登山者情報366号

【1998年08月11日/実川口/小椋秀春(本山小屋)より無線】

オンベ松尾根アシ沢の橋が土石流で流失、渡れない。

【1998年08月09日/朝日連峰蛇引尾根/斎藤初男調査】

朝日連峰大玉沢吊橋が、大雨と土砂の流出により使用不能の全壊となった。通常時は飛び石伝いに通行できるが、増水時は通れなくなるので注意すること。

【1998年08月10日/飯豊連峰南部の状況/小椋秀春(本山小屋)より無線】

小白布口(川入口)が大雨で壊れたが既に改修がなされた。登ってくる登山者によれば、弥平四郎口・長坂(川入口)・大日杉口は被害がなかったようだ。

【1998年08月09日/石転ビ沢〜丸森尾根/井上邦彦調査】

天狗平には武田会長が立哨をしていた。石転ビ沢には入らないよう指導していると言う。登山者カードに記載し、05:55発。オトギリソウ・トリカブト・ヨツバヒヨドリ・?(紫)等が咲いている。途中、石転ビノ出合までという2名Pを追い越す。

石転ビノ出合から石転ビ沢

石転ビノ出合はスパイク地下足袋を脱いで門内沢を渡り、07:25〜40朝食とする。飛び石伝いに石転ビ沢を渡り、右岸の踏み跡を辿る。石転ビノ出合からホン石転ビ沢までの間2/3右岸に岸壁が出てくる所で、右岸から雪渓に上がる。亀裂に注意しながら左岸沿いに登り、08:19ホン石転ビ沢対岸の枝沢に出る。

ホン石転ビ沢出合対岸枝沢から下を見る

右岸側(以前に近畿大生が転落死亡した所)の雪渓はズタズタとなっている。そのままガレ場をトラバースするように進む。浮き石の急斜面なので、慎重にルート選定する。部分的に雪渓を歩ける部分があるが、厚さを頻繁に確認する必要がある。ホン石転ビ沢出合と北股沢出合の中程で雪渓が途切れる。ひたすらガレ場のトラバースを行い、雪渓に上がるがすぐにまた雪渓が途切れる。

北股沢出合下流付近の状態

北股沢出合に架かっている雪渓を左岸側から巻くようにして、08:57〜09:08北股沢出合の水場で食事を採る。梅花皮小屋に建築資材を運ぶヘリコプターが10分ごとに頭上を飛ぶ。水場からガレ場をトラバースして黒滝の踏み跡に出る。本流を詰めて草付き(中ノ島)の末端に取り付く。ヨツバシオガマ・ハクサンボウフウ・ミヤマキンポウゲ・シマノキンバイ・アザミ・オタカラコウ・ハクサンフウロウ・モミジカラマツ・トリカブト・ミヤマアキノキリンソウの咲く草付きを登り、09:45梅花皮小屋着。
さっそく梅花皮小屋で関さんが冷やしてくれていた缶ビールをいただく。至福の一瞬である。小屋脇には作業用のプレハブが立てられているので、小屋の宿泊については何時ものように使用できる。ただし小屋周辺は建設資材が積まれているので幕営はできない。高橋工務店の佐藤さんの話を聞くと、工期が厳しく小屋の完成は来年にずれ込みそうだ。それでも本棟が完成してから現小屋を解体し、管理棟の建設に取り掛かるので登山者の宿泊には問題がない。

梅花皮小屋改築工事の様子(幕営スペースがないので注意)

小屋周辺にはタカネマツムシソウ・ハクサンフウロウ・オンタデ・ミヤマアキノキリンソウ・エゾイブキトラノオ・コゴメグサ・イワインチン・ウメバチソウ・トリカブト・タカネツリガネニンジン・タカネナデシコ・トモエシオガマ・ミヤマコウゾリナ・ヤマハハコ・ヤマトウバナ等が咲いていた。特にコゴメグサとウメバチソウが盛りである。11:06梅花皮小屋発。
11:22北股岳山頂通過。ギルダ原はオヤマリンドウ・トリカブト・エゾイブキトラノオ・タカネマツムシソウ・コゴメグサ・ウメバチソウ・キオンが目立つ、他にはイイデリンドウ・タカネツリガネニンジン・トモエシオガマが咲いていた。門内小屋管理棟で胎内口に支障がないことと水場の位置を確認する。水場は胎内山手前の最低鞍部から東に稜線を越え左にトラバースをした崩壊地小沢の清水を使用する、小屋から3分である。

門内小屋水場の様子

12:21扇ノ地紙通過、LFDから無線で近くにUWSがいることを聞く。12:41地神山通過、トモエシオガマ・エゾシオガマ・コゴメグサ・トリカブト・エゾイブキトラノオ・イイデリンドウ・ハクサンフウロ・ミヤマアキノキリンソウ・タカネツリガネニンジン・オヤマリンドウ・ミヤマウスユキソウが咲いていた。12:49地神北峰通過。12:52〜13:07空腹に耐え切れずキンコウカとイワショウブの咲く草原で食事を採る。気がついたら梅花皮小屋ではビールを飲んだだけで食事をするのを忘れていた。

キンコウカ

13:43丸森峰直上の休み場でUWS一行と合流。以後はのんびりと一緒にミヤママコナ・ホツツジの咲く尾根を下り、16:41天狗平に到着。

丸森尾根下部の岩場にて(平田会員・長谷川さん・鈴木さん)