登山者情報325号

【1997年11月10〜12日/梶川尾根〜川入/高貝喜久雄・二瓶幸意調査】
状況

(梶川尾根〜梶川峰) 滝見場より積雪あり、現在は固結した雪で少ない。今後は深い積雪と厳しいラッセルが要求される。(梶川峰〜扇ノ地紙〜飯豊山) 稜線上は厳冬期となっている。しかし現在の雪庇は、まだ完全に発達していない。今後は飯豊特有の強風で雪庇がさらに発達する。稜線上は固結した氷雪でアイゼンの爪が快適に噛む。梅花皮岳〜烏帽子岳と天狗岳周辺の稜線は厳しいナイフリッジで、ルートの大半は新潟県側のコンターを選び、危なげな雪稜を登攀した。幸いに風も弱まり助かる。また天気も予報に反して安定した。強風時の通過には懸念される場所である。
(飯豊山〜三国岳) 現在は積雪は少ない。今後は更に積雪が増し雪庇が発達する。ルートは新潟県側のコンターを選ぶ。特に種蒔山〜三国岳の間は稜線が狭く山形県側に切れ落ちている。不安定な雪庇に注意。
(三国岳〜小白布〜川入) 現在の剣ケ峰は積雪は少ない。今後は両雪庇が発達し、厳しい登攀が要求される。
(飯豊連峰の積雪は概ね、標高1,300m付近まで雪線が下りている)

避難小屋

(門内小屋) 西側(新潟県側)の二階梯子付き出入口は、冬期は凍結して使用不能。一階入口の上にある二階の窓より出入りする。雪の吹き溜まりと釣り鐘のアームを利用して攀じ登る。
(梅花皮小屋) 一階の出入口は閉鎖した。山形県側の梯子を上り、二階の出入口を利用する。なお扉が堅く開閉が若干困難。一階には無線(VHF)のアンテナのケーブル(ハンデイ機用コネクター付き)が利用できる。一階のトイレは使用できる。
(御西小屋) 一階の出入口は閉鎖した、二階の出入口を利用する。なお二階出入口の外にスコップを放置してあるので、雪の吹き溜まりで出入口が埋没している場合に利用できる。小屋内で無線(VHF)のアンテナのケーブル(ハンデイ機用コネクター付き)が利用できる。
(本山小屋) 一階の出入口は使用できない。山形県側の二階の窓より、雪の吹き溜まりを利用して出入りする。
(切合小屋) 一階出入口は閉鎖、東側の二階出入口梯子を上り窓より出入りする。
(三国小屋) 一階出入口は利用できるが、雪で埋没した場合は二階の窓より出入りする。

【1997年11月16日/登山口状況】

ダイグラ尾根取り付き桧山沢吊り橋は、11月18日踏み板撤去、パイプは残るが渡れません。湯ノ平手前北股沢吊り橋は、11月4日撤去、ワイヤーを含め全て取り外しました。飯豊山荘天狗平ロッジは11月4日、胎内ヒュッテは11月9日から冬篭もりに入りました。