登山者情報457号

【2000年05月05日/梶川尾根〜門内沢/吉田岳調査】
7時30分 梅花皮荘を出発。改正。飯豊の稜線がきれいに見える。あんな高いところまで本当に日帰りで行けるのかと不安を感じつつも、ひたすら林道を歩く。同行者は青森から来てくれたテレマーカー木田君。スキーは上級であるが、雪山登山に関してはそれ程経験がない。今日はピッケル・アイゼン・スコップそして無線と携帯電話で万が一に備えた。8時40分。飯豊山荘着。一本。ここまでは半分くらい車道がでていた。左手からの雪崩に関してはまだまだ注意が必要である。
10時5分 梶川尾根登り口。ここから1本半くらいは夏道歩きとなる。イワウチワが群生してきれいに咲いている。湯沢峰滝見場、梶川峰下でそれぞれ一本。完全に夏道となったのは1050m辺りからである。天気は晴れ、微風、視界良好。上はかなりの強風だとすれ違った人たちから言われたが、自分たちが稜線に出た頃には風はおさまったようであった。所々クラックになっていたが、キックステップが効き滑落の危険性は少ない。梶川峰手前からやっとシール歩行となった。ここからは傾斜もゆるやかになり雄大な飯豊連峰の大パノラマを見ながら気持ちよく歩く。しかし、あまり時間に余裕がない。
扇の地紙に着いたのが15時である。ここから稜線は小国側にかなりの雪庇となっている。胎内山下の斜面をトラバースする足跡を発見。カモシカかあるいはクマか。15時20分 門内岳到着。ビールで乾杯。いいペースで登ってこれたと思うが、ここまで8時間。標高300mから1887mまで登ったのだから仕方ないであろう。木田君も飯豊山の大きさに感動しているようだった。
15時45分 いよいよ門内沢大滑降開始。最初の急斜面を思い切って滑り出し、ややクラストし始めた雪面をシャープターンで滑って行った。標高が下がってくるとやや重たくなったが、デブリを避けてすべることができ、最高に気分がいい。木田君も華麗にテレマークを決めながら滑ってくる。テレマークはやっている方もそうだろうが、見ている方にも楽しませてくれる。しかし、靴ずれでかかとが痛いらしく彼のペースはだんだんと落ちてきた。2年も使っているそうだが、登りにこれだけ使ったのは初めてとのこと。
16時50分梅花皮砂防ダムにて一本。ここまで1時間の大滑降であった。あとはビンディングをフリーにしてスケーティングで滑るのみ。聞いた話通り今年は大雪の後の低温のせいで全層雪崩がまだ起きていないところが多く、まだまだ危ない状態だった。飯豊山荘を通過し、18時林道途中でスキーを脱ぎ、かついでまたひたすら歩き18時50分梅花皮荘到着。そのまま温泉にひたる。
以上