登山者情報371号

【1998年09月12〜14日/梶川尾根〜ダイグラ尾尾根/小林元一調査】

12日(土)新潟・小針発 4:35 -- 飯豊山荘駐車場(天狗平)着 6:25 朝食・登山者カード記入の後 出発 7:00 -- 梶川尾根・湯沢峰 8:40 -- 滝見場 9:30 -- 五郎清水 10:35 -- 梶川峰 11:55 ・出発 12:40 --扇の地紙 13:20 -- 門内岳 14:00 -- 北股 15:25 -- 梅花皮小屋着 15:50 (泊) 13日(日)起床 4:00 出発 5:45 -- 烏帽子岳 6:35 -- 御手洗ノ池 7:40 -- お西小屋 9:10 -(大日岳往復・ゆっくり休憩)- お西小屋出発 13:00 -- 飯豊本山 14:30(好天に誘われゆっくり休憩)--本山小屋着 15:00(泊) 14日(月)起床 4:10 出発 5:30 -- 本山経由 ダイグラ尾根を下山・宝珠山下の標柱 7:40 -- 千本峰の標柱 9:00 -- 桧山沢の吊り橋 11:45 - 出発 12:25 - 天狗平駐車場着 13:10 飯豊山荘で入浴の後 出発 14:10 -- 新潟・小針着 16:30  登りはじめると間もなく、ミヤマママコナのお出迎え。大きな立ち枯れの株にニョキニョキときのこ!ツキヨタケ?湯沢峰手前からカンカン照りの日差しとなる。9:3 0過ぎ「滝見場」で一息入れていると男性 2 人連れが登ってきた。(後で分かったことだが、この 2 人、インターネット「飯豊写真館」を出している渋谷さん- 新潟県新発田市 -とその友人で、今回二泊三日で同じコースを歩いた。)五郎清水でおいしい水を飲んで生き返る。11:40 1,600m辺りで北東向きの草付き斜面、紅葉にはまだ早い。梶川峰で「少しでも荷を軽くするため」缶ビールを開ける。門内・北股・そして今夜の宿「梅花皮小屋」、更に、明後日の予定コース「本山からダイグラ尾根」が青空の下、手にとるように近い。ここからは、快適な稜線歩き。ミヤマアキノキリンソウ・シナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ・シロバナニガナ・ニガナ・ツルリンドウ・ハクサンボウフウ・トリカブト。ハクサンイチゲ・チングルマそれにタカネマツムシソウなど夏の名残の花もちらほら。マツムシソウの写真を撮っていたら、傍らに「イイデリンドウ」! 種を飛ばした後のニッコウキスゲ・オンタデ、ヤマハハコのドライフラワーなども結構楽しめる。 北股を下りはじめる頃ガスが濃くなってきた。梅花皮小屋の宿泊費1,000円。缶ビール350が800円。泊り客の中に、「いいでみち」の著者五十嵐さんがおられた(と渋谷さんから教わる)。ほぼ満員だが窮屈ではなかった。 翌朝 4 時起床、朝食の後、出発の支度をして外に出ると丁度日の出。三脚を立てて写真撮影。水場への道脇はいつもながらの楽しみなお花畑。黄色い頭花の、コスモスに似た葉の花を「イワインチン」と聞いた。教えてくれたのは名古屋から来たカップル(山の夫婦であって、里の夫婦ではない。男性 66才、女性、その娘というにはチョット無理か?)。クルマバナ・ウメバチソウ・オニアザミ。朝日を浴びて、御手洗の池まではまことに快適に歩く。途中で出会った人がオテアライの池は近いと言うので、「ああそうですか、もう少しでミタラシノイケですか」と、さりげなく直そうとするが、「いえ、オテアライノイケは直ぐですが、ミタラシは気付かなかった」という。これには困った。ここから天狗を巻いてお西までが、なかなかキツイ。ようやくお西に到着。お西の水場は少し歩くが、それだからまたいいとも言える。水場から仰ぐ小屋もいいし、ここから見る大日・牛首がまた格別。一息いれて、大日往復。ゆっくりで 2 時間 30分。山頂から遥かに望むオンベ松の稜線はただただ息を飲むばかり。お西小屋周辺は風の通り道。ついさっきまで暑くて切なかったのに、日陰で風に当たっていたら直ぐ寒くなってきた。本山への登り、途中から、明日の予定コース「ダイグラ尾根」をホレボレと見る。本山小屋に入ると、2 階正面に小椋氏(管理人)が缶ビール片手にご機嫌。その隣にナント、名古屋カップルの「娘には無理」のご婦人。「ひげがなくて分かりませんでした」「オレだって、山を降りれば髭は剃る」「井上さんは今日は現われませんか?」、小椋氏、ニッコニコして「アレは嫌いだ。オレより酒を飲むし、オレより山を歩く」。 何がともあれ、まず「水」を汲みにいかなきゃ。寒く冷たい風が吹き、次第にガスが濃くなってきた。水場へは赤旗が目印。そんなに近くないと覚悟して歩けば以外と近い(7〜8分)。今夜と明朝の食事、それに明日のダイグラは水場はあてにするなと聞けば、持ってきた容器をかき集めて余分に汲んでくる。隣に寝ることになったおじいちゃん、福島からで 75才、明日ダイグラを降りるという。実は、と、その隣のおじさんが説明するには、おじいちゃんは今日、ダイグラで間違って桧山沢の方へ入り込んでしまって、苦労して登り返し、今夜またここに泊ることになったのだという。 明けて14日朝、日の出は見れたがガスの中。5:30 ダイグラ尾根へ向かって出発。状況勘案し持参する水は1.3Pとした(結果的にこれを一滴残さず飲んだ)。 尾根を歩きはじめて直ぐ振り返ると、本山からお西への稜線上を、大きな滝の様にガスが流れ落ちて壮観!直ぐにガスは晴れて、マタ、日差しが強くなってきた(贅沢な言い方でゴメンナサイ)。ガレの急坂を下る足元にミヤマコゴメグサ。宝珠山の巻き道辺り、エゾオヤマリンドウの最盛期。巨大な岩を、松の幹に掴まりようやく越えて、ヤレヤレと少し行くと「千本峰」の標柱。ようやく道は森の中のおだやかな土の道となり、歩きながら、ここまでの疲れがスーッと消えていく気分。幼いバッタがたくさん・かえる 3 匹・トカゲ 2 匹・へび 1 匹。ホツツジ。効率良くどんどんどんどん高度を下げて、ついに桧山沢吊り橋到着。河原に降りて顔を洗い、頭から水をかぶり、存分に飲めるだけ飲んで。充実感にひたる。                                         
 (メール motoichi@ka2.so-net.ne.jp)

