登山者情報229号

【飯豊連峰:石転ビ沢〜梶川尾根/1996年06月22〜23日高橋弘之調査】

彦衛門ノ平から150m程夏道を行った地竹原で雪渓に上がる。水は彦衛門ノ平で汲んで行くのがよいが、最終は地竹原。石転ビノ出合の大岩はまだ雪の下である。黄色い旗を立ててきたが、門内沢に迷い込みやすいので注意すること。全体にいつもよりは落石は少ないようだが、ホン石転ビ沢ではだいぶ大きなものも落ちていた。北股沢に迷い込んでいる登山者を見かけた、黄色い旗を立ててきたが、注意すること。北股沢出合から上は急になるので滑落に注意すること、先日も新潟から来た登山者が滑落し5針縫っているし、今回も100mほど滑落してスキーを折った登山者がいた。依然として中ノ島(草付き)は露出していない。急斜面を上り詰めると目の前に梅花皮小屋が見えてくる、灘らかな斜面を進むと程なく小屋に着く。小屋の水場は勢いよく出ているしトイレも支障ない。水場に行く途中にはハクサンイチゲミヤマキンバイヒナウスユキソウのお花畑、特にハクサンイチゲは素晴らしい。北股岳の登りもハクサンイチゲが見事。さらに100m程雪の上を登るが、下山時の滑落に注意。私達は視界5m程度であった。門内小屋を過ぎると山形県側(旧道)に雪庇が続いているが、視界がない時は迷い易いので新 潟県側の新道を歩くのがよい。扇ノ地紙分岐の新道の標識は出ているが、山形県側一帯は雪で覆われており方向を失い易い。200m程進むと夏道となる。梶川峰の標識は出ている。1,500mにはまだ雪が登山道を覆っているのでルート選択と滑落に留意する。五郎清水は標識も雪に埋もれているし、水も取れない。水場への道と登山道を間違えないこと。五郎清水からさらに降ると登山道がなくなる。急斜面でルートを失い易いところだ、黄色い旗を立ててきた。滝見場の分岐と標識は3mの雪に覆われている。その下は夏道となる。
途中で見かけた花は、ハクサンイチゲミヤマキンバイチングルマオヤマノエンドウハクサンコザクライワイチョウ等、特にハクサンイチゲが印象に残った。

【その他/新潟日報】

新潟県展写真部門奨励賞を黒川村の布川嘉一郎さんの雲海を行くが受賞5月の門内岳頂上近くで残雪の上を歩く登山者を撮影したもの

【催事/飯豊町】

第8回いいで黒べこまつり 期日:07月14日(日)11:00〜14:00 場所:どんでん平ゆり公園 内容:町内産和牛の焼肉券発売中 3,500円/1人 インティライミ 申込:飯豊町役場農政課 0238-72-2111内線266

【遭難/朝日連峰】

早稲田大学山岳部新谷希土さんは、06月14日快速バスで新宿を出発15日泡滝ダムから入山した。16日08:00頃に大鳥小屋管理人が以東岳方面に向かっているのを見ている。予定では狐穴〜西朝日岳〜御影森山を経て17日に下山する予定であった。最終下山日を過ぎた20日を過ぎても本人から連絡がないと早大山岳部より届出があった。同日14:50頃、釣りのパーティが、朝日鉱泉から西に1Km、朝日川第一吊橋から約50m下流の中州で、登山靴を履いて上半身裸の男性が倒れているのを発見し警察に通報した。同日18:45捜索隊が激流の川を渡って遺体を収容した。新谷さんは下山途中、現場の上流で転落して流されたものと見られている。

【遭難/鳥海山】

静岡OAA山の仲間一行27人は、06月20日21:00静岡をチャーターバスで出発、21日08:00吹浦口から入山、12:30鳥海山頂着、12:50湯ノ台に向けて下山を開始した。16:00頃に雨と濃いガスのため道に迷い、貝型雪渓付近の岩陰でビバーク、夜明けを待って下山を開始、07:30頃に捜索隊と出会った。正規の登山コースから東側に約500m離れていた。予定では、22日月山23日蔵王を登り静岡に帰る予定であった。

【遭難/飯豊連峰/山菜採り】

06月23日、中津川口大日杉小屋の脇の大日沢で、丸木橋を渡ろうとして川に転落した妻を助けようとした男性(74)が妻を岸に引き上げた後に水に流され、約500m下流の中州で遺体となって発見された。