登山者情報1,501号

【2011年11月02日/鷲ヶ巣山/井上邦彦調査】
 鷲ヶ巣山には2008年12月16日に登っているが、無雪期にはない。そのため今年5月6日に川村会員の記録に適切な注釈を付けることができずに、登山者情報第1,433号はいまだに作業中の記載がある。
 鷲ヶ巣山は標高が1,093mしかないのに、二つの大きな峰を越えていくために登り応えがある山である。しかも駐車場の標高は僅かに100mしかない。単純計算すると大朝日岳を往復するようなものだろう。さらに、登り返しがあるので暑い時期にはどうしても敬遠しがちになる山である。
 退職までカウントダウンが始まっている私としては、年休消化の意味合いもあり、3日は仕事があり登れないので平日登山とした。幸い今回は竹爺が仕事の都合を付けて同行してくれたが、来年からは平日の単独山行が確実に多くなるのだろう。
 竹爺宅を05:00に出発し、途中コンビニで買出し、06:00縄文の里朝日(奥三面歴史交流館)の駐車場に車を停めた。風が強いが森林限界を越えない山なので、心配もせずに06:12歩き始める。
 スーパー林道方面に僅かに進むと右手の林道に頑丈な柵ゲートがあり、バイクが通過できないように右脇にもバリケードが追加されていた。私達は左脇をすり抜ける。林道を進むと、左手に見事で神々しい三叉のトチノキがあった。
 標識と登山者カード記載箱の所から右手の杉林に入る。ここから暫くの間は国土地理院25,000地形図の歩道とは大きく異なっているが、迷う心配は殆どない。山ヒルが多いという評判のタケノ沢(ハルコ沢?)を渡り、再度杉林を登ると、雑木林になり尾根に上がって行く。ここからはナラ枯れの多い尾根をひたすら登る。時折振り返ると、日本海までの眺めが良い。やがてブナ林になり07:19-27避難小屋に到着した。「越後の山旅上巻」には「新潟気象台の無人雨量観測所」と記載されているが、小屋には「鷲が巣山避難小屋」の他に「観測所」と書かれた標識が打ち付けられていた。登山道を僅かに登った左手に細いながらもしっかりとした水場があり、私達もここで食事を取り、水を補給した。越後の山旅には「中ノ岳直下の足留沢源頭に水場があるが、この山にはそれ以外に水は得られない」と記載されているが、現在は避難小屋の水場だけである。残念ながら展望はなく、小屋も宿泊ではなく雨天時に2〜3人が雨宿りできる程度のものである。
 ここから良いブナ林となり、ロープが下がっている。左からの尾根と合流すると、平坦になり、眼下に三面ダム湖を見下ろし、07:41前ノ岳山頂に到着する。ここも展望はない。左をからみ気味に降るが、すぐに地蔵菩薩と書かれた石碑と祠がある。登りでは探せず、降りでようやく見つけた。無雪期には草や木に紛れて見つけにくいようだ。
 いっきに140m程降り、07:52鞍部付近は太く見事なブナ林になる。さらに08:02に774m峰を越えるが、右手に光兎山が見えてくる。08:05鞍部を通過する。これから270mの登りは粘土質の急な登山道に枯れ葉が積もり、竹爺は何時になく苦しそうであるが、私は四輪駆動なのでさほどでもなかった。
 登りきると、道が二手に分かれるので、左に直上すると、08:27-40素晴らしい展望が待っていた。足元には小さな祠(薬師如来)があり、ここが中ノ岳である。小国は雲海の下にあり、吾妻連峰・飯豊連峰・弥彦山と暫し楽しむ。
 08:53すぐ先の1,004m峰には水準点の脇に「大日如来尊」と書かれた石碑があった。だらだらと降り、09:07鞍部を通過する。この辺りから道刈りが粗くなる。確かにこの山の道刈りの苦労は大変なことだろう。
 潅木だけになり傾斜が緩くなってきたので山頂か思ったら、まだ標高1,000mの突起であり、まんまと騙された。
 しかし、ススキが見えたので確信を持って、09:36-10:20鷲ヶ巣山々頂に到着した。先ずは平成3年建立と書かれた新しい祠が迎えてくれた。さらに奥の岩にも祠が祭られ、何故か「北大平橋」の看板があった。この祠は「13年毎の遷宮の時の安在所となる御座石で、相模様(山ノ神様)を祀る」ものらしい。私達のさらに先にある三角点の広場で休憩とした。好天、そよ風、まったり気分で時間を忘れさせてくれる。
 下山は、11:00大日如来、11:06中ノ岳、11:13-22休憩。11:56前ノ岳、12:08-17避難小屋で休憩した(以下、記録なし)。
交流館入口
奥三面歴史交流館
スーパー林道の交通情報
林道入口のゲート
神々しい三叉のトチ
ここから登山道になります
ブナ林になれば、小屋は近い
避難小屋に到着
小屋の全貌
正面のブナに
水場の標識が食べられています
細いながら、しっかりした水場です
ブナが太くなります
前ノ岳から降る途中、鷲ヶ巣山が姿を見せました
鷲ヶ巣山々頂
カエデ以外は落葉していました
急で歩きにくい登山道
たまらず竹爺はロープを握る
中ノ岳山頂
結構、足にきました
薬師如来の祠
中ノ岳からの展望
光兎山
三面ダム
前ノ岳
ロープが結ばれている木は、枯れていた・・・(怖)
1,004m峰
ナナカマド
猛禽類に襲われた鳥?
降っては登るの繰り返し
中ノ岳
道が荒れてきた
最後の頑張り
中ノ岳と前ノ岳
北の方向
騙されました、これが本当の山頂です
振り返る
やって来ました
鷲ヶ巣山々頂
岩場の祠
三角点
がっちと握手!

続く ⇒