたいとのことである。天候は何時しか雲の中となっていたが、2班を追いかけるように出発する。稜線には、アオノツガザクラ・キバナノコマノツメ・ミヤマキンバイ・ミヤマキンポウゲが道脇を彩る。
 小屋直前で雨となる。風がまともに当たるので、合羽を着る。門内岳山頂に到着したら、ザックから「祝還暦」の横断幕が出した方がおり、記念撮影。その後、小屋に戻って大休憩とした。帰りは雨を覚悟したが、最後まで天候が崩れず、1班は1人として脱落者を出さず、最後尾ながらも全員無事に下山し、飯豊山荘前で冷たいトマトを頬張ることができた。
 メンバーのみなさんお疲れさまでした、そしてありがとうございました。

カタクリが融けてなくなる
急登りに汗を流す
三本カンバ直下にて
三本カンバに到着
みなさん笑顔です
石転ビ沢も姿を現しました
トットバノ頭の上ノ施工箇所
きちんと効果が出ています
あれほど酷かったことが嘘のようです
大雨にも耐えました
梶川峰にて
梅花皮小屋が見えました
ケルン下の施工地
ここも施工前は凄まじかった場所です
花を見ながら進みます
標高1,800mで残雪を踏みました
ハエマツ
小屋が見えました
門内小屋に到着!
小屋前にて
門内岳山頂
帰途 扇ノ地紙にて
1,800mの施工地
植物の芽生え
ネットから出た植物
嬉しいですね
ヒメサユリのささやき
排水路設置(左下)で回復した湿原
慎重に下ります
滝見場にて
身体を起こしてね
A1班の皆さん(湯沢峰にて)
最後の急坂
全員無事に下山しました
飯豊山荘前で冷たいトマトを頬張る