登山者情報289号

【緊急警告/1997年06月18日/飯豊朝日山岳遭難対策委員会】

現在、石転ビ沢において、滑落事故が頻発しています。この季節における初心者の入渓は基本的に無理があります。滑落停止やキックステップ(またはアイゼンワーク)といった、雪上技術が必要です。つまり、ピッケルとアイゼンを持参し、それらを使いこなせる技術がない方は入渓をご遠慮ください。(キックステップが可能な方はピッケルのみで対応できます)軽アイゼンに杖(ストック)といった装備では極めて危険です。現在、北股沢出合から梅花皮小屋の間で、ルートを北股岳寄りに取りすぎている登山者がいます。そのまま登ると著しく傾斜の強い岸壁に突き当たり、登ることも下ることもできなくなります。石転び沢は、他が晴れていても北股沢出合から上部だけが雲のため視界がなくなることが多いので、十分注意してください.
雪の塊(ブロック)や落石が出始めました。この時期は数年置きに、大量の土石流が発生します。巻き込まれた場合は、対処の方法が全くありません。ブロック・落石・土石流の特に発生しやすい雨天時は、入渓を控えてください。
文責:山岳救助隊中央班長・井上邦彦

【あなたの力をお貸しください】

最近の登山道の荒廃には目に余るものがあります。日頃飯豊連峰に登らせていただいている者として、少しでもお返しをしたい。そんな仲間が集まって、登山道整備を行います。希望者は井上邦彦までご連絡ください、詳細を送ります。

期日
1997年7月11日(金)〜13日(日)
集合場所
梅花皮小屋
各自無理のない範囲でがんばりましょう

【五十嵐さんが環境長官表彰/1997年06月17日/福島民報】

福島県山都町の五十嵐昭一さん(64)は、環境庁の自然公園指導員として1969年から飯豊連峰において活躍、また地元遭難対策委員会に携わり山岳遭難の防止と救助活動に従事されてきた。
今回その功績が認められて、環境庁長官表彰を受けることとなった。おめでとうございます。