登山者情報450号

【2000年04月16日/連休の推測、救助訓練/藤田栄一・井上邦彦調査】

飯豊連峰登山口の長者原は例年にない大雪。この分だと融雪は近年から1ヶ月遅れるだろう。連休時の大淵(梅花皮荘との分岐)から天狗平(飯豊山荘)までの間は、危険性が高いので注意すること。
雪崩がおさまらない上、おおふたがり沢対岸の通称吹きつけ付近は、急斜面のトラバースとなる。温身平堰堤作業員が雪を掘って足場を造るものと思う割れるが、状況によっては堅雪でピッケルが必要になると思われる。初心者の入山は無理。
この間の車道除雪は、連休後に取りかかり、5月中旬に除雪完了。一般車開放は5月下旬になる見こみ。
今冬は積雪量が多い割に表層雪崩が少なかった。このため、石転ビ沢雪渓では岸壁と雪渓の間に生じるクレパス(空間)が出来にくくなり、結果、落石が途中のクレパスで止まらずに雪の上に残り、登山コースまで落下する確率が高くなると思われるので、留意すること。
猟友会員によると、大雪の割にはスノーブリッジが発達していない。また、湿雪全層雪崩がまだ発生しきっておらず、今後多発する可能性があるとのとこであった。
改築なった新梅花皮小屋については、規模が拡大されたので、これを機会に出来る限り幕営を規制し(国立公園の特別保護地域のため基本的に幕営は禁止されている)、植生の保護に努めたいので、協力をお願いしたい。特に水洗トイレの蒸散装置(黒い土の部分)には幕営厳禁である。
梅花皮小屋の管理人は、現時点では7月1日から8月末日まで入る予定であり、それ以外も随時巡視する。

16日、小国山岳会員有志による救助訓練が行われた。今回は、雪渓上における遭難者の搬出用具3種類が始めて公開された。試用してみると一長一短あり、かつ部分的な改良が必要であるが、今後の実践(無いことを切に希望するが)では、大きな力を発揮するものと思われる。
横根スキー場での救助訓練