登山者情報186号

【飯豊連峰:御西小屋/1995年08月03日07:00服部義昌調査】
昨晩から断続的に強い雨が降り、横殴りの風が吹いており、笠をさして歩くなど考えられない。切合小屋から御西小屋までの間で登山道が雪に埋もれているところは、草履塚上部の一ヶ所のみである。梅花皮小屋と御西小屋の間には数カ所残っている。
【飯豊連峰:梅花皮小屋/1995年08月03日07:10藤田栄一調査】
天候は御西小屋と同じ。石転ビ沢の状況を送る。地竹原先の落合の看板から雪の上となるが、すぐに右岸の夏道を登る。雪渓はそのまま続いているが、途中で薮漕ぎしなければならないので夏道がよい。梶川出合の雪渓は薄くなっているので渡れない。雪渓の左岸沿いを進んで梶川を飛び石伝いに渡渉し、再び雪渓の上に上がり大岩の脇を通って夏道に出る。夏道を進むと大きな二つの岩の間になり、ロープが下がっている部分が崩壊しているので注意する。その後再び雪渓を約50m進んで左岸の夏道に上がり、赤滝を経て石転ビノ出合に出る。テント3張り程度のスペースが露出している。門内沢から梅花皮沢にかけての雪渓は安定している。
石転ビ沢は合流点のすぐ上から約60mの間、雪渓がなくなっている。夏道から雪渓を横断し、大岩の左手の小沢に上がる。小沢の水場は使用できる。右岸の踏み跡を辿って、再び雪渓に上がる。雪渓の末端部分は順次崩壊しているので、ルート選択に注意する。石転ビノ出合とホン石転ビ沢出合の中間頃に両岸を結んで大きなクレバスがある。あと1〜2日で飛び越せなくなる可能性があるが、両岸とも岸をへつることは危険性が高い、十二分に留意して欲しい。ホン石転ビ沢は40m程度入ったところで崩壊している。
北股沢から北股岳へ突き上げる沢にはまだ雪渓が続いており、落石・道迷いの可能性がある。黒滝には穴が開き、付近にクレバスが多い。黒滝と中ノ島(草付き)の間の雪渓が薄くなっており、通行できなくなりつつある。左岸沿いに雪渓を詰めて黒滝(最も狭くなっている部分)の左岸に上がるが、ここの部分が薄くなっているので注意する。さらに左岸沿いに雪渓を10m進み、左岸の夏道を辿ると小沢に出る。岩にペンキで印があるので、ここから尾根の踏み跡を辿り三角の大岩のところで小沢を渡り中ノ島(草付き)の夏道に合流する。特に下降の時は、通り過ぎないように注意する事。中ノ島(草付き)にはシナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ・コバイケイソウ・オオサクラソウ・ハクサンコザクラなどが咲いている。中ノ島(草付き)の夏道を辿り、左の小沢を横切り水の流れている登山道を直登し、広場からさらに雪渓を約40m登って梅花皮小屋に着く。