登山者情報2,122号

【2018年07月11日/大日杉〜切合小屋/井上邦彦】
 05:40大日杉小屋下の駐車場発。05:52倒木の右手に巻道が作られていた。05:58、ザンゲ坂を登り切る。木を揺らす動物、一瞬身構えるが複数である。サルだろう、これは近くにクマがいないという証拠でもある。山田長之助さんが植えたという「山長の松」のすぐ先は見晴らしが良い。おそらくここは猟の見立場であろう。
 06:26長之助清水分岐のブナが倒壊してから、わずか上にロープを伝って水場に行く道が作られている。水が出ていることを確認する。06:31御田杉を通過し、06:44-51、1回目の食事。今は使われなくなった昔の水場分岐には1張りのスペースがある。
 左から「だまし地蔵」を巻く。07:22広場は紅花国体縦走競技のゴールに使った所だ。地蔵の左に本山が見える。その10m先に「滝切合」と呼ばれる分岐あるが笹に覆われている。小国町の滝集落から登ってきたコース(現在は廃道)がここで中津川コースと合流したのでこの地名がある。
 だまし地蔵からは高木がないので灌木が藪化しており、ピッケルがひっかかる。ヤマトウバナ・トリアシショウマ・ヒメサユリ・ニッコウキスゲが咲いている。07:42地蔵岳山頂分岐、標柱2本。07:44山頂(三角点)まで登ってみるが、視界はなかった。センジュガンピ・モミジカラマツ・ヤマトウバナ・オトギリソウ・シロニガナが咲いている。
 07:55地蔵清水に下ってみると融雪水が流れていた。この残雪に下る踏み跡は2箇所あるが、特に水場に近い踏み跡は全く刈り払われておらず、大変に分かりにくい。07:57登山道に戻る。粕川氏とすれ違う。08:09-18、1508m峰で食事を取る。誰の仕業か「語らいの丘」と書かれた輪切りの木片が掛けられている。ヤマトウバナ・ミヤマコウゾリナ・オトギリソウ・ニッコウキスゲ・カラマツソウ・シロニガナ・ヒメサユリ・ガクウラジロヨウラク・コヨウラクツツジが咲いている。
 08:33-41、目洗清水に下る道は残雪に覆われている。ピッケルを抜いて慎重に下る。降り1分37秒、戻り2分10秒であった。灌木をつかんでも下れるが滑落注意である。8:42-43水場分岐すぐ先の旧幕営地(分岐に標柱あり)で本山が正面に見える場所。アカモノ・ヒメサユリ・ハクサンシャクナゲ(赤い)・モミジカラマツ・サラサドウダン(終)が咲いている。
 ダケカンバの根本にマルバキンレイカが咲くと、御坪が近い。09:12御坪。アキノキリンソウ・クルマユリ・ママコナが咲いている。09:16-22展望台でこれから通るルートを観察する。この展望台から下る踏み跡あるがすぐなくなる。
 09:24御沢分れ、09:43-49カッパを着る。09:57「素敵な水場」は雪で覆われており汲めない。雪渓を横断するがピッケルは不要。水の音がするので薄くなっているようだ。イワカガミ・チングルマ・イワイチョウ・ニッコウキスゲ・ガクウラジロヨウラク・ゴゼンタチバナ・ヒメサユリが咲いている。
 急な雪渓の最上部を横断する。キックステップ殆ど効かない、ピッケルを出して慎重に通過する。稜線手前の沢は雪渓に覆われている。左上の踏み跡を辿りに高まくが、上部は踏み跡もなくなる。10:15-19稜線に出る。下山時はこの下降点を探すことは至難の業だと思う。
 種蒔山方面に向かってすぐ、急な残雪が出てくる。滑落注意である。せめて軽アイゼンは欲しい所である。10:29-36種蒔の標柱から戻る。ハクサンチドリ・ヒメサユリ・ハクサンボウフウ・ハクサンシャクナゲ・ミヤマキンポウゲ・ニッコウキスゲ・イワイチョウ・モミジカラマツ・クルマユリ・ムカゴトラノオ・ヤマハハコ・マルバシモツケ・イワテトウキ・ミヤマホツツジが咲いている。
 切合小屋に行き、佐藤さんと長谷川さんに挨拶、お茶をご馳走していただく。情報交換をして、11:09切合小屋発。
 対岸から見て、小屋に突き上げる沢は雪渓が切れていたので、大日杉コース分岐手前まで戻り、11:23下り始める。履物がズックの上に急斜面なのでスプーンカットやキックスッテプだけで不十分と判断。ピッケルでカッティングしながら下る。下まで降り立ってしまえば問題はないが、何時もの年より雪渓が以上に薄く感じる。亀裂はなく、浅い沢なのだが丁寧にルートを選ぶ。沢が露出している手前で右岸の踏み跡に上がるが、始めての人はまず分からないかも知れない。全体としてあと1週間程度で雪渓が歩けなくなると感じた。
 11:45水の流れる小沢を横切り登るが、笹が登山道を覆っている。相当な期間、刈り払っていないようだ。11:48御沢分れ。11:50-20展望台で食事をしながら登山道の問い合わせや山小屋の予約などの対応に時間を費やす。
 12:24御坪、12:47目洗清水。13:07、1508m峰。13:19地蔵清水分岐。13:26-41地蔵岳でも食事と電話対応。13:52滝切合、14:08朝の休憩地、14:16御田。
 14:20長之助清水で水を汲む。往復共に各50秒であった。14:38ザンゲ坂上、14:51大日杉小屋に到着。そのまま五段山コースの吊橋を確認し、大日杉小屋で管理人と情報交換をして、15:10車に戻った。帰途、上岩倉集落で携帯電話のアンテナを工事していた。先日の山開きの時「AUが上岩倉と岳谷つりぼりに中継施設を建てる計画がある」と聞いたが、これから山の携帯事情が変化するかも知れない。
今回のコース
上の駐車場
橋を渡った所が記載所
大日杉の由来
倒木
ザンゲ坂
ザンゲ坂を登りきって
長之助清水
山長の松
御田杉
七森と三国岳遠望
滝切合
飯豊山と地蔵岳
道が藪化している
種蒔山方面
地蔵岳山頂の広場
地蔵岳山頂の三角点
ヤマトウバナ
センジュガンピ
地蔵清水分岐
地蔵清水
ここが清水への降り口
1508m峰
地蔵岳と地蔵清水を振り返る
地蔵岳とだまし地蔵
稜線が見え始めた
ヒメサユリ 時期は過ぎている
目洗清水
ヒメサユリ
旧幕営地
花の色が紅い
本当にハクサンシャクナゲなのか、葉の裏を確認
道が荒れている
サラサドウダン(終わりかけ)
種蒔山方面
マルバダケブキ
頭をぶつけそう
昆虫だとは・・・
まもなく御坪
御坪
ノウゴウイチゴ
展望台にて
草履塚と御秘所
御沢源頭
稜線も登山道が覆われている

つづく