登山者情報380号

【1998年10月25日/胎内口〜二王子岳/吉田明弘調査】
<吉田>

要約すると以下のとおりです。 道は全体的に非常に整備が行き届いていました。足場の悪いところ急な所はロープがはってあり、刈り払いは十分すれ違えるだけの幅は有ります。二王子岳周辺や足の松尾根などで雨量観測をしている新潟大学の岡本先生に偶然お会いしましたが、岡本先生がこの研究をしている間は道の整備は続けるとの事でした。登山口は、胎内第一ダムの扉を開けダムの堰堤に下り、対岸に渡ります。ナリバ峰には三角点が有ります。黒石山は雨量計が有ります。黒石山の先の鞍部より少々登った所に雨量計が有り、右に下りると水場です。水場は沢でこの時は落ち葉に埋もれていた上、水量が少なかったので汲みにくい状態でした。標高1250m付近から尾根の幅は広くなり登りは緩やかになります。当日は7人で行動したため危険個所を通過するのに順番待ちのような状態になり登りに5時間を要しました。
コースタイム >>二王子神社発6:10〜車で胎内に移動〜胎内第一ダム着7:05発7:22〜ナリバ峰着8:53発9:03〜黒石山着10:00発10:10〜水場着10:25発10:33〜山頂着12:07発13:32〜定高山着14:39発14:47〜一王子着15:08発15:15〜二王子神社着15:52
参加者 岡本さん、鈴木眞さん、鈴木靖さん、早川さん、川田さん、久保田さん、吉田明弘
やっとあたりが明るくなってきた朝6時10分、オフミ参加者7名は私の車と鈴木眞さんの車2台の車に分乗して、今回の登山口の奥胎内を目指した。胎内側沿いの林道でカモシカに出くわした。約一時間して二王子山麓を半周して、登山口の胎内第一ダムに着いた。胎内第一ダムに着いて、出発の準備をしている頃、大粒の雨が降ったりやんだりし始めた。空を見上げると雲の流れが速い、ちぎれた雲の間から青空も見えている。新潟特有の初冬の雲の流れだ。 雨具を着ようかとも思ったが、とりあえず雨具のズボンだけはいて歩き出した。 >> 胎内第一ダムの扉を開けて、中の階段を降りていく。ここが登山道の入り口なんて知っている人じゃないと分からないだろう。まるで電車に乗るようだ。ダムの堰堤に出て対岸に渡ると登山道が始まった。歩き出してすぐブナの大木が道をふさいでいた。先週の台風で倒れたのだろうか。前途が心配になるが、その後は倒木が道をふさいでいるところはなかった。やがてブナの林の中の急登が始まった。鈴木眞さんはキノコに目が無いらしくキノコを見つけては採取していた。その間ほかのメンバーは小休止。鈴木眞さんはキノコの名前を皆さんに教授するが私は全く覚えられなかった。8時53分。三角点のあるナリバ峰についた。この頃には雨はすっかり上がっていた。眼下に胎内川沿いの林道が見える。風倉山に続く尾根が分かれていた。飯豊山は雲に隠れて全く見えない。10分休憩の後出発。そこから尾根は痩せ尾根に変わり、二王子の表の登山道とは全く違う趣を見せはじめた。急なところはロープがはってあり、思った以上に整備の行き届いた道になっていた。10時ちょうどに黒石山に着いた。標識は何も無いが雨量計が置いてあった。尾根越しに越後平野が見え始めていたが、飯豊 の姿は相変わらず雲の中、ちょうどこの登山道の尾根がガスの境目になっているようだった。10分休憩の後出発。一旦下り始める。鞍部を過ぎ再び登り始めたところに雨量計があり、以前このコースを歩いたことのある鈴木靖さんがここが水場ですよと案内してくれた。水場はほんの少し下ったところにあった小さな沢だ、水量が少なく落ち葉が沢を埋めているので水筒を満タンにするにはてこずりそうだった。再び急な登りになり、標高1250m付近から喬木帯になり、尾根の幅が広がって高原のようになり始めた。2個所ほど池塘があった。途中の雨量計のところに、この雨量計を設置して研究をしている新潟大学工学部の岡本先生に出くわした。学生を一人連れて雨量計に冬用のカバーをかけていた。早速われらが歯学部の岡本さんが自分のホームページの案内の名刺を差し出した。この道が良く整備されているのは、この岡本先生が雨量の研究をしているおかげなのだ。