登山者情報329号

【1998年04月19日/石転ビ沢〜梅花皮小屋/井上邦彦調査】
06:16国民宿舎梅花皮荘との分岐にあたる大淵橋の袂に車を置き、鍵の掛かっている鎖を越え自転車で走り出した途端に崩落している小さな岩に乗り上げてパンク。自転車を残置して歩き出す。道下に小ぶりのミズバショウが咲いている。道脇にはフキノトウが賑やかである。オクチョウジザクラやキブシを楽しみながら先を急ぐ。落雪の恐怖感はないが、落石はありうる。沢筋では休まないようにしよう。07:00〜195,984歩。湯沢の袂で車道は終わる、積雪40cm程度。日本重化学温身平取水口管理のための車が止まっていた。食事をしてプラブーツに履き替える。07:58〜08:009,583歩。

上の砂防ダムで釣り人2人に会う、イワウチワが咲いていた、釣果は今一つといったところか。ツブテ石の登りに掛かると夏道になる。なんと下ツブテ石の周囲には全く雪がない、これには驚いた。夏道を下りきって沢に出る。雪が不安定なので注意する。08:27〜3511,922歩、うまい水が使える!二回目の食事。何時もは緊張するババマクレから地竹沢までの間にも、殆ど雪がない。いったん雪渓に出るがずたずたになっており早々に河岸段丘に上がり雪の上を進んで夏道の下降点から雪渓に降りる。ここも到る所亀裂が走り、滝沢落合で一部岸に上がる。滝沢入り口の滝も雪渓が切れて豊かな沢水を吹き出していた。09:04梶川出合通過、梶川は穴だらけである。水場は大石が出ており足場注意である。
09:27〜3316,163歩、石転ビノ出合。コース上では、ここまで雪崩の恐怖感は殆ど感じられない。石転ビ沢を仰ぐと、手前の大石と奥のテーブル状大石が露出していた。本当に雪が少ない。
出合から歩き出してまもなく、大きな熊の足跡が幸七尾根から西ノ峰尾根に向かって雪渓を横切っている。爪の跡がくっきりとしているところをみると、今朝のものだろう。右岸斜面の露出した潅木の中でこちらを見ているかもしれない。声を出してこちらの存在を知らせる。このあたりはきちんと熊の有害駆除を行っているので、ここにいることを教えさえすれば心配はない。もし駆除がなくなって羚羊や猿のように人の前に平気で出てくるようになったら、こんなに自由には山を歩けないかもしれない。
ホン石転ビ沢出合から上は雪崩跡に覆われているが、比較的平坦である。ホン石転ビ沢には雪渓が続いている。10:40〜551,180歩、羚羊の足跡を辿り、左岸で休息する。潜り始めたのでスパッツをつける。
11:42北股沢出合通過、この上は何時もながらルート選択に迷う、北股岳からの雪崩を避けて梅花皮岳寄りに迂回するように登る。雪が柔らかく、つぼ足となる。左膝の調子が悪いのでペースを落とす。12:50梅花皮小屋到着。小屋の周囲には全く雪が見当たらない。二階の冬期出入口から入り、管理人室から用具を出して一階玄関の固定棒を取り外す。稜線の登山道は凍結が融けふかふかしている。水場・便所ともは十分使用できた。梅花皮小屋は本年改築予定である。長い間通いつづけてきた小屋である、あと少しの間よろしく。

14:26下山開始。傾斜感がない、雪が腐りグリセードが出来ない、キックステップで下る。14:36北股沢出合14:48ホン石転ビ沢出合。

登る時はなかった雪崩跡を見る。右岸壁で雪塊が崩壊したもので、雪渓の半分を覆っていた。

15:17赤滝通過。左岸にはキクザキイチリンソウ・カタクリ・オオバキスミレ・ショウジョウバカマ・マンサクか咲き、コバイケイソウが芽を出していた。
15:30〜43地竹原を過ぎた所でスパッツを外しカッターシャツを脱ぐ。イワウチワを足元に見て16:17上の砂防ダム。16:46〜53天狗平でズックに履き替える。途中から通りかかった車に乗せていただき、帰宅。

なお、前日の18日は近くの山で子供たちと木の芽(ミツバアケビの新芽)採りを楽しみました。キブシ・アブラチャン・アズマシロカネソウ・エゾエンゴサク・ホクリクネコノメ?・スミレサイシン・オオバキスミレ・カタクリが咲いていました。