登山者情報393号

【1999年05月01日/石転ビ沢〜梶川尾根/斎藤弥輔調査】

天候:晴れ。飯豊山荘を5:00山発、ツブテ石から雪渓に入るがツブテ付近の雪渓は崩壊寸前で要注意である。梶川出合の上部に3m位の大穴が開いている。石転ビノ出合の大岩は二つとも顔を出していない。ホン石転ビ沢の反対(左岸側)から昨日発生したと思われるブロック雪崩跡があった。中ノ島(草付キ)は雪渓で覆われている。梅花皮小屋まで雪渓が続いているので、アイゼン・ピッケルが必要である。

朴ノ木峠から石転ビ沢を望む

下山のパーテイが200m位の滑落をしたのを確認するが、怪我もなく大丈夫のようで自力下山ができそうである。アイゼン・ピッケルの持たない単独の人がいたが、北股沢出合の上で10m位滑落をしたので、注意して下山をしてもらった。
09:15梅花皮小屋到着。入口のドアが雪の吹き込みで閉まらず、ザックを背負って入る事ができない。食事をとり、ピッケルでツルハシを掘り出し、凍った雪を砕き一汗をかく。外ドアと内ドアを開閉できるようにしてから、10:41梅花皮小屋を出発する。
北股岳の中腹から雪渓が残っている。登りにはあまり危険はなかったが、下りは注意すべきである。北股岳の下りからギルダ原までは夏道であるが、門内岳の登りと扇ノ地紙の手前に雪渓が残っている。北股岳山頂と門内岳の鳥居が倒れていた。
扇ノ地紙から梶川尾根は、ケルンまで雪渓が残り、ガスが出た場合に迷い、門内沢の方に入りやすいので注意して欲しい。梶川峰から下は夏道が全く顔を出しておらず、滝見場まで急斜面に雪渓が付いているので要注意個所である。下りコースでは左側のトットバノ沢に入りこんでコースを見失うことのないように注意することが必要と思われる。
この場所で7名の登山客とスライドするが、1パーテイ(2名)がアイゼン・ピッケルを持たず、注意をしたが聞いてもらえず心配である。湯沢峰付近で写真撮りをして、14:25飯豊山荘に到着する。
アイゼン、ピッケルを持たず、甘い考えで春山に入山する中高年の登山者に今後の対応をして行かなければ、悲惨な事故が起こることを避けられないと心配するのは、俺だけか!

コース概念図

今の時期は、アイゼン・ピッケルは必需品。アイゼン・ピッケルを持たない人は入山するべからず!