登山者情報440号

【2000年02月20日/倉手山/吉田岳調査】

足水中里中野山慶昌寺にて、宴会の残り鍋をお腹に収め、車で小玉川へ。雪は小降りになってきて、予報通り曇り空になりそうだ。
大淵橋手前に車を止め、9時20分林道をシールを着けず、スキーでそのまま歩き出す。左斜面からの雪崩跡は、1ヶ月前に来た時よりはるかに大きくなり、危険な状態。20分後、登山口に到着。標識は埋まっていて見えない。ここでかんじきに履き換える。最初のやや急な斜面は亀裂が入っており、右側を巻いて登って行く。30分程、ややきついラッセルを強いられた。標高560m位から斜度が少し緩やかになり、シール歩行に切り変える。上空は曇っているが、視界は良好。気温も大部上がってきて、上は下着1枚に素手という格好である。11時780mのピークに到着。そこから10m程下り、少し登った所でまたカンジキに履き換え、最後の登りに備えた。東側に伸びている雪庇に気を配り、抜からそうな所を選びながら、体力に任せて山頂を目指す。大部息も切れてきた時、突然視界が広がり、雄大な飯豊連峰の山々が現れた。この瞬間はまさに「お見事」という感じである。
11時30分、倉手山山頂着。何とか予定通り登山口から2時間で登ることが出来た。朝日連峰は約1,500m辺りから上は一直線に濃い雲で覆われている。高橋氏に無線連絡していたところ、平田氏とも繋がった。しかし感度はよくなく、後でまた入れてみるとのことだったが、こっちは滑り出したらあっと言う間なので、これ以上連絡はとれないだろうと思われた。
12時15分滑降開始。雪質もよく快適な滑り出し。雪庇と亀裂の確認のため時々止まり、また滑る。2度程亀裂にはまりそうになったが態勢を崩さず何とかクリア。780mピークへの登り返しは斜めにトラバースしながら登り、たいして苦にならなかった。560m辺りまでは、また快適な滑りを楽しむ。しかし、そこから下は狭い尾根と木々、かつ重くなった雪質のため、少してこずらされた。自分の滑った後から次々と雪崩が発生して行く。昨日までの大雪の後のこの暖気であるから「最高の雪崩日和」であるのだ。しかしコースを辿っていけば巻き込まれることはなさそうだ。
12時40分、登山口に到着。2時間の登りの苦労を十分に償える30分の滑りだった。最後の林道歩きは朝よりはるかに危険になっていた。気温が上がり、自分が滑った振動にも影響されて、目の前で雪崩が起こっていた。特に梅花皮荘裏の辺りは、左手が切り立った玉川への崖になっているデブリの上を歩かなければならない。小さな雪のブロックにでも当たれば、まっ逆さまである。山手を見ながら素早く通過し、13時大淵橋に到着した。

コースタイム
大淵橋(09:20)〜(09:40)登山口(09:50)〜780mピーク(11:00)〜(11:50)倉手山(12:15)〜登山口(12:40)〜(13:00)大淵橋