登山者情報319号


【1997年10月06〜08日/梶川尾根〜湯ノ平/井上邦彦調査】
10月06日、06:02天狗平を出発、梶川尾根の急登に取り付く。06:40〜49 標高800m尾根の分岐で一息。07:20〜28 ブナの林で休憩。07:47旧道分岐、菱形の標識がついていたブナ樹は朽ちて姿を消し、標識だけが根元に置かれていた。07:55〜08:10 1021m峰で食事、稜線はガスに覆われているが、瞬間 梅花皮小屋が姿を見せてくれた。色づき始めた潅木のトンネルを抜けると、滝見場である。08:43〜55 石転ビ沢雪渓はズタズタである。急登に喘いでいると爆発音が響いた、石転ビ沢で大崩壊が発生したようだ、登山者がいないことを願う。

09:30〜52 五郎清水で喉を潤す。気温が低いせいか殆ど汗をかかない。流水で掘れた登山道に苦労し、10:22〜30 ダケカンバの峰に着く。残念ながら視界はない。ここからは傾斜が落ちる。

10:54〜11:04 梶川峰の標柱に到着、草紅葉の中を辿る。お腹が空いてきて歩けない、11:35〜45 お握りを頬張る。11:51 扇ノ地紙通過。12:12〜50 門内小屋でミルクテーを飲む。小屋の中で気温6〜8度、手が冷たい。ガスが切れてきた、完全装備でギルダ原を進む。13:26〜32 休憩、山稜を次々と雲が越えて行く。

13:53〜14:04 北股岳山頂、鳥居を囲んで記念撮影。足元に注意して下ると、突然後ろで歓声、顔を上げるとガスの中に梅花皮小屋が浮かび、14:20高貝さんが笑顔で出迎えてくれた。米沢牛のステーキ・三平汁に満腹し、外に出ると満天の星空。暫し寝転がって酒に火照った体を覚ます。
10月07日、生憎のガス。烏帽子岳往復を中止し、出発を遅らせる。07:54梅花皮小屋発。ネマガリダケで覆われた廃道は足元が見えず滑りやすい。08:20〜27 洗濯平は見事に彩られていた。予想どおりここから下部は晴れている。付近は踏み跡が交錯し、迷いやすい。

08:39二岐通過、尾根上を下る。登山道は両手を広げて走れそうに、綺麗に刈り払われていた。08:58〜06 烏帽子岳付近だけガスが切れたが、本日航空自衛隊が吊り上げ訓練を行う筈の文平の池は濃いガスの中である。ダケカンバの白い肌と紅葉が曼荼羅絵になって広がる。

09:33〜49 中峰を過ぎるとブナ林である。この尾根はナラが多い、必然的に数人が姿を消す。11:00〜40 食事。12:12〜23 休憩。下るだけ下ると両手を使う急登、12:45〜16 標識のない鳥居峰山頂で現地調達の茸汁。後ろ向きになって鎖と鉄梯子を掴んで下り、14:02 湯ノ平山荘に到着すると、先に下っていた二瓶さんが冷えたビールを差し出してくれた。乾杯してそのまま露天風呂に飛び込む。上流の露天風呂周囲には日帰りの方が食事をしている、かまわず裸になって疲れた体を横たえる。下流の露天風呂は屋根と目隠しがついている。

高橋康弘さんが山都町特産100%蕎麦を持参、大鍋に湯を沸かし二瓶さんが茹で始めた。山際さんと奥村さんが、今朝畑から取ってきたという有機野菜で豚汁を作り出した。さらに掛橋さんが到着、ザックには生きたスッポンが2匹!二瓶さんが発見した大きな舞茸はそのまま焼いて食べることにした。その後は・・・・

10月08日、繰り返される驟雨。08:09山荘を出た途端、対岸に猿の群れを発見。08:37〜43 休憩。大きく落ち込んで北股沢の吊り橋を渡り、上り切った北股平で休憩。09:42全員無事に駐車場に到着。