登山者情報296号

【小白布〜御西小屋/1997年06月28〜30日/二瓶幸意調査】
朝から雨が断続的に降っている。小白布P08:00、登山客の車は見当たらない08:20歩き始める。ギンリョウソウを見つけた。秀好清水で一息する。水量はまずまずである。横峰着10:00、コースタイム通りで更に先へ急ぐ。地蔵山への登山道は既に沢登りと変わらないほどだ。西へ巻いて峰秀水、相変わらず水量は豊富だ。サラサドウダンの開花が進んでいる。剣ヶ峰付近からヒメサユリ・ニガナなど見られる。水場付近はシラネアオイが群生している。水量は多いが足場は滑りやすい。
三国小屋着11:45、雨にもかかわらず新潟の方が7名、小屋を後にしようとしている。予定は御西小屋と聞く。中に入ると昨日からの停滞者がいた。今日も停滞だという。軽く食事をすませ12:15発。雨まだ止まず。
七森付近は、シラネアオイが見事だ。山形側15〜20m下には残雪がある。種蒔山に入るや、キンポーゲが道先案内しているかのように連なっている。夏道に二箇所、残雪が覆い被さっている。約30度右下に進むと、5m位急傾斜となるので要注意。次の雪渓は心配ないが、中津川(大日杉)ルートは、分岐から50m地点から急傾斜の雪渓があるため避けるべき、上部から右側の雪渓か笹薮を下る。切合小屋への送水パイプは通水していない。
切合小屋は昨年改築したこともあり綺麗だが、登山者の荷物等が散乱しマナーに欠けるのが残念だ。14:15発。雨風・ガスの三悪だ。草履塚の残雪は昨年と比較すると1カ月程量的に少ない。中間地点は夏道を登る。右側のルートを気をつけて進むと、湧き上がる清水がある。笹竹のトンネルを過ぎると、雄大な大日岳がガスの中から時折姿を見せてくれる。足下には、ヒナウスユキソウ・オヤマノエンドウが一面に咲き、顔も綻び疲れを癒してくれる。御秘所を過ぎ、御前坂にさしかかる。最後の難所だ。ひたすら足元を見ながら、本山に向かう16:10着、一息入れ、小屋・トイレ清掃。心ある方の贈り物、消臭剤。ありがたい。
20:30友人の高橋氏(JN7NQJ)が、清掃登山に今夜登るとのこと、心強く感じる。翌朝5時着。朝食を取り、少々仮眠する。08:40台風が宮城県沖へ抜けたと聞くが、WX(天候)は回復の兆しはない。10:00いらだちながらパッッキングを開始、御西小屋へ向かう。15:00本山小屋着。雨風ガスの戦いだけだ。体験というか訓練というか、微妙なところだ。高橋氏16:00下山、19:00小白布着。
翌日30日、光り輝く御来光に目覚め、今日が始まる。早々に食事を済ませ、御西へと向かう。一王子の水場は3〜4m程残雪あり。小屋と三角点の鞍部から廃道になっている玄山道を150m下ると、雪解け水が取れる。三角点〜駒形山は様々花が敷き占めあっている。弘法清水、春はまだ遠い。御西までの沿道には蕾が堅いキスゲ。ここ数年少ないコバイケイソウは、今年は見事に咲き乱れると思う。御西水場は残雪のため取れないが、50m程下ると雪解け水がある。小屋はとても良く清掃されている。トイレ、解放になりました。
台風に泣かされても 台風に感謝したい 台風のプレゼント 満喫 感動 飯豊の自然は計り知れなく 果てしなく