登山者情報395号

【1999年05月13日/梅花皮小屋/小国町商工観光課】

梅花皮小屋工事の日程が決まりました。5月15日から作業を開始し、5月23日には現小屋の内部解体が始まります。なお、新小屋の完成は8月下旬の予定です。このためこの期間は小屋の使用ができなくなるので注意してください。詳しくは商工観光課(0238-62-2111)にお問い合わせ下さい。

【1999年05月08〜09日/針生平〜大朝日岳/井上邦彦調査】

今回は小国山岳会の集中登山に参加。A班6名B班5名計11名で、06:43針生平を出発。祝瓶山分岐標柱から真っ直ぐ尾根に上がる踏み跡は祝瓶山行き、標柱から5m程進み、同じように尾根に登り河岸段丘を進むと白布橋に出る。

白布橋

今朝の小雨もあがり、幻想的な新緑のブナ林を進む。ムラサキヤシオ・イワウチワ・カタバミ・タムシバ・オオバクロモジが咲いている。角楢小屋手前の吊橋も一本吊橋からV型吊橋に架け替えられている。足場板は丸太を半割にしたものでやや不安定。

角楢小屋

橋に上がる所でザックが引っ掛かりやすくザックの大きい人はピッケルが邪魔になり四苦八苦。07:33〜42、角楢小屋で休憩、朝食を採る。何時もながら、きちんと管理されている。

トチノキの倒木

最後尾で大玉沢に着くと、LFDが対岸で早く来いと合図をしている。K女史が吊橋の下に座りこんでいた。岩に血が付着している。大玉沢の一本吊橋は沢の流木と尾根ブナを丸太とワイヤーで結んだものである。従って尾根に向かって登りになっており、特に最後の部分は急になり、手摺りとするために棒が取り付けられている。彼女は最後の部分で丸太に足を滑らせ、小柄なため棒をよく掴み切れず、ザックの重みに耐えれずに、下の岩に落ちたものである。LFDが手早くタオルで頭部の出血部位を圧迫、出血は次第に収まってきた。顔を見つめ話しかけると、多少のショック症状は見受けられるものの、意識は極めて明瞭である。暫らく様子を見て特に問題なしと判断、背負って大玉沢を渡渉し、私とM氏が同行し自力下山とする。他のメンバーは登りを再開する。民宿美和に2名をお願いし、私一人戻る。
11:04、18,097歩、大石橋から歩き始める。11:14白布橋通過。11:29、21,349歩、角楢小屋通過。11:54、24,151大玉沢通過。荷物は皆が分散して担いで上げているので、サブザックひとつで高度を稼ぐ。12:15先発隊と無線交信、既に北大玉の分岐を通過という。12:37、27,488歩、蛇引清水(下の分岐に黄色い標識あり)は雪に埋まっている。尾根筋の道を登ると部分的に雪が出てくる。12:45、上の清水分岐を過ぎる、この付近が一番辛い所だ。昼食はザックと共に上に上がっているので、空腹が効いてきた。登山道に流れる僅かな雪解け水とK女史からいただいたつまみで、急斜面を登りきる。サブザックの中にM氏がゲーターレードを2袋入れておいてくれたのを発見。三角袋に雪とゲーターレードを入れて手に持つ。12:59〜13:10、28,726歩、森林限界に飛び出ると素晴らしい景観が広がる。

森林限界から祝瓶山

ここからは傾斜の緩い快適な尾根歩きとなる。雪の上におにぎりとスットクが置かれていた。先行するQVHの心遣いである。ありがたい、早速に冷たいゲーターレードでおにぎりを頬張る。蚋が煩い。これで元気百倍、13:30〜48、北大玉山分岐で一人遅れていたQVHに追いつく。標柱の石の下に、先行隊がおにぎりとオレンジ2個を置いて行ってくれた。QVHと満喫する。ここでダブルザックを担いでいたQVHの荷物を分ける。

北大玉分岐

ふたりでのんびりと歩き始める。雪がもっとあると思ってプラスチックブーツを履いてきたQVHは、かなり歩きにくそうだ。13:59、北大玉山通過。注意しないと気がつかないが、可憐なヒメイチゲとカタクリが盛りである。

14:22、水場分岐通過、板の標識があるが文字は消えている。水場は雪の下である。14:36、34,124歩、廃道分岐、道形はかなり消えてきた、そろそろ迷う人もいないくなったであろう。14:42〜54、34,640、平岩山分岐手前には登山道脇に雪が沢山残っている。

平岩山から大朝日岳

いよいよ大朝日岳の登りであるが、朝日軍道の面影があるため、ジグザクでありさほど急とは感じない。コメバツガザクラが咲き始めている。

大朝日岳の登り

16:01〜07、39,047歩、大朝日岳頂上で広々とした展望を楽しんでいると、大朝日小屋から無線、ビールが冷えているから早く来いとのこと。16:14、39,775歩で大朝日小屋到着。

大朝日小屋

K女史から連絡があり、2針縫ったが他には異常なしとのこと、全員で安堵の乾杯。早速、小屋に居合わせた登山者2人をまじえての宴会となった。
翌日はビールがあるぞ声で起きる。のんびりと朝食し出発。古寺コース班と一緒に大朝日岳山頂で、M氏からいただいたメロンを切る。

大朝日岳山頂にて

あとはコースタイムも取らず下る。蛇引尾根では、イワウチワ・タムシバ・マンサク・ムラサキヤシオ・コヨウラクツツジが咲いていた。 13:55大玉沢。エンレイソウ・ショウジョウバカマを見る。スミレサイシン・カタバミ・キクザキイチリンソウ等が咲くブナ林を楽しむ。15:55、64,816歩で大石橋の駐車場に到着。