登山者情報1,754号

【2014年02月22-23日/山形県山岳連盟登山部研修会/井上邦彦調査】

 恒例の山形県登山部研修会は今年も鳥海山で行われた。出席者総数39名、始めに環境省柘植自然保護官から「国立公園における登山施設の現状と課題」と題して講話をいただいた。講話の中で、現在課題となっている朝日連峰の山小屋について、あるべき姿や具体的にどのようにして維持管理をして行くことが想定されるか、幾つかの班に分かれて意見を出し合った。た時間が限られており、意見を集約することはできなかったが、各人から多様な意見が発表された。今回の研修を通して、山小屋の問題を行政任せではなく自分達の問題として捉えることができたと思う。

各班の発表内容
1班
・朝日連峰の原始景観を引き継ぐ必要がある。
・朝日軍道を復活したい。
・営業小屋のない現状を維持したい。
・トイレの有料化が必要だ。
2班
・国の理念と登山者の認識にズレが有る。
・山に登ることを妨げることはできない。事故対策が必要。
・金が無いから直さないというのは一方的だ。
・自然を維持していくことが必要だ。
・行程にあったシェルターが必要だ。
・金が無いのなら営業してはどうか。
・トイレと水場の整備が必要だ。
・半地下式の小屋なら維持管理費が安くなるのでないか。
・入山料の徴収。
・ペット連れは入山禁止にしたい。
・高齢化など登山者の推移を知りたい。
・過酷な登山に対する対応が必要だ。
3班
・小屋があることによって自然が保護されてきた。
・小屋に管理人がいることによって自然が保護されてきた。
・安全のために小屋は必要だ。
・現在、自然は守られて、良い方向に向かっている。この流れに小屋が果たしてきた役割は大きい。
・登山人口を増やしつつ守っていくという発送が必要だ。
・実際に自然や小屋を守っていくためには予算の確保が必要だ。
・必要なら入山料の徴収や、小屋を宿舎とシェルターに区別していくことも必要だ。
4班
・大朝日小屋から北には2時間おきに小屋があるが、南にはない。それでも山はある。小屋がなければないなりになる。
・大朝日小屋がなければ金玉水が荒れる。大朝日小屋はもっと収容人数を多くするのが良い。
・100名山だから人が来る。
5班
・この班には朝日連峰を登ったことのない若い人が多い。
・登山者の安全確保が必要だ。
・朝日連峰には信仰登山がなかった。これから歴史を作っていく山だ。
・ヒメサユリを守って欲しい。
・イベントを行いブランド化して行くのが良い。
・小屋のリフォームを自分達がやる。
・登山者全員が管理人という発想。
・小屋の跡地をテント場にする。モニュメントを作る。

 翌日は蓬莱山に登り、雪崩対策として弱層テストなどの研修を行った。

県山岳連盟会長挨拶
柘植自然保護官の講話
国立公園とはどのように位置づけられているのでしょうか
公園計画とは?
朝日連峰の山小屋は避難小屋です
現状ではどのように管理をしているのでしょうか
実態を知ることから全てが始まります
今年度、以東小屋が壊れました
再建は大変に厳しい環境にあります
今後、朝日連峰の避難小屋はどうすべきなのか、皆んなで考えてみましょう
各班に分かれて意見を出し合いました
各班の発表です
今日はきっかけづくり、これから皆んなでより良い方法を考えていきましょう

つづく →