岡本先生は飯豊の足の松尾根や二王子の胎内からの登山道、表の登山道、そして、麓の胎内川と加治川の周辺に60個所もの雨量計を設置して研究しているそうだ、一ヶ月に一回ずつ記録紙を取り替えているそうだ。おかげで道がき れいに刈り払われていて、その上、足場の悪いところはロープまではってある。登山者にとってはありがたい先生なのだ。しかし、この研究もあと3年限りだとか、そうなるとこの道は再び薮と化すのだろうか。私たちの方が先に歩き出したが、すぐに岡本先生に追い越されてしまった。われわれはMMLの中でも健脚揃いのつもりだったが、山を仕事場にしている人にはさすがにかなわない。霧の中から山頂の鐘が見え始め、山頂の人たちの声が聞こえ出し、12時7分、ようやく山頂に着いた。山頂では昨冬落ちてしまった「青春の鐘」と名付けられた鐘を新しく設置する作業が行われていた。MML会員の新潟の吉田さん(私ではない)が待っていた。彼は表から登り山頂で1時間も我々を待っていたそうだ。飯豊山の稜線はかろうじて大石山と鉾立峰の間の最低鞍部のみ見えていただけだった。栃木から来た川田さんに二王子から見た飯豊山を見せたかったな。越後平野と日本海は眼下に見えていた。風をよけるために避難小屋の脇に陣取ってなべの準備をした。早川さんがホウトウを私が豚汁を作るつもりで具を持ってきていた。そこに現地調達のキノコを入れて、二つのコッヘルで煮始めた。寒い時期 はやっぱりなべ物ですね。そして、ビールで乾杯。楽しい昼食のひとときになった。13時32分、去りがたい山頂を後にして、二王子神社目指して下山を開始した。ここからは私のホームゲレンデ、登山を始めてこの二年間に15回も二王子を登っているのだ。そんな私でも今回の胎内ルートは始めてだった。こちらのコースは沢山の人が歩いているだけあって、道が所々とい状になっているところがある。所々木々の間から越後平野と日本海が見える。通称独標と呼ばれている定高山(じょうこうさん)と、一王子(いちのうじ)で少々休憩し、集合地点の二王子神社に15時52分に到着した。そこで解散し、私と鈴木眞さんと岡本さんはは車を回収するため胎内第一ダムに向かいそこで解散となった。普段登っている山も別ルートで登るとまるで別の山のようにスケールが大きく見えることが分かった。このメンバーでまた山登りやりたいと思った。

「新潟からの山旅」を開設しております、岡本です。 この日曜日に、胎内から黒石山を経て二王子岳に登ってきました。登山道は、良く整備されていました。難所にはロープが張られて、一般登山者にも、無理なく歩ける整備状況でした。来年の地図には、二王子岳の胎内ルートを是非紹介して頂けたらと思います。山行記録は、以下のアドレスです。なお、最近登った、飯豊・朝日関係の山のリストもお送りいたします。リンクの参考になれば幸いです。
朝日連峰・周辺 石黒山 98年9月27日 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/restend/okamoto/98/9845.html
飯豊連峰・周辺 黒石山から二王子岳 98年10月25日 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/restend/okamoto/98/9848.html  
黒森山 98年6月27日 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/restend/okamoto/98/9828.html  
鏡山 98年9月19日 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/restend/okamoto/98/9842.html  
高陽山 98年6月20日 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/restend/okamoto/98/9826.html  
焼曽根山 98年9月6日 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/restend/okamoto/98/9839.html