このところ土日は天候が悪い。ようやく晴れマークが出てきたと思ったら退職辞令交付式前日である。どうせ引き継ぎも全て完了している。以前から雪山に入りたいと連絡が来ていたハイジと竹爺に連絡をしたところ、二人とも二つ返事で同行してくれるとのことであった。
梅花皮荘の駐車場に止めようと思ったが、川入荘がまだ営業していないので、止めさせてもらうことにした。ビーコンを身に付け両側に雪の壁を見て、05:40川入荘駐車場から歩き出す。05:40民宿奥川入で雪に上がりカンジキを履く。見上げる飯豊連峰は朝焼けに燃えていた。竹爺に先頭を任せる。スノーモービルの跡を進むと雪崩の跡があった。例年なら斜上して尾根に取り付くのだが、藪の部分が広いようなので尾根の末端から取り付く。
古いトレースがあるが、硬い部分もあり先頭は苦労している。岩場まで来た所で、ピッケルを何時でも出せるようにアドバイスする。左から夏ルートに移り、僅かに夏道を登り急な痩せ尾根はピッケルを突き刺しながら登る。傾斜が緩くなった所で狭いリッジなったので、カンジキを脱ぎ坪足になるようアドバイスする。ここで段取りが慣れていない竹爺は手間取っているので、先頭を換わる。一番狭い場所は不安定なので左に降り、横歩きをして通過する。その後も、亀裂と硬い雪に悩まされるが、06:57大曲に到着。日の当たる場所まで進んで、07:00-15休憩とする。
再度カンジキを履き、竹爺を先頭に登る。まもなく後ろに人の気配がしたので振り向くと、一人の女性が後をついて来ていた。07:47十文字池を通過し、08:02-11休憩とする。話を聞くと昨年5月(
登山者情報1432号)に追い越された新潟の女性であることが分った。ここから先は、彼女が先に行くが、我々はペースを乱さないようにのんびりと登る。
08:45西俣峰に到着、ここから先は杁差岳を眺めながら進む。下から見た時は雪庇が少ないかなと思ったが、実際に歩いてみると、かなり大きい。亀裂と滑落に注意しながら、ピッケルとストックを持つ。ガリガリの所もあり、スリップしたら東俣川まで一気に落ちてしまうだろう。
09:30-42大雪原(仮称)で展望を楽しみながら休憩する新潟の女性は既に枯松山を越えようとしている。09:58枯松山を通過する。鞍部に向かう所も雪庇が例年より多く感じる。10:24-42大ドミで休憩し、アイゼンに履き替える。11:21-28三匹穴で風が強くなってきたので、私も合羽を着る。立ったまま休憩していると、女性が降りてきた。山頂まで往復してきたとのこと、相変わらずのハイスピードである。
アイゼンを効かせて標高を上げて行くと、朝日連峰の後ろに月山と鳥海山が見えた。頼母木平を越えて12:23頼母木山々頂に到着する。風は思ったより弱い。竹爺は足の調子がいまひとつとのこと、小屋で休憩することにして稜線を北に降る。二王子岳に伸びる峰々、正面の杁差岳と、最高の展望である。
12:40-13:35頼母木小屋は、後ろ2階にある冬期出入口はガリガリに凍りついていた。夏口をスコップで掘り始めると、柔らかい。誰かが一度、入口を掘り出した後に積ったもののようだ。竹爺が持参したストーブで美味しい食事をいただく。満腹になったところで外に出ると、薄い雲が出始めていた。小屋前から千代吉沢に下り、そのまま尾根を越えて正規のルートに出た。
14:30大ドミを過ぎ、14:35-44休憩を取る。15:00枯松山を通過し、15:50-01西俣峰山頂で休憩。さらに16:25十文字池通過し、16:44-50大曲で休憩し、17:19尾根取り付きでアイゼンを外す。民宿奥川入に挨拶をし、17:43川入荘駐車場に到着した。
PS
今回は何時も無線を取ってくれるODDが岩手県の山に行っていたので、LFDに通過場所をメールで送信し、連絡を取りながら山行を行った。メールを送信した場所は「枯松山・三匹穴・頼母木小屋・三匹穴・枯松山・西俣峰・尾根取り付き・川入荘駐車場」である。前日にバッテリーを充電して行ったが、帰って来た時のバッテリーマークは赤くなっていた。なお携帯電話はドコモらくらくホーンで、山行中は全て電源を入れていた。またバッテリーは予備を2個持参した。