登山者情報1,598号

【2012年10月17日/倉手山:蜂処理/井上邦彦調査】
 9月8日山形県山岳連盟県民登山Bコースにおいて、AQLがスズメバチに刺された。当時は雨が全く降らず樹木は乾燥しており、現場の画像を見ると灌木の中に巣穴があって、火を使う巣の処理は危険と判断し、ホームページで周知を図るほか看板を立てる等の対策を取って来た。その結果、登山口の駐車場には殆ど車を見かけなくなっていた。しかし10月14日の午前と午後に登山者が刺されたと掲示板Aに書き込みがあり、これから紅葉が本格化することから、巣を処理することにした。オオスズメバチで蜂の数も多く、火災の危険性に配慮しなければならないので、LFDとODDと筆者の3名で行くことにした。
 6時に駐車場に集合し、巣の手前で腹ごしらえをした。覗いてみると大きな土穴からスズメバチが出入りしているが、個体の大きさが通常よりかなり大きい。静かに近づいて石油を少量穴の中に入れ、鉈鎌で巣の周囲の灌木を1本づつ伐って行く。穴からはもこもこと蜂が出て来る。さらに頭上に蜂が戻って来る。背を低くして声を掛け合い、飛んできた蜂にスプレーで攻撃する。巣に蜂が近づいたらスプレーを掛けて一瞬火の海にして羽を焼き、足で踏みつけて殺す。鍬と鉄棒で穴を掘り、鉈鎌で穴を広げて行く。石油を何度も注ぎ込みながら掘り進む。
 ようやく巣が姿を現した。穴から引き出してみると、あれほど焼いた筈なのに、中の幼虫は死んでいない。足で踏みつぶすと白いミルクのような液体が飛び散った。鎮火を確認し最後に水を掛けて、本日の作業を終了とした。
蜂の巣の場所
灌木を伐り取る
戻り蜂に対処しながら
穴を広げて行く
ようやく巣が姿を現した
蜂が襲ってくるとすかさずスプレーを発射
鉄棒でしつこく穴を掘る
これでどうだ!
このやろう〜
こんなものかな
中の巣を取り出す
取り出した蜂の巣
スプレーと大きさを比較
このキャップの直径は28mm
処理が終わった巣穴
幼虫達の死骸
良く見ると
蜂の死骸が散乱している
現場の様子
作業を終えて帰途につく
西俣峰と杁差岳
地神北峰と頼母木山
展望台から
倉手山を見上げる
サンプルしてきた蜂
鋭い顎
顔を見ると
3個の単眼周辺の色と頭楯下の突起の数が特徴
この角度だとユーモラスな顔になります
巣に入っていた幼虫でもこの大きさでした
参考:山のことあれこれ67

おわり