登山者情報307号


【1997年07月23日/五味沢〜平岩山 /仁科友夫外3名調査】

4:45 大石橋駐車場を出発。このコース、いつ歩いてもブナ林から木もれ日が差して気持ちを和らげさせてくれる。小鳥のさえずりが森の朝を感じさせる。5:35角楢小屋に進み、10分間の小休止。小屋には長期の泊まりを行いながら地質調査している新潟大学の学生の姿はすでになく、調査活動に出掛けた後のようだ。6:30大玉沢の出合に到着。ここまで、道刈りがきれいになされており、とても歩き易かったし第一足元の気苦労から解放されているから、疲れないのがうれしい。また、ブナの倒木から思いがけないプレゼントで喜び合う。この間、沢水は3カ所あって水量は豊富だが、いずれも生ぬるかった。大玉沢出合からは15分登って5分間休憩のパターンを繰り返すことにした。7:202回目の休憩場所は黒松の見立て。強い日差しとセミの声が強烈で皆バテ気味。暑さに耐え切れず下山しようかとの話も出るが、言い出した本人の奥さんが先の町民登山で平岩山を完登していることもあって、意地でも絶対に登ると気持ちを切り替えて腰を立てた。8:00黒松の見立てから30分程登ると鞍部に到着して、顔を上げると二つの山があって、蛇引清水まではひと山越えて次の山のピ ーク手前にある。8:25水筒の残量が多かったので、蛇引清水はそのまま通過する。8:32上の蛇引清水の分岐で休憩する。9:45大玉沢分岐到着。ここまで、森林限界を通過して360°の視界が開けて開放的な気分となったが、日陰がないので強い紫外線が肌を刺して痛い。南方に雲の上から飯豊連峰の連山がぽっかり顔を出していたので、梅花皮小屋の関さんとコンタクト。今日一日お付き合いを願った。10:08ヌルマタ源頭の標識で小休止。:49水場の分岐に到着。水量自体細くなっていたが、冷たい水を汲むことができた。山菜のウルイと高山植物のコバイケイソウが水場を挟んで植生いるのが滑稽である。11:45平岩山に到着。大朝日岳を眺めながらの昼食をとる。山頂は好天に恵まれ、時がゆっくり流れていて、隣で大学生の3パーティーが賑やかになっている、一向に気にならない。トンボの異常と思えるほどの群生も気にならず、それだけ周りはゆったりしている。13:10平岩山を下山。ミヤマリンドウ、ウスユキソウ、チングルマ(終わり)を後にした。水場付近は、ヒメサユリ、ニッコウキスゲが咲いているが盛りを過ぎている。森林限界付近は、オオバキボウシに見 送りを受けた。
以下今回咲いていた高山植物は、ツルアリドウシ、ニガナ、オトギリソウ、ノリウツギ、ミヤママコナ、コメツツジ、ツルリンドウ、マルバシモツケ、ウラジロヨウラク、ミヤマリンドウ、ヒナウスユキソウ、シラネニンジン、イワウチワ、ミヤマコウゾリナ、ヤマハハコ、ゴゼンタチバナ、タケシマラン。上記写真撮って来ましたので興味のある方声かけて下さい。事務局まで19:00大石橋駐車場に到着。

【遭難】

27日午前7時半前、黒川村役場から中条警察署に、門内小屋付近で登山者2名が負傷し、自力で下山できないと救助要請があった。新潟県防災ヘリコプターが出動し、12:30過ぎ新潟市内の病院に収容した。
2名は26日19:00頃、テントを撤収中、強風のため飛んできた板に当たり、頭部と肩に怪我をしたものである。