登山者情報1,567号

【2012年07月18-19日/ダイグラ尾根〜石転ビ沢/井上邦彦調査】
 ダイグラ尾根取り付きの吊橋が破損して渡れない。下ってきて渡れないと大変である。そこでダイグラ尾根を登って石転ビ沢を下ることにした。前日は雨で川が増水していた。雨は止んだが水量が気になる。湯沢を見ても梅花皮沢を見ても、濁流ほどではないが、やはり何時もより多めであるった。
 天狗平ロッジに顔を出し、04:19天狗平登山届出所から歩き出す。04:36温身平十字路、04:45林道終点手前で右の登山道に入る。桧山沢の吊橋は、アンカーが壊れていた。そのまま川原を上流に進み、瀞になる場所が渡渉地点である。05:00渡渉開始、ズックを脱いで素足で渡ったが、バンドの下まで半ズボンを濡らしてしまった。靴を履き藪を漕ぎ、5:17トラバースを終えて登山道に出た。急な道を登り、05:31-42岩場で休憩を取る。稜線は雲の中である。無線機に長アンテナを付ける。うまい水のLFD、ロッジのUKX、御西小屋のGPNと交信できた。
 06:12右に折れて斜面を登る。06:21再び尾根上に出ると緩やかになる。06:27種蒔ノ池、モリアオガエルの卵が枝に付いていた。06:38-50長坂清水で休憩、出合にいると言うKFDの波が取れない。07:22米栂ノ台地を通過する。
 07:41-56休場ノ峰で休憩。ここからは峰々をひとつひとつ越えて行く。オオコメツツジ・ハクサンオミナエシ・ノリウツギ・イワオトギリ・ミヤマコウゾリナ・ミヤマカラマツが咲いている。08:37千本峰の標柱を通過する。ミヤマクルマバナ・ヒメサユリ・ミヤマキンポウゲ・モミジカラマツ・ノウゴウイチゴ・ヤマブキショウマ・ギボウシ・ミヤマママコナも加わる。9:00から9:04までトラバースし、09:08-26休憩を取りながら電話対応。ハクサンコザクラ・オオサクラソウ・ハクサンチドリ・アカモノ・シラネアオイ。09:54雪を踏む。ニッコウキスゲ・ヨツバシオガマ・ハクサンボウフウ。
 10:08宝珠山の肩を通過する。10:15融雪水を補充し、残雪を巻く。宝珠山を越えた所でまた雪の上。アラシグサ・クルマユリ・ハリブキ。10:33宝珠山の岩稜は視界なく寒いのでそのまま通過する。10:40高巻いて雪の上を歩く。ダイグラ尾根を歩いていると、バランス能力の低下が実感できる。10:58-11:09上の岩場で休憩。ハクサンフウロ・マルバシモツケ。
 11:22御前坂の偽高山帯に出る。斜上して登り始める所、登山道の下に崩壊斜面がある。ここに道のようなものができている。下って来た登山者が迷い込んだのだろう。充分に注意してもらいたい。ツマトリソウ・ハクサンシャクナゲ・ヒメイチゲ・ヒナウスユキソウ・チシマギキョウを見て、12:00-19飯豊山々頂で無線と電話をしながら休憩を取る。
 稜線上には、チシマギキョウ・ヨツバシオガマ・ニッコウキスゲ・マルバシモツケが咲いている。12:31駒形山の標柱の文字は全て削れている。登山道整備の効果を確認しながら、12:42玄山道分岐を通過する。チングツマ・マルバウスゴ・ショウジョウバカマ・バイカオウレン・アオノツガザクラ・イワカガミ・イワイチョウ・ハクサンボウフウが咲いている。草月平は一面ニッコウキスゲの蕾で覆われていた。13:09御西の標柱、13:19御西小屋に到着した。
 翌日は05:53小屋を出発。所々残雪を踏みながら進む。イワカガミ・アカモノ・ミヤマグルマ・ヨツバシオガマ・ハクサンボウフウが咲いている。06:25-40天狗の庭で復元状況を確認する。部分的に生えていない所が指摘できるほどの回復ぶりで、植物が大きくなる秋が楽しみである。
 ウサギキキ・ミヤマキンポウゲ・ノウゴウイチゴ・シラネアオイ・ショウジョウバカマ・モミジカラマツを楽しむ。やはり登山道が残雪で覆われている所が多く、滑落しないように注意が必要だ。07:04御手洗ノ池を通過する。亮平ノ池直前の雪も良くない。07:25-53亮平ノ池で電話休憩。08:16クサイグラ尾根分岐を過ぎて、コバイケイソウ・ミヤマキンポウゲ・エチゴキジムシロ・シナノキンバイ・イワオウギ・ハクサンイチゲ・ハクサンボウフウ・エゾイブキトラノオ・ミヤマキンポウゲ・ヨツバシオガマ・マルバシモツケ・ハクサンシャクナゲ・ゴゼンタチバナ・チシマギキョウ・ヒナウスユキソウ・ムカゴトラノオ・タカネニガナが咲いている。08:48梅花皮岳山頂通過、ニッコウキスゲ・ヒナウスユキソウ・ヨツバシオガマ・エゾイブキトラノオ・シラネニンジン・チシマギキョウ・ムカゴトラノオ・ハクサンシャクナゲを楽しみながら、09:04梅花皮小屋に到着した。
 ここでスパイク地下足袋に履き替え09:35下山を開始する。問題の中ノ島(草付キ)最上部のトラバースは7m程度、足場を切って慎重に下る。10:50石転ビノ出合通過、門内沢の雪渓が続いて石転ビ沢の雪渓が切れているので、迷い込まないように留意したい。11:17-30梶川の出合で休憩し、ズックに履き替え沢なりに降る、流れが変わって歩きやすい。12:00-07うまい水、12:30砂防ダム、12:58湯沢ゲート着。自衛隊のヘリだろうか騒がしいので、警察に確認すると遭難事案はないとのこと、訓練なのだろうかと思いながら天狗平ロッジに行く。
林道終点前で右手の登山道に入る
大又沢と桧山沢の合流点
桧山沢吊橋
到底渡れない
その原因はアンカーにある
アンカーは大岩に取っている
取りあえず番線で繋いでいた
上流に向かう
ここが渡渉点である
バンド下までの渡渉を終えて振り返る
下流の吊橋
岩場まで登って沢を覗くと、まだスノーブリッジがあるが・・・
ホダ原
石楠花岩
種蒔ノ池
モリアオガエルの卵塊
上を目指す
長坂清水
倒木
ショウキラン
休場ノ峰から行く手を仰ぐ
千本峰
ハクサンオミナエシ
ミヤマカラマツ
ミヤマクルマバナ
宝珠山は雲に覆われている
ハクサンオミナエシ
岩場
千本峰を振り返る
ヤマブキショウマ
残雪が出てきた
視界もなくなってきた
ハクサンコザクラ
登山道が雪に覆われている
ヒメサユリ
宝珠山の肩
残雪が次々に出て来る
オオサクラソウ
ハリブキ
手前の斜面を登って残雪の上に上がる
ヒメサユリの群落
キヌガサソウ
御前坂の最下部ガレ場に道ができている 相当な登山者が迷い込んだようだ
正しくはこちらに降る
ハクサンシャクナゲ
飯豊山頂

飯豊山⇒御西小屋

御西小屋⇒梅花皮小屋

梅花皮小屋⇒石転ビ沢