登山者情報445号

【2000年03月13日/黒沢峠/吉田岳調査】
越後と米沢を結ぶ古い歴史を持つ旧街道。黒沢峠はその間にある13峠の1つである。夏は草が刈られ敷石が続く散策道である。今日は山スキーを使い、黒沢地区から峠を越え、向こう側の市野々地区へ、さらにそこから折り返し、峠を越えて黒沢に戻るという日程を組んだ。
8時15分、山スキーにシールを着け、黒沢を出発。今朝はかなり冷え込み、雪降りにガスという生憎の天気だったのだが、歩き出した途端晴れ出してきた。予報はあまり良くなかったが、気まぐれの晴れ間はしばらく続きそうな感じである。8時35分、林道を外れトイレやかまどのある広場に到着。ここが登山口である。コースには目印などはあまりないが、尾根筋ということと、登山道っぽい所を西南西に辿って行けば間違えそうもない。途中珍しくキツネと遭遇した。旧街道にキツネとは何となく情緒がある。足跡を確認しようとしたが、硬雪のためわからない。しかしこの硬雪のためハイスピードでどんどんと上っていけた。雪面を駆け足で逃げ行くリスとも出会う。樹齢30年ほどのナラノの木が今年の大雪のためかなりやられていた。やはり雑木の二次林も出来れば間伐した方がいいのでろう。標高380m辺りからやや南側にトラバースする。9次15分黒沢峠到着。2m以上ある大きな看板は雪に埋まって見えない。積雪は3m50cmくらいあるのだろうか。眼鏡屋さんに無線で連絡。弥輔氏達が猿鼻山へ向かっているとのこと。しかし彼らとは連絡がつけられなかった。市野々への夏道はここから南西に続いてい るのだが、快適なスキー下降のため471mのピークまで北に5分程歩いて行った。
9時35分シールを外し滑降開始。最初は木々の間隔もちょうど良く、硬めの雪面を快適に滑る。しかし370m辺りからだんだん雪が重くなり、快適とは言えなくなってきた。やまり時期的に少し遅かったようだ。ここは手軽さと滑落・雪崩等の危険性の低さから考えても、1〜2月の晴れた日にでも来るべき所のようだ。そんな中、はからずも2度スギに衝突してしまった。河原の上の平坦地まで滑り降り、おにぎりを食べ、9時55分また峠に向けて登り出した。30分で471mピークに到着。その頃から風が強まり雪も強く降り出してきた。無線でもう1度眼鏡屋さんに自分の位置を告げる。下は雨降りとのこと。やはり一時の晴れ間だったようだ。またシールを外して、10時30分滑降開始。峠へは寄らず、直接尾根道を滑っていく。雪が眼鏡に着き見えにくいが、外すと目に雪が当り痛い。悪い視界の中、木や枝に当たらぬよう右に左にあるいはしゃがんだりと、ややスリル感を味わう。4年間酷使してきたゴアカッパをみぞれが染み込んでくる。そろそろカッパとしての寿命も終わり、ヤッケあるいはスキーウェアとして、再出発させる時期がきたようだ。無事登山口を通過し思い雪の上をスケーティングしながら滑っ ていき、101時50分黒沢に到着した。急いでカッパを脱ぎ、車の中に入りこんで、それから町の温泉へと向かった。

コースタイム
黒沢(08:15)〜登山口(08:35)〜黒沢峠(09:15-09:20)〜471mピーク(09:25-09:35)〜市野々(09:50-09:55)〜471mピーク(10:25-10:30)〜黒沢(10:50)