登山者情報1,848号

【2014年12月28〜31日/前杁差岳/清水洋樹・加賀谷亮調査】
 昨年(登山者情報1740号)に引き続き、本年も大石から杁差岳を目指して入山した。

1日目:12/28(天候:晴れ後曇り 風弱し)
【1日目タイム】
7:20 ダム管理事務所に登山届けに車両駐車の旨を記した封書を提出して大石ダムサイトを出発。
8:30 東俣彫刻公園着・小休止(ここまで約3:4km)
10:55 一号橋=林道終点・ここで足拵えをスノーシューに変更、スキーをデポ
12:33 二号橋
15:20 H631m雨量計跡:幕営
【1日目概要】
・ 積雪量は昨年とは比較にならない程に多く、林道は多くの箇所でデブリに埋め尽くされていた。
・ 一号橋、二号橋は一度空身で雪踏みをしてから通過。特に2号橋は高度感満点で落ちれば命は無いだろう。
・ 林道はH268mより先300m程度が核心部。林道はデブリに埋め尽くされ、河面までは断崖絶壁である。
・ 本日は大変穏やかで風も無く気温も高く推移した。

2日目:12/29(天候:小雪 風速10m未満)
【2日目タイム】
7:20 幕営地(雨量計跡H631m)出発
8:18 カモス峰 H847m 通過
9:28 権内峰・休止(通信を試みるも不調)
10:40 鞍部 H1042m 通過
11:22 千本峰着 幕営
【2日目概要】
・ 朝起きると小雪舞うが、新たな積雪は僅かで、風もさほどでは無い
・ 権内への登りに掛かると地形は一変して険しくなる。夏の様子からは想像できない変わり様である。
・ 権内峰への直登は出来ず、北西の斜面(オープンバーン:雪崩注意)を廻り込んで西北西の尾根に乗り山頂へ出た。
・ 鞍部H1042mの先まで雪庇の発達した痩せ尾根で注意が必要
・ 千本峰手前も数箇所の雪壁が有り、ルートを西側に振る箇所があった。
・ 夜間は結構な降雪が有り、テントの除雪を数度行った。

3日目:12/30(天候:雪 風速10〜前杁付近で瞬間30m程度)
【3日目タイム】
7:16 千本峰幕営地出発
8:38 前杁標識地点
8:42 前杁三角点(今回はここまで)
9:35 千本峰幕営地帰着(休憩・撤収)
11:30 千本峰幕営地発・下降開始
12:40 権内峰通過
13:50 カモス峰H847m通過
14:15 雨量計跡H631m着・幕営
【3日目概要】
・ 標高1200m付近まではラッセル。幾つかの雪壁も有りスピードが上がらない。
・ 標高1230m付近からは地形判然とせず、のっぺりとした山稜で旗竿ベタ打ちとなる。
・ 標高1230m付近から上は風衝地帯で潅木が枝先を覗かせる。この辺りからクラストが顕著になる。
・ 前杁差の標識がかろうじて頭を覗かせていた。
・ 前杁差標識の手前より完全なホワイトアウト・三角点にて撤退とする。
・ 翌31日晩より大荒れの予報であるので、本日中に雨量計まで標高を下げる事とした。

4日目:12/31(天候:曇り時々霰 下山後雨)
【4日目タイム】
8:00 雨量計跡天幕地発
8:50 二号橋
10:10 林道終点(小休止)
11:10 林道核心部 アイゼン+ピッケル
以後時間記録せず
【4日目概要】
・ 林道核心部の状況が悪化しており、スキーを脱いで通過。
 一部は上部からの水滴で氷化しており、アイゼン+ピッケル無しでは通過不能だった。
・ 林道終点が往路は無かったデブリで埋め尽くされており、スキーデポは辛うじて埋没を免れた。
 念のためブナ大木の根本に置いたので難を免れたが、デポ場所は注意を要する。
・ 下山後の連絡を一斉送信メールで行ったが、一部に着信の遅延(丸2日程度)がみられた。
 (年末年始のトラフィック増大によるシステム障害か?)
 下山後の重要連絡先への一報は通話にて行うが賢明なようである。
大石ダムを出発 
穏やかな晴天に恵まれる
林道はデブリに覆われる
彫刻公園を通過
巻き雪が・・
・・たくさん
林道核心部:右は奈落も絶壁
林道終点と一号橋
一号橋を空身で雪踏み
一号橋の先・ブナの美林
1〜2橋間のトラバース道(尾根を行く)
対岸の絶景を楽しむ
二号橋へ向けて下降
二号橋に到着
恐怖の二号橋通過
雨量計直下の急登(下りはロープを出した)
大境山?方面の眺め
ブロックを積んで幕営
これより向かう権内峰方面
カモス峰に向けラッセル
権内峰が聳える
H900m付近 雪稜の急登
股近いラッセル
権内峰北西面をトラバース(オープンバーンで雪崩注意)
千本峰への登りから権内峰を振り返る
巨大な猿ノ腰掛を発見
東側の眺め・大境山方面
雪庇が発達している
もうすうぐ千本峰
昨晩は結構な積雪があった
旗竿を携えて前杁差へ向かう
雪庇が大きく発達していて細心の注意が必要
地形が判然としなくなる
前杁差の標識
前杁差の三角点にて・完全なホワイトアウト
テントを撤収して下降開始・権内が覗く
一時、カモス峰・権六方面まで見える
H1050付近の痩せ尾根
権内北西面のトラバース
権内峰北・雪壁を切ってトラバース(下は奈落の急斜面)
権内峰北H890m付近の雪稜を下降
カモス峰付近より権内峰
雨量計跡へ向けて下降
デブリに埋め尽くされた林道終点地点
林道核心部の通過
林道核心部を振り返る
林道途中 スラブからのデブリで埋め尽くされた沢
林道途中 デブリで埋め尽くされた沢

おわり