登山者情報446号

【2000年03月12日/西俣ノ峰/井上邦彦調査】

国民宿舎梅花皮荘に車を置きく。小雨なのでカッパを着て、民宿奥川入荘に挨拶をし、崖のような雪山を上り、スキーを履く。シールの貼り付けに手間取り07:30歩き始める。何時ものようにシモカバタケ沢手前の尾根に上がり、スキーを担ぐ。珍しくカモシカの足跡はなく、ウサギの足跡だけである。どうも何時もの年と雪のつき方が違う。部分的に左を巻く。

倉手山全貌

08:45〜09:12標高530mで主尾根となる。予想通り天候は回復してきたので、下着1枚となる。ここで再度スキーを履く。ここからスキーを履いたのは始めてである。とにかく全体的に雪が多い。09:51標高700mの平坦部はでブナの樹に合掌する。

西俣ノ峰を目指す

850mから950mまでの急斜面には雪崩落ちてきた雪塊が一面に広がっていた。950mからは雪がシールにくっつき、歩きにくいこと、この上もない。山頂まで登ってしまうと風があると思い、10:40〜11:21ブナの根元で何時ものようにラーメンを煮、ODDと交信する。腹ごしらえを終えて、11:30西俣ノ峰山頂に立つ。行ける所までと考え、枯松峰に向けて歩き始める。下り始めてすぐ、雪庇の亀裂が巨大雪庇の中程にあるので驚く。雪庇の末端から十分に余裕を持って進む。が、登りに差し掛かった途端に穴に落ちてしまった。亀裂の兆候は認められなかった。何とか這い上がり、ここから戻ることにした。

西俣ノ峰から枯松峰と頼母木山 右手の小さな穴が私の落ちた穴

11:57西俣ノ峰でシールを外して滑降を開始する。雪の安定性を確認しながら尾根の南側をゆっくり下り、950mから東南の尾根を若干下って、カミカバタケ沢の源頭部を斜滑降で横断する。トレースから拳大の小さな雪塊が落ちて行く。920m付近からは尾根の北側を滑る。だんだんと滑降に身体が慣れてきたので尾根上をそのまま滑り、600m付近でスキーを脱ぐ。かなり迷ったが、シモカバタ沢を下ることにした。中間の小尾根をベースに斜滑降を繰り返し、南の沢に入ると、上部は背筋が寒くなるような雪の状態だ。デブリの中で転倒する。すぐにスキーを外し、起き上がってスキーを履き、しゃにむにデブリを脱出する。
なんとかシモカバタケ沢からでて、のんびりと奥川入に向かう。今日始めての雪崩が轟音を響かせて対岸の川倉で落下して行くのを眺めながら、13:05奥川入着。

吹き付けの難所とダイグラ尾根を望む