登山者情報 1,466号 画像作業中

【2011年07月23-24日/中ツル尾根〜鳥原山(朝日保全現地打合せ)/井上邦彦調査】 

 今年9月24-25日に予定されている「朝日連峰合同保全事業」の予定地である大朝日岳周辺において、具体的な施工方法の現場協議が行われた。参加者は高取(大江山岳会長)・花山(朝日山岳会長)・井上(小国山岳会副会長)・坂本保護管理官・佐々木保護官補佐・川端さんの6名。これに大朝日小屋管理人の阿部さんも加わって実施された。
 03:52自宅を出発、04:54荒砥のコンビニ(53km)で食料買い出し、05:41朝日鉱泉一般駐車場に到着した。ここまでの」走行距離は85.9kmであった。身支度をして06:00歩き始める。先ずは朝日鉱泉の脇を通って朝日川まで下り、取水口上流にある吊り橋を渡る。06:09弘法水を通過し、06:11鳥原山コースを右に分ける。程なく河原に赤い水が淀み、浴槽のようなものが見えるた旧朝日鉱泉である。ここで御影森山コースを分ける。06:26標識あり、川沿いに登り下りを繰り返す。06:29-35吊り橋で右岸に渡る。06:41飛び石で枝沢を渡るり、06:57吊り橋を渡り左岸に移る。07:02-06この付近は河床を歩く。
 07:24出合(黒俣沢と朝日俣沢の合流店)の吊り橋。吊り橋直前に上に登る道があったが、どこに行くのか不明である。渡ると「二合目66m」と書かれてあった。ここから尾根道となるが程々の急斜面である。登りきると07:48「三合目850m」の標識。ここから傾斜は緩くなる。08:00-13食事休憩を取る。08:26(1,050m)長命水に先ほど先行したパーティが休憩していた。水は下で汲んできたので、そのまま登る。
 09:03-15食事休憩。ブナ矮小化し、ダケカンバが出てくる。この先から一気に視界が開ける。すぐ近くに思えるのだが、山頂は意外と遠い。10:05-14休憩を取る。付近のはミヤマコウゾリナ・ミヤマリンドウ・ハクサンイチゲ・オトギリソウ・ニロバナニガナ・ミヤマダイコンソウなどが咲、平岩山の後方に飯豊連峰が浮かんでいる。
 10:36大朝日岳山頂に到着し、暫し展望を楽しんだ後、小屋に下ると管理人の阿部さんが笑顔で迎えてくれた。早速喉を潤わせていただいた。まだ誰も来ていないというので、途中まで施工箇所を観察しながら空身で迎えに行くことにした。川端さんに続き花山さんも登ってきた。2009年9月(登山者情報第1284号)の施工箇所の十分な成果に酔いしれながら銀玉水まで下ると、高取さんとハイジが素麺を食べていた。早速ご馳走になる。冷たい水でしめた素麺はやはり美味い。
 坂本さん達を待って一緒に登る。ひとつひとつ作業の成果を確認する。椰子を剥いだ所は旺盛に植物が育っている。椰子を用いた砂防ダムもしっかりと機能している。予定した全員が集合したので、大朝日小屋を出発し、現地に向かう。最初の課題は登山道を走ってきた水が、木製の砂防ダムの影響で東斜面に流出し、周氷河地形を深く浸食している箇所である。聞けば過去に幕営がされていたということであり、その影響もあるだろう。周氷河地形である階段状地形は植物が生えないので、幕営跡地として利用されやすい。山を歩くには適切な知識が必要だと再認識する。浸食部を観察すると、風化した岩石ではなく土そのものである。枯れた木の枝を押すと容易に刺さって行く。土の表面には明らかに季節風で浸食された風紋が見られた。こんな浸食地は始めての経験である。ここでの施工は、登山道の水を上部でこまめに逃がすこと。浸食部には道刈りの時に生じる笹や銀玉水上部に豊富に残って植物の生育を妨げている椰子繊維を運んできて、水だけを逃がす砂防ダムを作ることであろう。あとは若干の緑化ネットを張り付けて完成である。
 次に中岳方面に登る。ここは金玉水の水源地の北にある小さな尾根より南に水が来ないように、登山道上部の水抜きをすることが課題である。この場合、土砂を含んだ水を草原に流すと草が土砂で埋められるので、土砂の処理をうまくすることと、笹原に流すことがポイントになるだろう。その後、金玉水の大崩壊地を確認したが、今年の豪雨によるものなのか、崩壊が相当に進行していた。
 翌日はのんびりとして、残った打ち合わせを行い、07:19大朝日小屋を出発した。再度銀玉水上の施工地の観察を行い、08:45分岐で坂本さん達と分かれ一人になる。09:06-08小朝日岳で休憩し、09:59鳥原山展望台を通過し、10:27-11:24鳥原小屋にて管理人の鈴木さんと様々な情報交換をした。12:04-19金山沢で食事休憩をする。ここから再び尾根に登り返し、以後登降を繰り返しながら徐々に高度を下げ、最後に800mからジグザグに下って、13:18分岐に降りた。登りでは感じなかったが、この暑さの中を下ってきた者にとって「湧水」と記載されている弘法水はありがたい。朝日川に架かる橋を渡ると「250歩で朝日鉱泉」と記載されていた。焼け付くような太陽にさらされて、13:30駐車場に到着した。

朝日鉱泉の一般駐車場
ここから左に降りて行く
朝日鉱泉の前を通る
朝日川に架かる吊橋
弘法水
鳥原山コースの分岐
旧朝日鉱泉跡
御影森山コースとの分岐
2回目の吊橋
登山道は鉄筋と丸太で整備されている
良いブナ林だ
3回目の吊橋
ここから暫くは河床を進む
小沢に橋が整備されている
この橋は壊れたので花山さんが応急処置をしている
階段が壊れたので、梯子をここまで運んで来たとのこと
個人が立てた標柱があった
出合手前の標識
出合の吊橋
ここから尾根に取り付く
急坂はここまで
小朝日岳遠望
小朝日岳
御影森山
ハクサンシャクナゲ
大朝日岳が見えた
6合目の標識
小朝日岳と鳥原山
登山道は綺麗に刈り払われている

続く ⇒