差出人: 小林元一宛先: iide@ic-net.or.jp件名 : 連絡します日時 : 1998年9月22日 0:15 山行報告を送信した後でホームページを見ました。
*9月14日朝までお世話になった本山小屋の屋根が、16日にふっ飛んだとはビックリしました。*14日単独でダイグラを下りましたが、コースは注意していれば特に問題はないと思われます。
*梅花皮小屋で管理料1,000円、本山小屋で2,500円は分かり難い。
*最近飯豊でも寝具があり、食事も出来るという傾向にあるようですが、賛成出来ません。
*9月19日〜20日、大朝日へ行ってきました。朝日鉱泉への道があちこちで崩壊やら土砂崩れがあります。事前に確認が必要。 鉱泉から鳥原〜小朝日〜大朝日〜平岩〜御影森〜鉱泉と周遊しましたが、コースは問題ありません。
*エアリアマップの山と高原35「朝日・出羽三山」(調査・衣袋賢二氏)は、コースタイム・水場の表示等問題が多いので他の資料も十  分検討したほうがいい。
*鳥原小屋の料金箱も、無人の時の梅花皮小屋のように、封筒に住所氏名を記入して入れ、後日受取(葉書)が送付されてくる方式がい い(真面目に入れてくる張り合いがある)。
*大朝日小屋のトイレが異常にクサイと評判です。何とかなりませんか?ところで、最近井上さんの山行報告がありませんが、どうかされましたか?心配してます。