登山者情報1,887号

【2015年06月10日/梶川出合/井上邦彦調査】
 去る7日にIUYが梶川出合を通った時に、崩壊寸前の雪渓末端を通っている団体を見かけたと報告があった。詳細は(http://ogunimachimontefuan.blog47.fc2.com/blog-entry-1859.html)を見て欲しい。
 たまた翌8日に石転ビ沢で遭難事故があり、筆者は迎えに赤滝下流まで行ってきた。その時は、崩壊中の雪渓に触れないようにガレ場をへつって通過し、帰路は合流した遭難パーティの状態を考慮して巻き道を通った。
 さらに、10日は巻き道にロープを設置し梅花皮小屋の水回り等を整備してきた。往路は整備をしながら巻き道を通過し、帰路は一般登山者に渡渉地点を案内した後に、沢沿いに通行した。
 つくづくと、7日の団体が通っている時に崩壊しなかったと胸をなでおろすだけである。IUYの報告によると、この団体はまとまって通行しようとしていたようだ。仮に雪渓が崩壊したら低温の沢に投げ出され心臓麻痺を発症、または氷塊や転石に挟まれて圧死や水中で窒息死する可能性がある。また付近の石や氷の角は鋭利になっており、人間の肉体を用意に深く傷つける。骨折や打撲で済むなら上々である。知識のないことの恐ろしさに背筋が寒くなる事案であった。
2015年06月07日撮影 2015年06月10日撮影
2015年06月08日撮影 まだ雪渓がかろうじて繋がっている
2015年06月10日撮影 雪渓は崩壊している
2015年06月08日下流側から撮影
2015年06月10日下流側から撮影
2015年06月10日午後、下流側から撮影

おわり