登山者情報1,624号

【2013年02月03日/雪山技術講習会/井上邦彦調査】
 町民登山の翌日は「イケメンインストラクターによる雪山技術講習会」であるが、講師役のkonchyangが上京することになり、私に回ってきた。結果的に看板に偽りありということになってしまった。それでも岳ちゃんと山形県山岳救助訓練の講師である仁友・菅野さんにも加わっていただき、なんとか終了することができた。
 最初に講師陣が揃うまでの間、座学を行った。参加者から「雪崩が出るから静かにして一人づつ通ってと言われたけど本当?」との質問。「会話で雪崩が出ることはない(雪崩リスクマネージメント15頁)。危険地帯は一人づつ通過し、万一の時はすぐに助ける体制にすることは大事。おしゃべりに夢中になっては駄目」と回答した。次に「雪崩に巻き込まれたら泳ぐというけど本当?」の質問。「雪崩の中心部から少しでも端の方に逃げるのは大事。今は直ぐに探しだして助ける器材と技術がある。他のメンバーを信じて、生存時間を少しでも長くするため口の周りに空間を作ることが良い」と答えた。
 次に屋外に出て斜面にテラスを掘った。「人間が巻き込まれる可能性のある雪崩の90%以上が、自分達できっかけを作っている。徒歩やスキーの衝撃は沈んだ場所から70cmの深さまで達することがある。弱層テストの深さはこれを考えること」を説明し、あらかじめ渡したマイ箸を弱層と思う所に刺してもらった。さらに指で雪を押し、箸の位置を訂正した。
 スコップとスノーソーで圧縮テスト(コンプレッションテスト)を行い、実際に破断する層を確認し、全員でこの方法を学んだ。またハンドテストも練習し、それぞれの長所と欠点を説明した。最後に試作した弱層強度測定器で今日の弱層の強さを確認した。
 続いて、アバランチビーコンを埋め、各自が想定した場所にマイ箸を刺してもらった。全ての箸が直径2mの範囲にあった。ビーコンを掘り出してみると、縦方向に箸が分布しているのが分かり、磁力線の説明を行った。
 三番目はプローブを使って埋めた人形を探した。一列に並んだ後ろにプローブを持った人とスコップを持った人を配置。異物を感じたら手を上げ、プローブをそのままにして後ろから別なプローブを受け取り、捜索を続行した。後ろのメンバーもプローブを抜かずにスコップで掘り出し作業。2回めの挙手で無事に人形が見つかった。
マイ箸を突き刺す
指で確認
圧縮テスト
ハンドテスト
プローブ捜索
要救助者を掘り出す
参加者のみなさん
訓練終了後に
埋没体験
う〜ん 抜けない

終わり