登山者情報416号

【1999年07月03〜04日/大日杉〜飯豊山(三町合同山開き)/齋藤弥輔(JK7LFD)調査】

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14:30自宅を出発、大日杉小屋到着する。16:30より山開きの諸行事が終わり、班別の懇親会が盛大に始まった。まもなく、雨が激しく降りだして明日の天候が心配されるが、「天気祭りを盛大に行えば雨なんて一晩であがってくれるぞ」と言う言葉でコップを持つ手が忙しく動く。しかし、雨の方はは益々激しくなり、懇親会場のテントに雨漏りが始まり小屋に逃げる人が続出。我々もリーダー用のミーティングルーム(仮設テント)に移動し、仕上げの天気祭りを行うが、3:00起床の3:30出発なので早々に退散し(最後まで天気祭りをしてくれた人は何時になった事やら?)車の中で寝た。ここが一番静かである。
7/4、2:30起床、喉が渇き目が覚めたと言ったほうが当たっているかもしれない。隣の車の中で武田会長が起きて居るのが見えた。3:20準備をして、おにぎりを二食分もらい、班の点呼を行い3:30それぞれヘッドライトを付けながら小雨の中を出発する。まもなく、新潟から酸化した山崎さんが遅れだしたので、Aコースフリーの武田会長にお願いをして、AコースB班の最後尾に着く。鎖場のザンゲ坂を上り切った所でヘッドランプは不要となる。小雨の中を43名がスローペース(なめくじ走行)で進み、昨夜の毒(懇親会で飲み過ぎたアルコール)をしぼりだしていた。
長之助清水4:40通過。だまし地蔵を過ぎた所でヒメサユリが咲き始めていた。地蔵岳山頂06:30通過し、地蔵清水で朝食タイムをとる。ここから御坪の間は刈り払いも終わっているが、ヒメサユリだけは残されており、満開の状態。小雨なので、一つ一つの花が生き生きとして美しい。参加者一同が驚きと感激の声をあげていた。
目洗い清水07:30通過。目指す飯豊本山は雲の中で婆を見せてくれない。御坪を通過し、雪渓コースの御沢に出る。
 ここで菅野リーダーに雪渓の歩行の注意事項をしていただき、一列になり進む。最後の急登は先発がザイルの設置とカッティングをしてくれたので、スムーズに登る事ができて、切合小屋09:10到着。武田会長のサポートで4名がカンバックする事になった。視界30m位のガスの中を出発する。山々の景色を楽しむ事はできないが、足元の高山植物は素晴らしいの一言である。オノエラン、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマハンショウヅル、ヒナウスユキソウの群落、アカモノ、ツマトリソウ、ムシトリスミレ、ダイモンジソウ、アオノツガザクラ、ゴゼンタチバナ、モミジカラマツ、タカネスミレ、オヤマノエンドウ、それといままで見た事のないオヤマノエンドウ変色の白があった。花の名をあげれば切りがない。稜線の花々を見ながら姥権現、御秘所を通過し、最後の御前坂を登り、11:30本山到着。予定時間より30分の遅れであるがまずまずの到着時間である。本山小屋で昼食を食べ、12:30本山小屋を出発する。風もあり寒いせいか、皆のペースが早い。切合小屋下の雪渓の下りも無事通過し、御坪で小休止をして、またヒメサユリで両サイドがいっぱいの 登山道を地蔵岳を目指す。
目洗い清水を過ぎた所で休憩し、私が背負っているメロンを29人で分け、全員で食べた。本山の山頂に御上げしたありがたいメロンである。地蔵岳山頂着、相変わらず本山山頂は厚い雲に覆われ見えない。16:10地蔵岳を出発。まもなく一人が膝の故障を訴え、遅れ始める。患部にスプレーをしながら、ゆっくりと下る。4人のリーダーのサポートで「このコースは一泊で行ってくるコース。日帰りできたのはたいしたもんだ」と励ましながら大日杉小屋に18:40到着する。御苦労様でしたと、山開き本部関係者が向かえてくれた。ドロだらけの登山靴と雨具を脱ぎ、着替えをして19:00大日杉小屋を後にする。自宅着19:45。大日杉小屋→自宅までの距離38.4km、時間45分。
以 上