登山者情報212号

【梶川尾根〜飯豊山/1996年05月02〜05日、高貝喜久雄調査】

梶川尾根は湯沢峰の手前まで夏道。梅花皮小屋までの稜線は北股岳ピーク付近を除き、殆ど夏道が露出している。梅花皮小屋から亮平ノ池までの新潟県側の登山道は全て露出している。亮平ノ池から玄山道分岐までは雪の上となる。主稜の雪庇は例年と比べて驚くほど小さい。駒形山から本山小屋の間は雪がない。門内小屋の一階入口は凍っていて開かず玄関上の二階の窓から入るが入りにくい。梅花皮小屋の一階入口は除雪して開くようにしたが、帰るときは針金で固定して欲しい。一部強風で外壁が破損しているが音がうるさい程度で使用に支障はない。水は凍っているようで出ていなかったが、まもなく吹き出すと思われる。御西小屋は二階の屋根が20cm露出している程度で完全に埋没している。登山者が縦穴を掘り何とか潜り込めるようにはされている。ガスられた時小屋の発見が難しいので注意すること。上から見た石転ビ沢はデブリが少ない、これから雪崩が本格化するおそれがあるので注意すること。

【石転ビ沢〜西俣峰/1996年05月03〜05日、山形山岳会富樫庄一調査】

3日、晴。大淵橋の袂に駐車して出発。暫くは除雪してあるものの、道路の両側は壁になっている。例年より残雪が多いのに驚く、聞いてはいたがやはりすごい。飯豊山荘手前で2箇所ほど最近の雪崩跡があった。温身平はブナの根元で積雪量は3mくらいある。堰堤の階段を上り所々出ている夏道沿いに進むが歩きにくい。枝が隠れていたり、よく滑る。足下にイワウチワを見つけた。下ツブテ石から沢に下りる。所々にクレバスがある。最近のトレースがついている。滝沢を過ぎ、梶川の土手も雪崩れていないからかあまり大きくない。天気が良いので日焼け止めクリームを何回もつけた。ウグイスが啼いている。ホン石転ビ沢もまだあまり雪崩れていない。草付きも雪に覆われている。最後の急登にかかる。スキーのトレースも見られる。以外と早い時間に到着できた。小国山岳会の高貝氏に酒をご馳走になる。水はまだ出ていないので雪を溶かす。
4日、晴のち曇り。梅花皮岳まで往復後、北に向かう。北股岳への登りは朝方なのでやはり少しクラスト状態である。門内小屋を過ぎて、夏道も使えるが、時々東側の残雪斜面を利用して歩いた。扇ノ地紙で梶川尾根と分かれる。地神山への登りも快調。頼母木山には石の地蔵様がある。明日の下山ルートを確認する。篠竹や赤布があり、笹藪を漕いで雪渓の足跡を探して安心する。頼母木小屋に荷物をおいて鉾立峰まで往復。
5日、みぞれのち雨。外は小雪混じりの強風である。出発時にはみぞれになってしまった。下りは早いもので広い尾根にもダケカンバが見えて来た。篠竹と赤布を目印にやがてブナの林にはいる。枯松峰には少しの登りがある。夏道に時折入ると花が咲いている。イワウチワ・カタクリ・ショウジョウバカマ等。西俣峰を過ぎ、下るほどガレ場もあり、松の根などにより雨に濡れて滑りこけてしまった。椿の花も見つけた。新緑が目によい。こんなに鮮やかだったとは。
雑感。石転び雪渓の最後の急登は、本当に怖かった。前しか見れませんでした。大石山周辺の草原でうたた寝、ぽかぽか陽気で翌日の降雪は嘘のようでした。

【小国町の車道/1996年05月10 日、小国町建設課・農林課】
・樽口峠=小玉川からは通行可能、樽口からは5月20日頃の予定 ・朴木峠=通行可能 ・針生平=除雪終了、雪崩など危険あるため5月中旬頃開通の予定 ・大規模林道=同上 ・西滝林道=同上 ・小玉川〜天狗平=除雪作業中、開通は5月20日以降になる見込み ・百子沢峠=除雪終了、点検作業のため5月20日頃開通予定 ・桜峠=同上 ・小倉峠=5月下旬予定 ・九才峠=赤沢まで通行可能、その先は土砂災害のため通行不可、復 旧見込みは未定