【メンバー】
清水(小国山岳会)・加賀谷(つがざくら山岳会)
【装備】
ピッケル・アイゼン・テント・スコップ・輪カンジキ(未使用)
【概要】
昨年の蒜場山〜大日岳〜川入(1644号)に続いての飯豊山西側ルートであり、二年連続で新潟にお邪魔する事となった。
蒜場山ルートに比べると入山者は多い様で、このGWも当班を含め少なくとも3パーティーが入山する事が
下越山岳会の岳友から伝えられていた。
本年は積雪はそれなりであったが、4月に入って以降は気温が随分と高いため残雪量が予想できず、比較的最低部の標高が高く藪のリスクが低いルートを選択したつもりであったが・・・.
【5月2日(アプローチ)】
夕刻にそれぞれの地を立ち、小国町の川入で集合。ここに車を一台デポして、二王子登山口である二王子神社付近の登山者駐車場に移動する。
【5月3日 快晴・昼頃より曇り、後一時雨】
・神社発(292m)6:50 〜 一合目7:15 〜 二合目(水場)7:50 〜 一王子小屋(3合目・724m)8:07 〜 独標(定高山・5合目・994m)9:25
・油こぼし(7合目:1230m?)9:50 〜 雨量ロボ(9合目)10:55 〜 二王子山頂(1420m)11:05 〜 二本木山(1424m)12:20
・H1212m地点 12:49 〜 H1022m地点 13:33 〜 雷岳 14:41 〜 枡取倉山(1194m)15:52 〜 天幕地1120m 17:08
朝5時前に車の音で起床する。この一番車が、先行した下越山岳会の車であった事は後に枡取倉山での会話で判明した。
朝食・荷物分担・装備確認等を済ませ、6:50頃里宮を出発。日帰登山者が多数おり、二王子岳の人気の程が伺える。
神社から暫くは鎮守の森らしく、杉の大木が林立した登山道を行き清々しい。2合目の清冽な水場がありがたい。大岩の下に水の流れる音が聞こえる水無沢を登り詰めると、一王子小屋は近い。
一王子小屋付近の水場は露出しておりここで水を補給、付近は水芭蕉が咲く谷地になっていた。
ひと登りで独標(定高山・5合目・994m)に到着。積雪は1.5m程度・4/12 1764号の3.3mから20日で1.8m(=1日平均9cm)程度沈んだ事になる。
1202m付近の緩起伏地は、地形が複雑で積雪期はルートファインディングに注意を要する場所だが、今回は晴天+トレース明瞭で迷う事は無い。油こぼしの急登を過ぎると山頂及び高知山方面の視界が開ける。
この辺りから風が強まり始め、空は高曇りになってくる。天気予報では昼頃に一時雨となっていて、その前兆のようだ。
山頂を踏み、避難小屋の陰で風を避けながら大休止とする。
ここから二本木山までは登山道があり、残雪と夏道を交えて二本木山山頂に立つ。
二本木山から下り、1022m鞍部手前のH1124m辺りから強烈な藪となり遅々として進まなくなる。あわよくばヤンゲン峰の先に幕営出来ればと考えていたが、どう足掻いても不可能である。
雷岳付近で一時雨が落ちて来るが直ぐに止み、さらに前進すると枡取倉山の山頂に下越山岳会一行4名のテントが設営されていた。
挨拶をして暫し歓談、気付け薬を頂戴してさらに前進するが、枡取倉山から少し行ったH1120mで雨に降られ、濡れた藪を漕ぐ気力も無いのでここで幕営とする。
幸いかなり強烈な風音がしても全く無風に近い場所で快適に過ごすことが出来た。
【5月4日 ほぼ終日快晴】
・幕営地1120m発 7:50 〜 1212m地点 8:46 〜 ヤンゲン峰1245m 9:01 〜 1205m地点 9:32 〜 1193m地点 10:33
・赤津山 11:28 〜 1318m地点 12:08 〜 1231m地点 12:29 〜 藤十郎山1331m 13:26 〜 1348地点 14:47
・1407m地点 15:07 〜 1469地点 15:43 〜 二ツ峰T峰1642m 16:49 〜 T峰−門内最低鞍部 17:20
・門内岳 18:35 〜 門内小屋 18:38
晴天・無風・鶯の囀りで気持ちの良い朝を迎えた。テントには結露が薄氷となっており零下となった様だ。
のんびり朝食をとって茶を啜っていると、前夜枡取倉山に陣を張った下越一行が6:20頃に到着、歓談の後先行していった。当班は7:50に出発・約1:30の遅発である。
これより赤津山手前の鞍部まで強烈な藪が続き、赤津山まで4時間弱を要している。
赤津山の山頂付近にはポール(パンザマスト?:山頂をトラバースしたため確認せず)が立っているが、内の倉ダム建設の際の降雨量調査の名残だろうか?
赤津山〜藤十郎の先までは部分的に藪を交えながらも比較的順調だったが、1407m手前から再び藪が激しくなり、二ツ峰T峰ピークまで藪に痛めつけられた。
二ツ峰T峰の先はかなりの急傾斜で藪を掴みながら後ろ向きで下る。場合によってはロープがほしい所だ。実際に残置スリングが見受けられた。
二ツ峰T峰と門内の最低鞍部で下越一行にようやく追いつく。ここまで、雪上を行く際は当班の方が早いが、藪になると下越一行に離されるの繰り返しでなかなか距離が縮まらず、藪山経験の差を思い知らされた次第である。
ここで、先着した下越一行が流水を発見して水を補給していたので、我々も恩恵に頂る。
門内小屋に着いた頃には、18:30を廻り薄暗く、気温は氷点下となっていた。
下越御一行と宴を共にして大ベテランの話を拝聴し、日付を跨がない頃に就寝した。
【5月5日 高曇り下山後一時雨】
・門内小屋発 7:03 〜 地神山1849m 7:58 〜 頼母木山1730m 8:26 〜 頼母木平1700m 8:56
・三匹穴1470m 9:12 〜 西俣峰1023m 10:44 〜 十文字池727m 11:19 〜 林道着 12:39
朝5時頃起床・予報だと午後から雨・若干風が有り、高曇りだが暫くは持ちそうである。
我々は下越一行に10分ほど遅れて出発する。要所々々で休憩を共にしながらゆっくりと降りる。
西俣峰の下:十文字池で、下越一行のお迎え部隊がテーブルを切って昼食の準備をして待っており、丁度頼母木から追いついてきた中条の一行とともに、ブナの新緑の中でご馳走になった。
この辺りからはタムシバ、マンサク、カタクリ等が、さらに下るとヤシオツツジ、石楠花が咲き誇りすっかり春の様相である。
下山後、遠く杁差や二王子・胎内の山々を眺めながら車を回収し帰路についた。
このたびは下越山岳会の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。