登山者情報2,165号

【2019年07月17-18日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦他調査】
・石転ビノ出合までは全て夏道です。石転ビ沢入口の雪渓は崩壊が始まっています。今回は石転ビ沢と門内沢の合流点下流の雪渓を横断して右岸の水場に渡りました。今後は合流点付近の雪渓が薄くなっていきます。水場から夏道を辿って石転ビ沢の雪渓に上がります。ホン石転ビ沢対岸(左岸)でアイゼンを装着しました。北股沢出合の水場が露出し始めましたが、薄くなっているので近づく時は注意してください。黒滝にはまだ亀裂は発生していません。黒滝上から中ノ島(草付き)を目がけて斜上しますが、ここには落石が集中するので、決して休まないでください。また視界がない場合、北股沢出合から中ノ島(草付き)にかけては大変迷い易くなっているので留意してください。アイゼンを外して中ノ島(草付き)を登りますが、途中左手にある水場には落石が直撃することがあるので近づかないでください。中ノ島(草付き)最上部からの斜上箇所は急斜面です。滑落は重大事故に直結するので、慎重に通過してください。またここには北股岳側から落石が飛んでくることもあります。旧幕営地から最後の残雪を登り切ると梅花皮小屋に到着します。石転ビ沢は10本以上のしっかりとしたアイゼンとピッケル、ヘルメットが必要です。
・梅花皮岳山頂近くの登山道が崩壊により悪くなっています。慎重に通過してください。梅花皮岳〜御西小屋までの間で東側は、急斜面を横切るように登山道が作られています。ここに雪庇の名残の残雪が貼りついて登山道を隠しています。残雪は地面と接している部分が氷化しています。登山道と残雪を結ぶルートは土の上を慎重に移動しますが日々変化し、登山者の踏み跡が曖昧なため、自己判断となりますが、視界がない時は行き詰まる登山者が少なくありません。場合によってはピッケルで土の上に足場を作って移動することになります。重大な滑落事故が珍しくない場所です。初心者が立ち入ることは控えてください。
・稜線は素晴らしいお花畑でした。特に、チシマギキョウ・オノエラン・ウスユキソウ・ヨツバシオガマなどが見事でした。
・梶川尾根〜梅花皮小屋は、ほぼ残雪がなくなりました。今年の梶川峰〜門内岳はヒメサユリがことさら見事です。
石転ビノ出合から石転ビ沢
梅花皮岳山頂手前の崩壊地
烏帽子岳山頂から飯豊山と大日岳
稜線の残雪状況
門内小屋の資材仮置場 梶川尾根の施工箇所
門内小屋北の窪地にある保全資材を、梶川尾根の合同保全施工箇所までの搬送にご協力をお願いします
梶川尾根滝見場から石転ビ沢上部

終わり