登山者情報410号

【1999年06月06日/1999年朝日連峰山開き/針生平〜平岩山/木内茂雄調査】

(6/5)16時より五味沢の山の神の神事なので、今回初めて参加してみた。リフレの風呂に入り身を浄めて現地に5分位前に着いたが、一般参加者が少なかったので予定時間より少し遅れて始まった。最初神主かと思っていたら、何やら数珠のジャラジャラが聞ここて来て“南無帰依法、南無帰依仏”となったので、おや?和尚さんかと判った。曹洞宗のようだが、よく葬式で聞くのとはどこか趣きが違い、山の安全祈願らしい言語が混ぎっていたようだ。そして、町長以下玉串奉奠となったので成るほど神仏一体型だなと思った。    一通り終わり、お神酒をあげこの場は解散となった。場所を変え五味沢活性化センターで5時半より、前夜祭、即ち山菜祭となった。例年の如く山の幸を“ゴッツオウ”になった。盛り上がったことは言うまでもない。私はあまり酒が強くないので、10時前に寝たと思う。
(6/6)4時には明るくなっていたが、既に起きて何かと動いている人がいた。5時には出発となっていたが出足が遅れて針生平車道終点より歩き始めたのは5時40分頃であった。昨年はBコースの祝瓶山だったので、今回はAコースの平岩山に行くことにしてあった。
まず、A一班の参加者を記しておく。辺見京子、日野浦百合子、波多野善衛、青山信子、齋藤啓助、伊藤ミエ子、影山進、影山宣子、四條とも子、大峰泉、舟山辰巳、案内人:斎藤重美、戸田弥市、木内茂雄の14名。直ぐに吊橋となるが、以前に比べ大分良くなっている。前には吊っているワイヤーの針金がほつれていて手に刺ったこともあった。斎藤リーダーが先頭で私は最後尾についたが、角楢小屋に着くまでの間、後の方は少し開いたがそんなに遅れることなく、全員小屋の前で朝食をとった。握り飯を2個食べ終わる頃には、出発となった。平なブナ林の中の歩行なので、ノンビリと立派なブナを眺めあげたり、足元には何か花は咲いてないかと見回したが、見当らない。去年か一昨年はチゴユリが咲いていたが、今年はまだなのだろうか?。大玉沢で重かった缶ビール11個とワンカップ2個を沢に浸して、帰りの楽しみにした。ここで、影山宣子さんが脱落したので進氏も戻ることになった。
そして、愈々急登の始まりとなった。例年の如くヒメシャガが咲いていたが、今年は少し早い様でもう終わりの感じであった。この急な登りでメンバーの体力差が出て斉藤リーダーのかたまりと、戸田リーダー及び私のかたまりとの間隔が、段々と大きく空いてきた。そして、A−2粧とA3班のメンバーの人も入り混じってきた。蛇引清水辺りでは先行グループと大分離れた様だ。花はあまり見掛けず、ウラジロヨウラク、ツツジ、マイズルソウ、ユキザサを少し見つけた。天気は良く、高度が上がって来るに従い、左側には大朝日から派生してきている尾根に残雪が付いているのが近くに見え、又右後には祝瓶山が見える様になった。
直ぐに森林限界となり視界が360度に広がった。これから向かう山々が尾根の向こうに手に取る様である。そして、花も少し増えてきた。マイズルソウ、イワハゼ、ツバメノオモト、オオバキスミレ(或いはクモマスミレ)、チゴユリ、ハクサンチドリ、そして、後一過間もすると咲きそうなヒメサユリ、それから咲いてはいないがネバリノギラン、ニツコウキスゲ、イワナシ、タカネニガナ?らしいものもあった。そして、例年の如く、北大玉山近く右側の残雪のそばにはシラネアオイが挨拶をしていた。天気は相変わらず良く、一寸した曇りでも頬が火照る程暑い。少しではあるが、幾らかのそよ風に救われる。此の頃であったろうか、羽田リーダーが“平岩山に到着、只今よりビールを飲む”とか、祝瓶山到着の斉藤リーダーより“只今、全員到着、乾杯の音頭をお願いします”なんて無線をとばして来るので、気持ちが焦る。ここまで水一滴も飲まないで来たので、もう少し我慢とこらえる。そして、後から来る高橋、高力リーダーに後続グループをお任せして、遠くに見える先行グループを追った。
平岩山手前の下りではピッチが上がったが、登りになるとガクッと落ちる。頂上手前の右斜面に残雪が大分あった。到着は10時50分頃だったろうか。大半の人達が先着していた。我が班では四條さん、日野浦さん、辺見さん、舟山さんがまだである。四條さんが蛇引清水辺りで脱落に近い感じで遅れていたし、日野浦さんが大玉山辺りでブレーキがかかっていたので、どうかなと心配していたが遅れて無事到着した。頑張るものだと感心した。そして、もっと驚いたのは大正14年生まれの山崎さんが登って来たことだ。それから見ると私などはまだまだ足元に及ばない。さて、周りには黄色の小さな花が咲いていた。これは以前よりミヤマキンバイと思っていたが、羽田リーダーはそうでなくてエチゴキジムシロだと訂正されたと言っていた。帰ってきてから調べてみたがキジムシロ科だけは合っている様だがイワキンバイに近いようにも思こる。しかし、総合的にはミヤマキンバイが妥当な気がするけれどどうだろうか?、ウスユキソウを一本見つけた。それからチンゲルマが少し咲いていた。それと今回気がついたことだがマツムシソウの苗が大分有り、シーズンになれば結構なお花畑になりそうだ。
ユックリと休み、12時30分に下山開始した。後はただ下るのみなので私は途中で先頭に立った。そして、“大玉沢に冷してあるビールでお待ちしています”と言い残し先に下った。大玉沢で待つこと暫し、ゾクゾクと下りてきた。全員にはやれなかったが、Al班を主体に冷えたビールを渡し、最後尾から来るリーダー分を残して何人かのグループと出発した。後は平な山道なので特にアクシデントも無く全員無事下山した。